今回の曲のタイトルは、「A Few Of Your Own」です。
直訳すると、「あなた自身のいくつかを」です。
バーモント州出身のシンガーソングライター、Noah Kahanの2025年の新曲です。2022年のアルバム「Stick Season」が世界中でバイラルヒットし、インディーフォーク・シーンの最前線に立ったKahanの最新作で、The Nationalのギタリスト・プロデューサーとして知られるAaron Dessnerとの共作です。過去の傷と自己不信を抱えながらも、誰かに愛される喜びと安堵を描いた感情豊かなフォークポップバラードです。
【この曲の言葉について】
過去の痛みと不安を抱える主人公が、それでも愛される幸せに戸惑いながら向き合う一曲です。あえて意訳で飾らずに「そのまんま」の言葉で訳すことで、歌詞が持つ剥き出しの脆さを大切にしました。特に「I knew well, I knew hell, and now I don’t」のフレーズは、辞書の意味を繋ぎ合わせるだけで、地獄のような過去を知っていた人間が救われた瞬間の安堵感が伝わってきます。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
A Few Of Your Own – Noah Kahan
[Verse 1]
I was high1high
[形容詞]ここでは「薬物・酒などでハイな状態」の意味。Noah Kahanの楽曲ではしばしば若い頃の過剰な飲酒体験が描かれており、ここでも文字通りの意味で使われている。 when I met you, life was somethin’ to get through2get through
[熟語]「〜を乗り越える、切り抜ける」。”get”(移動する)+”through”(通り抜けて)のイメージから、困難な状況をなんとか通り過ぎることを表す。
あなたに出会った時、僕はハイだった、人生は何とか切り抜けるべきものだった
Picture frame in your bedroom, of the one man that left you
あなたの寝室の写真立て、あなたを去っていった男の
And I felt the spiral3spiral
[名詞]「螺旋、渦巻き」。”the spiral of the earth”で地球が渦を巻くような感覚を表し、愛される喜びで頭がくらくらする様子を詩的に表現している。 of the earth when you finally called me yours
あなたがついに僕をあなたのものと呼んでくれた時、地球が渦巻くような感覚を覚えた
Ain’t it strange how you saw me gettin’ dressed in the hallway?
廊下で着替えているところを見ていたなんて、おかしくないか?
You could tell4could tell
[熟語]「〜だとわかった、察することができた」。”tell”には「伝える」の他に「見分ける、気づく」という意味があり、”could tell”で「〜を察せた」となる。 I was fallin’, or escapin’ from somethin’
僕が(恋に)落ちているのか、何かから逃げているのか、あなたにはわかった
You didn’t say a single word, you didn’t see me as a curse5curse
[名詞]「呪い、厄災、厄介者」。”see A as B”で「AをBとみなす」という熟語。ここでは「僕を呪いのような厄介な存在とは見なさなかった」という意味。
一言も言わなかった、僕を呪いだとは見なさなかった
The state of the summer blends us in with each other
夏の空気が僕たちをお互いに溶け込ませる
We would pray for more thunder for a night under cover
屋根の下での夜のために、もっと雷が続くよう祈っていた
We were huddlin’6huddlin’
[動詞]huddle「身を寄せ合う、小さく縮こまる」の現在進行形の短縮。寒さや恐れ・親密さから体を寄せ合う様子を表す。 like mice, below an unforgivin’ sky
容赦ない空の下、ねずみのように身を寄せ合っていた
[Pre-Chorus]
Too old for both of us to keep howlin’ at the moon7howlin’ at the moon
[慣用句]「月に向かって吠える」→「無謀な夢を追い続ける、馬鹿騒ぎをする」という慣用句。犬や狼が月に吠える姿から、無意味・無謀なことに情熱を注ぐイメージが由来。
二人とも、月に向かって吠え続けるには年を取りすぎている
To be cross-eyed drunk8cross-eyed drunk
[スラング]”cross-eyed”は「寄り目の、目が交差した」状態のこと。それほどひどく酔っ払っていることを表す俗語表現。「泥酔した」の意。 this young in the afternoon
こんなに若いのに午後から泥酔するには
Two souls in one truck, and no money left to lose
