【歌詞和訳】Defying Gravity – Cynthia Erivo

今回の曲のタイトルは、「Defying Gravity」です。直訳すると、「重力に逆らって」です。

シンシア・エリヴォは1987年生まれのイギリス人女優・シンガーで、2016年にブロードウェイ・ミュージカル『カラーパープル』でトニー賞主演女優賞を受賞し、2019年の映画『ハリエット』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた実力派です。「Defying Gravity」は、ジョン・M・チュー監督による映画『ウィキッド』(2024年11月22日公開)のオリジナル・サウンドトラックに収録されており、エリヴォが演じる主人公エルファバの第一幕フィナーレを飾る楽曲です。サウンドトラック・アルバムはリリース直後に全米ビルボード200で上位にランクインし、ジャンルはミュージカル・シアター/ポップ。自由・自己解放・社会への反抗といったテーマを力強く歌い上げています。

【直訳のポイント】タイトルの “defying” は「逆らう」「抗う」という意味の動詞で、物理的な重力への反抗だけでなく、世間の偏見や社会的束縛に立ち向かうという比喩的なニュアンスも込められており、この楽曲の核心テーマを凝縮した一語です。

細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。

※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。

以下、和訳です。


Defying Gravity – Cynthia Erivo

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[GLINDA, spoken]
Elphaba
エルファバ

Why couldn’t you have stayed calm for once
なぜ一度くらい、冷静でいられなかったの

Instead of flying off the handle1flying off the handle
[句動詞・慣用句]「斧(axe)の刃が柄(handle)から勢いよく飛ぶ」情景に由来し、「突然かっとなる・激怒する」を意味するイディオム。
?

そうやってかっとなる代わりに?

I hope you’re happy
これで満足でしょうね


[GLINDA]
I hope you’re happy now
あなたが今、幸せならそれでいいわ

I hope you’re happy how you’ve hurt your cause2cause
[名]「原因」ではなく「信念・理想のために戦う大義・活動目標」の意。
forever

あなたが自分の大義を永遠に傷つけて、それで満足しているなら、そうすればいい

I hope you think you’re clever
自分が賢いとでも思っているなら、それでいいわ


[ELPHABA, spoken]
I hope you’re happy
あなたが幸せでいてくれたら嬉しい


[ELPHABA]
I hope you’re happy too
あなたも幸せでいるといいね

I hope you’re proud how you would3would
[助動詞]ここでは仮定・条件ではなく「〜しようとした」「〜するものだった」という意志・習慣的過去を表す用法。

誇りに思っているといいね、あなたがどのように

Grovel4grovel
[動]「地面に這いつくばる」→ 転じて「卑屈に媚びへつらう・ひれ伏す」という意。
in submission to feed your own ambition

自分の野心のために卑屈に這いつくばったかを


[GLINDA & ELPHABA]
So though I can’t imagine how
どうすればそうなれるのか想像もできないけれど

I hope you’re happy right now
今、あなたが幸せでいることを願っている


[GLINDA, spoken]
Elphie, listen to me
エルフィー、聞いて

Just say you’re sorry
ただ謝ればいいの





[GLINDA]
You can still be with the Wizard
まだウィザードのそばにいられる

What you’ve worked and waited for
ずっと努力して待ち望んできたものが

You can have all you ever wanted
望んでいたものすべてが手に入る


[ELPHABA, spoken]
I know
わかってる


[ELPHABA]
But I don’t want it
でも、もうそれを望んでいない

No, I can’t want it anymore
いや、もうこれ以上望むことさえできない

Something has changed within mе
私の中で何かが変わった

Something is not the same
何かがもう同じじゃない

I’m through with5through with
[句・口語]「〜とは終わりだ・もうやめた」を表すイディオム。throughは「通過した」ではなく「決着がついた・済んだ」の意。
playing by

もう従い続けるのはごめんだ

The rules of someone else’s game
誰かのゲームのルールなんかに

Too late for second-guessing6second-guessing
[動名詞・イディオム]一度した決断を後から疑ったり覆したりすること。「二度目の推測をする」→ 迷い直す・判断を翻す、の意。

今さら迷い直す時間はない

Too late to go back to sleep
眠りに戻るには遅すぎる

It’s time to trust my instincts
今こそ本能を信じる時

Close my eyes and leap
目を閉じて、飛び込もう

It’s time to try defying7defying
[動]defy(反抗する・に逆らう)の現在分詞形。ここでは「重力に逆らう」という比喩的・劇的な表現。
gravity

重力に逆らう時が来た

I think I’ll try defying gravity
重力に逆らってみようと思う

And you can’t pull me down8pull me down
[句動詞]「引き下ろす」→ 誰かの前進や夢を妨げる・足を引っ張るという比喩的表現。

あなたには私を引き下ろすことなんてできない


[GLINDA]
Can’t I make you understand
わからせることができないの?

You’re having delusions9delusions of grandeur
[名・イディオム]「誇大妄想」。自分が実際より偉大・重要だと信じる妄想的な思い込みを指す精神医学用語。
of grandeur?

