今回の曲のタイトルは、「End of August」です。直訳すると、「8月の終わり」です。
ノア・ケイアン(Noah Kahan)の2025年の曲です。プロデューサーにはテイラー・スウィフトの「folklore」「evermore」を手掛けたアーロン・デスナー(Aaron Dessner)が参加。バーモント州の小さな町で育った視点から、故郷への複雑な愛着と閉塞感、晩夏の移ろいを詩的に描いたフォーク・インディーポップで、Apple Music USチャートで初登場4位を記録しています。
【この曲の言葉について】
故郷の閉塞感と晩夏の空気を歌ったこの曲では、あえて意訳で飾らずに「そのまんま」の言葉で訳しました。特に「the bugs are just startin’ to die」(虫たちがちょうど死に始める頃)の部分は、辞書の意味をそのまま繋ぐだけで、原曲の鋭い観察眼と静かな哀愁がにじみ出てきます。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
End of August – Noah Kahan
[Verse 1]
Richie and Austen are often along for the ride1along for the ride
[熟語]「ただ一緒についてくる」「流れに任せてついていくだけ」という意味の慣用句。主体的に参加するのではなく、受け身でいる状態を表す。
リッキーとオースティンはよく一緒についてくる
They don’t say a lot, but they know every inch2every inch
[熟語]「すみずみまで」「一インチ残らず」という意味の慣用句。”know every inch of ~” で「〜を隅々まで知り尽くしている」というニュアンスを持つ。 of this drive
あまり話さないけれど、このドライブのすみずみまで知っている
If these trees started talkin’, I bet you they’d only talk shit3talk shit
[熟語]「悪口を言う」「くだらないことを言う」という意味のスラング。”shit” が汚い・価値のないものを表すことから、「ひどいことを言う」「陰口を叩く」という口語表現になった。
もしこの木々が話し始めたら、きっと悪口しか言わないだろう
‘Cause we never do anythin’ real, we just talk about it
俺たちは本当のことは何もしない、ただ話すだけだから
Endin’ of August, the bugs are just startin’ to die
8月の終わり、虫たちがちょうど死に始める頃
All the neighbors are votin’ for someone who wins every time
近所の人たちは皆、いつも勝つ人に票を入れている
And I thought gettin’ older meant knowin’ it’s too late to try
歳を取るということは、試みるには遅すぎると知ることだと思っていた
And I tried gettin’ sober4sober
[形容詞]「しらふの」「お酒を飲んでいない状態」のこと。”gettin’ sober” は「しらふになる」「断酒する」という意味の表現。, I swear I did better this time
断酒しようとした、今回こそうまくやった、誓ってもいい
[Pre-Chorus]
Ooh, hm
Ooh, hm
Ooh, hm
Ooh, hm
[Chorus]
Woah, everythin’ you see out here will die
外で見えるもの全てが、いつか死んでいく
Oh, it’s a matter of time5a matter of time
[熟語]「時間の問題」という意味のイディオム。”matter” は「問題・事柄」を表し、”it’s just a matter of time” で「いつかは必ずそうなる」というニュアンスを持つ。
ただ時間の問題だ
‘Til it’s fields of ice and reflector lights6reflector lights
[名詞]道路に設置された反射板(リフレクター)が放つ光のこと。夜間に車のヘッドライトを反射して道路の端を示す。
氷の野原と反射板の光に覆われるまで
‘Til it’s our town, mm
俺たちの町になるまで
[Verse 2]
And anythin’ you need, I will provide
必要なものは何でも、俺が用意する
A ride home or an alibi7alibi
[名詞]「アリバイ」「不在証明」のこと。もともと犯罪捜査で使われる言葉だが、ここでは比喩的に「誰かをかばうための口実・言い訳」を意味する。
家まで送ること、または口裏合わせでも
I know the traffic light you can speed right by
思い切り通過できる信号機がどれかも知っている
‘Cause the camera’s down8down
[形容詞]機械やシステムが「故障している」「止まっている」状態を指す口語表現。”the camera’s down” で「カメラが壊れている(機能していない)」という意味になる。
カメラが壊れているから
And I follow New York plates9New York plates
[名詞]ニューヨーク州のナンバープレートを付けた車のこと。ニューヨーク市周辺からバーモント州へ観光や別荘目的でやって来る人たちを指す表現。 to the county line10county line
