今回の曲のタイトルは、「Vienna」です。直訳すると、「ウィーン」です。
「Vienna」は、アメリカ・ニューヨーク出身のシンガーソングライター兼ピアニスト、ビリー・ジョエル(Billy Joel)が1977年にリリースしたアルバム『ザ・ストレンジャー(The Stranger)』に収録された楽曲です。同アルバムはビルボード200で最高2位を記録し、全世界で1000万枚以上を売り上げた大ヒット作となりました。「Vienna」はシングルとしてリリースされた曲ではありませんでしたが、ビリー・ジョエルが実際にオーストリアのウィーンを訪れた際に、高齢になっても現役で働き続ける人々の姿に感銘を受けたことからインスピレーションを得た楽曲です。ジャンルはピアノロック・ソフトロックで、「人生を焦らず、自分のペースで歩んでいい」という普遍的なメッセージが時代を超えて多くのリスナーに愛され続けています。
【直訳のポイント】サビで繰り返される「Vienna waits for you」の「waits for」は「〜を待つ」という意味。「ウィーンがあなたを待っている=急がなくていい」という温かいニュアンスが伝わるよう訳しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Vienna – Billy Joel
[Verse 1]
Slow down, you crazy child
ゆっくりしなよ、向こう見ずな子よ
You’re so ambitious for a juvenile1juvenile
[名]「若者・少年」を指す、やや格式ばった語。法律・教育の文脈では「未成年者」の意にも用いられる。
若者にしては、ずいぶん野心的だね
But then if you’re so smart
でも、そんなに頭がいいなら
Tell me why are you still so afraid? Mm
なぜまだそんなに怖がっているのか、教えてよ
Where’s the fire2Where’s the fire
[慣用句]「火はどこだ?」→「何をそんなに急いでいるの?」という皮肉まじりの表現。急ぎすぎる人に向けて使うイディオム。, what’s the hurry about?
何をそんなに急いでいるの、焦る理由でもあるの?
You’d better cool it off3cool it off
[句動詞]「冷やす」→ 興奮や焦りを「落ち着かせる・抑える」こと。 before you burn it out
燃え尽きてしまう前に、少し落ち着いた方がいい
You’ve got so much to do
やるべきことはたくさんある
And only so many hours in a day, hey
でも一日の時間は限られているんだから、ね
[Chorus]
But you know that when the truth is told
でも本当のことを言うなら、あなただってわかっているはず
That you can get what you want or you can just get old
欲しいものを手に入れるか、ただ老いていくだけか
You’re gonna kick off4kick off
[動・俗語]「蹴り出す」が原義だが、「死ぬ」を意味するイギリス英語のスラング。 before you even get halfway through, ooh
人生半ばにも届かないうちに逝ってしまうよ
When will you realize Vienna waits for you?
いつになったら気づくの、ウィーンがあなたを待っているって?
[Verse 2]
Slow down, you’re doin’ fine
ゆっくりで大丈夫、うまくやってるよ
You can’t be everything you wanna be before your time5before your time
[慣用句]「自分の時機が来る前に」という意味のイディオム。準備が整う前・時が熟す前に、というニュアンス。
時が熟す前に、なりたいものすべてにはなれない
Although it’s so romantic on the borderline tonight, tonight
境界線の上にいる今夜はひどくロマンチックだけれど
Too bad, but it’s the life you lead6lead
[動]「導く」→「(生活を)送る・営む」の意。”lead a life” で「生活を送る」というイディオム的用法。
残念だけど、これがあなたの生き方
You’re so ahead of yourself7ahead of yourself
[慣用句]「自分自身より先へ行きすぎている」→ 現実よりも先走って焦りすぎていることを表す表現。, that you forgot what you need
焦りすぎて、本当に必要なものを忘れてしまった
Though you can see when you’re wrong
間違っているときはわかるのに
You know you can’t always see when you’re right
自分が正しいときは、いつもわかるとは限らないってわかってる
You’re right
あなたは正しい
[Chorus]
You’ve got your passion, you’ve got your pride
あなたには情熱がある、誇りもある
But don’t you know that only fools are satisfied?
でも、満足しきってしまうのは愚か者だけだと知らないの?
Dream on, but don’t imagine they’ll all come true8come true
[句動詞]「実現する・叶う」の意。come(来る)+true(真実の)が組み合わさったイディオム。, ooh
夢を見続けて、でもそのすべてが叶うとは思わないで
When will you realize Vienna waits for you?