あなたは誇大妄想に取り憑かれているって。


[ELPHABA]
I’m through10through
[形・慣用]「終わった」「もうたくさん」という意味。”I’m through with X”で「Xはもうおしまい」を表す。
accepting limits

もう限界を受け入れるのはやめた

‘Cause someone says they’re so
誰かがそう言うからというだけで

Some things I cannot change
変えられないこともある

But ‘til I try, I’ll never know
でも試してみなければ、わかりはしない

Too long, I’ve been afraid of
長い間、ずっと恐れてきた

Losing love, I guess I’ve lost
愛を失うことを——でももう失ってしまったのかもしれない

Well, if that’s love
もしそれが愛というものなら

It comes at much too high a cost11cost
[名・イディオム]”come at a cost”で「代償を伴う」「犠牲を払う」という慣用表現。直訳の「費用」ではなく比喩的な「代償・犠牲」を指す。

あまりにも高すぎる代償を伴う

I’d sooner12I’d sooner
[慣用句]I would soonerの短縮形で「むしろ〜したい」「〜のほうがまだまし」という意味。時間的な「より早く」ではなく選好を表す。
buy13buy
[動・俗語]「購入する」ではなく「受け入れる・選び取る・信じる」の意。
defying gravity

むしろ重力に逆らうことを選ぶ

Kiss me goodbye, I’m defying gravity
さよならのキスをして、私は重力に逆らう

And you can’t pull me down14pull me down
[句動詞]「引き下げる・失墜させる」の意。物理的に引っ張るのではなく、「(人の意欲・地位などを)貶める・挫く」というイディオム。

あなたには私を打ち砕くことなんてできない


[ELPHABA, spoken]
Come with me
一緒に来て

Think of what we could15could
[助動詞]can の過去形・仮定法用法。ここでは「もしそうなら~できるだろう」という可能性・期待のニュアンス。
do together

ふたりで何ができるか、想像してみて





[ELPHABA]
Unlimited
無限大

Together, we’re unlimited
一緒なら、私たちは無限大

Together, we’ll be the greatest team there’s ever been, Glinda
一緒に、史上最高のチームになれるわ、グリンダ

Dreams the way we planned ‘em
思い描いた通りの夢を


[GLINDA]
If we work in tandem16in tandem
[副・イディオム]「縦列で」→「協力して・連携して」を意味する慣用表現。

もし私たちが力を合わせるなら


[GLINDA & ELPHABA]
There’s no fight we cannot win
僕たちに勝てない戦いなんてない

Just you and I defying17defying
[動]defy(あからさまに逆らう・無視する)の現在分詞。”defying gravity”で「重力の法則を超える」→ あらゆる限界を乗り越えるという比喩表現。
gravity

ただ君と僕で、重力さえも超えて

With you and I defying gravity
君と僕がともに、重力に逆らいながら


[ELPHABA]
They’ll never bring us down18bring us down
[句動詞]「落とす・打ちのめす」→ 誰かの士気や立場を崩す・屈服させるという意味のイディオム。

奴らには絶対に私たちを屈服させられない


[ELPHABA, spoken]
Are you coming?
来るの?


[GLINDA]
I hope you’re happy
あなたが幸せであることを願っている

Now that you’re choosing this
これを選んだのだから





[ELPHABA, spoken]
You, too
あなたも


[ELPHABA]
I hope it brings you bliss
これがあなたに至福をもたらすことを願っています


[GLINDA & ELPHABA]
I really hope you get it19get it
[句動詞]「それを手に入れる・うまくいく」または「理解する」を意味する句動詞。文脈により「望むものを得る」か「状況を正しく把握する」かが変わる。

本当に、あなたにうまくいってほしい

And you don’t live to regret it20live to regret it
[イディオム]「後悔するほど長く生きる」→「のちのち後悔することになる」という意味の慣用表現。

そして後悔することのないように

I hope you’re happy in the end
最後には幸せになれるといいな

I hope you’re happy, my friend
幸せでいてほしい、友よ


[ELPHABA, spoken]
No, leave21leave
[句動詞]「leave ~ alone」で「〜をほうっておく・手を出さない」という慣用表現。
her alone!

やめろ、彼女に手を出すな!

She hasn’t done anything wrong
彼女は何も悪いことをしていない

I’m the one you want
お前が求めているのは俺だ

I’m the one you want!
お前が求めているのは俺だ!

It’s me!
俺なんだ!