[名詞]郡(county)の境界線のこと。アメリカでは州の下に郡という行政単位があり、その境界を “county line” という。
ニューヨークナンバーの車を郡境まで追いかける
I ignore ‘em when they wave on 891189
[固有名詞]州間高速道路89号線(Interstate 89)のこと。バーモント州を南北に走る主要幹線道路で、ノア・ケイアンの故郷周辺を通る。
89号線で手を振ってきても、無視する
The minute that September hits
9月が来た瞬間に
I’m goin’ off my medicine12off my medicine
[熟語]「薬をやめる」という意味の表現。”go off ~” に「〜から離れる・やめる」という意味があり、”off medicine” で「服薬をやめている状態」を指す。, oh
薬をやめる
Late August angst13angst
[名詞]「不安」「憂鬱」「焦燥感」のこと。ドイツ語由来の英単語で、単なる不安を超えた、漠然とした実存的な苦しさや焦りを表す。 and a pointless night
8月終わりの憂鬱と、意味のない夜
Oh, and the feelin’ of being alive
そして、生きているという感覚
For the first time in a long time
久しぶりの
[Instrumental Break]
[Bridge]
Drawin’ of a place, oh, we’re a photo on the fridge
場所の絵のような、そう、俺たちは冷蔵庫に貼った写真みたいなものだ
They mined14mined
[動詞]mine(採掘する)の過去形。”mine” には「鉱山」という名詞の意味のほか、「鉱石を採掘する」という動詞の用法もある。 copper15copper
[名詞]「銅」のこと。バーモント州では歴史的に銅鉱山の採掘が盛んだったが、現在はほぼ廃坑となっている。 for years, oh, there was nothin’ left to dig
何年も銅を掘り続けた、もう掘るものは何も残っていなかった
It’s a place where most kids just grow up and have kids
ほとんどの子供たちがただ大きくなって子供を産む場所
Grow up and have kids who build homes for the rich
大きくなって、金持ちのために家を建てる子供を産む
[Chorus]
Oh, everythin’ you see out here will die
外で見えるもの全てが、いつか死んでいく
Oh, it’s a matter of time
ただ時間の問題だ
‘Til it’s fields of ice and reflector lights
氷の野原と反射板の光に覆われるまで
‘Til it’s our town
俺たちの町になるまで
[Post-Chorus]
‘Til it’s our town
俺たちの町になるまで
‘Til it’s our town
俺たちの町になるまで
And it’s ours now
もう俺たちのものだから
‘Cause it’s ours now
だって今は俺たちのものだから
[Outro]
050721605072
[固有名詞]バーモント州の郵便番号(ZIP code)の一つ。ノア・ケイアンゆかりのバーモント州の地域を指す番号で、故郷への帰属意識を表している。
05072
A long shadow
長い影
Writer(s): Noah Kahan, Aaron Dessner
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「End of August」はどんな曲ですか?
ノア・ケイアンが2025年にリリースした曲で、テイラー・スウィフトの「folklore」「evermore」を手掛けたプロデューサー、アーロン・デスナーとのコラボレーション作品です。バーモント州の小さな町で育った経験をもとに、故郷への複雑な愛着と閉塞感、季節の移ろいを詩的に描いたフォーク・インディーポップで、Apple Music USチャートでは初登場4位を記録しました。
「along for the ride」はどういう意味ですか?
「ただ一緒についてくる」「流れに任せている」という意味の慣用句です。自分から積極的に動くのではなく、成り行きに任せて受け身でついていくだけの状態を表します。この曲では、友人たちが特に目的もなくドライブに同乗している様子を表現しています。
「a matter of time」はどういう意味ですか?
「時間の問題」という意味の定番表現です。”matter” は「問題・事柄」を意味し、”it’s just a matter of time” で「いつかは必ずそうなる、避けられない」というニュアンスになります。サビでは、この町もいつか衰退する――それは避けられない――という諦観を表しています。
「off my medicine」はどういう意味ですか?
「薬をやめる(服薬をやめる)」という意味の口語表現です。”go off ~” に「〜から離れる・やめる」という意味があり、”go off my medicine” で「薬を飲むのをやめる」となります。9月が来ると薬をやめてしまうという歌詞は、季節の変わり目と精神状態の変化を結びつけた印象的な表現です。
関連リンク
End of August – Noah Kahan (Official Video)
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