いつ気づくの、ウィーンがあなたを待っていると?
[Instrumental Break]
[Chorus]
Slow down, you crazy child
ゆっくりしなよ、焦りすぎのあなた
And take the phone off the hook9take the phone off the hook
[句動詞・慣用表現]固定電話の受話器(hook=フック)を置かずに持ち上げたままにすること。着信不能な状態にして「外界との連絡を絶つ」を意味する慣用表現。 and disappear for a while
電話を繋がらなくして、しばらく姿を消して
It’s all right, you can afford to lose a day or two, ooh
大丈夫、一日や二日くらい休む余裕はあるんだから
When will you realize Vienna10Vienna
[固有名詞]オーストリアの首都ウィーン。この曲では「焦らず待っていてくれる未来・人生の本当のゴール」の象徴として用いられている。 waits for you?
いつになったら気づくの、ウィーンはあなたを待っているのに
[Outro]
And you know that when the truth is told
正直に言えば、君もわかってるはずだ
That you can get what you want or you could just get old
望むものを手に入れるか、ただ歳を取るだけかのどちらかだと
You’re gonna kick off11kick off
[動・俗語]「蹴り出す」→「死ぬ」を意味する英国口語スラング。 before you even get halfway through, ooh
人生の折り返し地点にも達しないうちに逝ってしまうよ
Why don’t you realize Vienna12Vienna
[固有名詞・文化]オーストリアの首都ウィーン。この曲では「焦らなくていい、ゆっくりした充実した人生がまだ先に待っている」という象徴として用いられている。 waits for you?
なぜ気づかないんだ、ウィーンが君を待っているのに
When will you realize Vienna waits for you?
いつになったら気づくんだ、ウィーンが君を待っていると
Writer(s): Billy Joel
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Vienna」はどんな曲ですか?
「Vienna」は、ビリー・ジョエルが1977年にリリースしたアルバム『The Stranger』に収録された楽曲です。ジョエルがウィーンに暮らす父親を訪ねた経験をもとに書かれており、「人生を急ぎすぎないで」というメッセージが込められています。発売当初はシングルカットもされず目立った存在ではありませんでしたが、2020年代にTikTokやストリーミングサービスを通じて若い世代に再発見され、Spotifyで5億回以上再生されるほどの大きな注目を集め、Billboard Hot 100にも再チャートインを果たしました。
“juvenile”はどういう意味ですか?
歌詞の中で「You’re so ambitious for a juvenile」という形で登場します。juvenile(ジュヴェナイル)は「年少者・未成年者」を意味する英語で、日本語の「子どもっぽい」に近いニュアンスも含んでいます。つまりこの一節は「まだ若い子どものくせに、そんなに必死にならなくていいよ」と語りかけているわけです。焦って先へ先へと進もうとする若者を、優しくたしなめる親目線の言葉と考えるとわかりやすいでしょう。
“Where’s the fire”はどういう意味ですか?
「Where’s the fire, what’s the hurry about?」というフレーズに出てくる表現です。直訳すると「火事はどこ?」になりますが、これは英語の慣用句で、まるで火事場に向かう消防士のように猛スピードで走る人を見かけたときに「そんなに急いでどこに行くの?」と問いかけるイメージから生まれました。日本語に意訳するなら「そんなに焦ってどうするの?」「何をそんなに慌てているの?」といったニュアンスです。忙しなく駆け抜けようとする主人公に「落ち着いて」と問い直す、この曲のテーマを象徴するひと言です。
“cool it off”はどういう意味ですか?
「You better cool it off before you burn it out」という歌詞に登場します。cool it offは「熱を冷ます・ペースを落とす・落ち着く」という意味のくだけた表現で、興奮や焦りを抑えてひと息つくイメージです。続くburn it outは「燃え尽きる」を意味し、無理をしすぎてエネルギーを使い果たしてしまうことを指します。全体では「燃え尽きてしまう前に、少しペースを落としなさい」というアドバイスになります。現代で言う「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の警告を、50年近く前の曲がすでに歌っていたというのは驚きですよね。
関連リンク
Vienna – Billy Joel (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】Honesty – Billy Joel
【歌詞和訳】Just The Way You Are – Billy Joel
【歌詞和訳】My Life – Billy Joel
【歌詞和訳】Piano Man – Billy Joel
【歌詞和訳】Hey Baby (Drop It to the Floor) – Pitbull