[ELPHABA]
It’s me
私よ

So if you care to22care to
[句動詞]「〜したいと思う・〜する気がある」という丁寧・文語的表現。care to do=「〜しようとする」。
find me

だから私を探したいなら

Look to the western sky
西の空を見上げて

As someone told me lately
最近、ある人が私にこう言った

“Everyone deserves the chance to fly”
「誰もが空を飛ぶ機会を得る資格がある」と

And if I’m flying solo23flying solo
[イディオム・航空]「単独飛行する」が転じて「誰の助けも借りずひとりで行動する」の意。

たとえひとりで飛ぶとしても

At least, I’m flying free
少なくとも、自由に飛んでいる

To those who’d ground24ground
[動詞・転用]名詞「地面」が動詞化し、「(航空機を)地上に引き留める」→「人の自由・行動を制限する・束縛する」の意。
me

私を地に縛りつけようとする者たちへ

Take a message back from me
私からのことばを持ち帰って

Tell them how I’m defying gravity
私が重力に逆らっていることを伝えて

I’m flying high25flying high
[慣用句]「高く飛ぶ」→ 有頂天になっている・大いに成功していることを表すイディオム。
, defying gravity

高く舞い上がり、重力に逆らいながら

And soon, I’ll match them in renown26renown
[名]名声・名誉。広く世に知られていることを意味するやや文語的な語。

やがて、名声でも彼らに並び立つ

Unlimited
限りなく

Unlimited
限りなく

Unlimited
限りなく


[ELPHABA, spoken]
And, nobody in all of Oz27Oz
[固有名詞]L・フランク・ボームの小説『オズの魔法使い』に登場する架空の魔法の国。ミュージカル『ウィキッド』の舞台でもある。

そして、オズ中の誰も





[ELPHABA]
No wizard that there is or was28wizard
[名・比喩]本来「魔法使い」だが、ここでは「どんなに力ある者・何者」という強調表現として使われている。

今いようと過去にいようと、どんな魔法使いも私を打ちのめすことはできない

Is ever gonna bring me down29bring me down
[句動詞]「私を落とす」→「気落ちさせる・打ちのめす・屈服させる」を意味するイディオム。

誰にも、絶対に


[GLINDA]
I hope you’re happy
あなたが幸せであることを願っています


[CITIZENS OF OZ]
Look at her! She’s wicked30wicked
[形・俗語]本来「邪悪な」だが、文脈によっては「すごい・かっこいい」の意にもなるスラング。ここでは否定的な意味で使用。
!

彼女を見て!最悪だ!

Kill her!
やっつけろ!


[CITIZENS OF OZ & ELPHABA]
No one mourns31mourns
[動]mourn(嘆き悲しむ・弔う)の三人称単数現在形。故人の死を悼む、哀悼するという文語的動詞。
the wicked32wicked
[名・文語]形容詞 wicked(邪悪な)が名詞化された表現。「邪悪な者たち」を指す聖書的・文語的用法。
(Bring me down)

邪悪な者を悼む者などいない(私を引き倒せ)

So we’ve got to bring her
だから彼女を連れてこなければ


[ELPHABA]
Oh
ああ


[CITIZENS OF OZ]
Down
落ちていく

Down
落ちていく

Woah
ウォア



Writer(s): Stephen Schwartz

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以上です、いかがでしたでしょうか!

以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!

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よくある質問

この曲はどんな曲ですか?

「Defying Gravity」は、2003年にブロードウェイで初演されたミュージカル『Wicked』の第一幕フィナーレを飾る名曲です。2024年公開の映画版『Wicked』では、主人公エルファバ役を務めたシンシア・エリヴォが圧倒的な歌唱力でこの曲を披露し、世界中で大きな話題を呼びました。映画の公開とともに楽曲への注目が再燃し、ストリーミング各プラットフォームでも再生数が急増しています。

この曲はどんなテーマを歌っていますか?

この曲は、社会の圧力や他者の期待に縛られることを拒み、自分自身の意志で自由に生きることを高らかに宣言するパワーバラードです。ジャンルとしてはシアター・ポップおよびブロードウェイ・ショーチューンに分類され、解放感・自己実現・反骨精神といった感情的テーマが力強く描かれています。エルファバが「魔女」として世間から烙印を押されながらも、空へと飛び立つ場面と重なり、聴く者に深い感動を与えます。

この曲の歌詞で特徴的な英語表現を1つ取り上げ、その意味を日本語で説明してください

「I’m through accepting limits ‘cause someone says they’re so.」というフレーズが特に印象的です。直訳すると「誰かがそう言うからという理由だけで、限界を受け入れることはもうしない」という意味になります。”be through -ing” は「〜することをやめた・終わりにした」という決意を示す口語表現で、他者に押しつけられた常識や制約への決別を、力強いひと言で体現しています。

この曲を書いたのは誰ですか?

「Defying Gravity」の作詞・作曲はスティーヴン・シュワーツ(Stephen Schwartz)によるものです。シュワーツは1970年代にミュージカル『ゴッドスペル』や『ピピン』で名声を確立し、その後ディズニー映画『ポカホンタス』(1995年)や『ノートルダムの鐘』(1996年)の楽曲も手がけ、アカデミー賞を複数回受賞した実力派の作曲家・作詞家です。繊細なメロディーラインと文学的な歌詞が高く評価されており、現代ミュージカル界を代表するソングライターの一人として知られています。

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関連リンク

Defying Gravity – Cynthia Erivo (Official Video)

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