一台のトラックに二つの魂、失うお金すら残っていない
Teach me how to not stare at you
あなたをじっと見つめない方法を教えてくれ
And I spent the whole night singin’
そして一晩中歌い続けた
[Chorus]
“Oh, my, my, what a time to be alive9what a time to be alive
[慣用句]「なんて生きているのにいい時代(瞬間)なんだ」という感嘆表現。素晴らしい出来事や喜びに対して驚きと感謝を込めて使う。“
「ああ、なんて生きているのにいい時代なんだ」
Young and dumb10young and dumb
[口語]「若くて馬鹿な」という意味のセットフレーズ。”dumb”は本来「口の利けない」の意だが、口語では「愚かな」を指す。若気の至りで無鉄砲だった頃を懐かしく振り返る表現。 on the edge of the world
世界の端で、若くて馬鹿で
Oh, good Lord11good Lord
[感嘆詞]”Lord”(主、神)を使った驚き・嘆きの感嘆表現。”Oh my God”に近いニュアンス。宗教的な意味よりも、強い感情を込めた感嘆詞として使われる。, what it means to be alone
ああ、神よ、孤独でいることの意味よ
I knew well, I knew hell12hell
[名詞]本来は「地獄」だが、ここでは比喩的に「ひどい経験、最悪な状況」を指す。”knew well”(よく知っていた)と韻を踏みながら対比し、良いことも悪いことも経験してきたことを表す。, and now I don’t
よく知っていた、地獄も知っていた、でも今は違う
Tell me, love, if the devil ever comes
教えてくれ、愛する人よ、もし悪魔がやってきたとしたら
To make good on13make good on
[熟語]「〜を果たす、返済する、実行する」。”make good”(良い状態にする)+”on”(〜に対して)から、約束や借りを果たすイメージ。 the debts that I owe
僕が負った借りを果たすために
Wish me well14wish me well
[慣用句]「僕の幸せを願ってくれ、無事を祈ってくれ」。”wish someone well”で「誰かの幸運・幸福を祈る」という固定表現。, tell the stories I would tell
僕の幸せを願ってくれ、僕が語るはずだった話を語ってくれ
Go ahead15go ahead
[慣用句]「さあどうぞ、進め、やってみろ」。相手に行動を促す表現。”go”(進む)+”ahead”(前へ)から。, make a few of your own
さあ、あなた自身のいくつかの(話を)作ってくれ
A few of your own
あなた自身のいくつかを
[Verse 2]
Once all the rain stopped, I was afraid you might wake up
雨がすっかりやんだとき、あなたが目を覚ますかもしれないと恐れた
And remember who I am, and remember what I’ve done
そして僕が何者か、何をしてきたかを思い出すかもしれないと
Didn’t ask me to justify16justify
[動詞]「正当化する、弁解する」。ラテン語”justus”(正しい)を語源とし、「正しいと示す、弁明する」の意。ここでは「正当化しろ、言い訳しろとは求めなかった」という文脈。, you just sat up and rubbed your eyes
正当化しろとは言わなかった、ただ体を起こして目をこすっただけ
I grew up with a feelin’ that what’s good must be fleetin’17fleetin’
[形容詞]fleeting「つかの間の、はかない」の短縮形。「飛び去る」を意味する”fleet”が語源で、良いものは長続きしないというはかなさを表す。
良いものははかないに違いないという気持ちの中で育った
That if I’m happy, I’m dreamin’, then I’m prepared for you leavin’
幸せなら夢を見ているだけだ、だからあなたが去るのも覚悟していた
But I see that shitty beat-up18beat-up
[形容詞]「使い古した、ボロボロの」という口語表現。”beat”(叩く)から転じ、何度もぶつかり傷んだ状態を指すスラング。 car, oh baby, there you are
でもあのボロボロの車が見える、ああベイビー、そこにいるんだね
[Pre-Chorus]
Too old for both of us to keep howlin’ at the moon
月に向かって吠え続けるには二人とも年を取りすぎている
Cross-eyed drunk this young in the afternoon
こんなに若いのに午後から泥酔した
Two souls in one truck, and no money left to lose
一台のトラックに二つの魂、失うお金すら残っていない
Teach me how to not stare at you
あなたをじっと見つめない方法を教えてくれ
We yelled
僕たちは叫んだ
[Chorus]
“Oh, my, my, what a time to be alive”
「ああ、なんて生きているのにいい時代なんだ」
Young and dumb on the edge of the world
世界の端で、若くて馬鹿で
Oh, good Lord, what it means to be alone
ああ、神よ、孤独でいることの意味よ
I knew well I knew hell, and now I don’t
よく知っていた、地獄も知っていた、でも今は違う
Tell me, love, if the devil ever comes
教えてくれ、愛する人よ、もし悪魔がやってきたとしたら
To make good on the debts that I owe
僕が負った借りを果たすために
Wish me well, tell the stories I would tell
僕の幸せを願ってくれ、僕が語るはずだった話を語ってくれ
Go ahead, make a few of your own
さあ、あなた自身のいくつかの(話を)作ってくれ
A few of your own, a few of your own
あなた自身のいくつかを、あなた自身のいくつかを
“Oh, my, my, what a time to be alive”
「ああ、なんて生きているのにいい時代なんだ」
Young and dumb on the edge of the world
世界の端で、若くて馬鹿で
Oh, good Lord, what it means to be alone
ああ、神よ、孤独でいることの意味よ
I knew well I knew hell, and now I don’t
よく知っていた、地獄も知っていた、でも今は違う
Tell me, love, if the devil ever comes
教えてくれ、愛する人よ、もし悪魔がやってきたとしたら
To make good on the debts that I owe
僕が負った借りを果たすために
Wish me well, tell the stories I would tell
僕の幸せを願ってくれ、僕が語るはずだった話を語ってくれ
Go ahead, make a few of your own
さあ、あなた自身のいくつかの(話を)作ってくれ
A few of your own, a few of your own
あなた自身のいくつかを、あなた自身のいくつかを
[Outro]
Oh, make a few of your own
ああ、あなた自身のいくつかの話を作ってくれ
Oh, make a few of your own
ああ、あなた自身のいくつかの話を作ってくれ
Oh, make a few of your own
ああ、あなた自身のいくつかの話を作ってくれ
Writer(s): Noah Kahan, Aaron Dessner, Gabe Simon
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「A Few Of Your Own」はどんな曲ですか?
Noah Kahanの2025年の新曲です。バーモント州出身のインディーフォークシンガーソングライターで、2022年のアルバム「Stick Season」で世界的にブレイクしたKahanが、The Nationalのプロデューサー・Aaron Dessnerとともに制作しました。過去の傷や自己不信を抱えながらも、誰かに愛される喜びと安堵を描いた感情豊かな一曲で、Apple Music USチャートに初登場しました。
「howlin’ at the moon」はどういう意味ですか?
「月に向かって吠える」という慣用句で、「無謀な夢を追い続ける」「馬鹿騒ぎをする」という意味です。犬や狼が月に向かって吠える姿から生まれた表現で、この曲では「そんな無謀なことをするには二人とも年を取りすぎた」という文脈で使われています。
「make good on the debts」はどういう意味ですか?
「make good on〜」は「〜を果たす、返済する」という熟語です。この曲では悪魔がやってきて「僕が負った借り(過去の過ちや罪悪感)を清算する」という比喩として使われており、主人公が自分の過去と向き合うイメージが込められています。
「cross-eyed drunk」はどういう意味ですか?
「寄り目になるほど酔っ払った」という俗語表現で、「泥酔した」という意味です。”cross-eyed”(目が交差した状態)という視覚的なイメージから、それほどひどく酔っていることをユーモラスに表現しています。
関連リンク
A Few Of Your Own – Noah Kahan (Official Music Video)
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