今回の曲のタイトルは、「I Will Survive」です。直訳すると、「私は生き延びる」です。作詞・作曲はフレディ・ペレンとディノ・フェカリスのコンビによるもので、力強いメッセージが込められた一曲です。
グロリア・ゲイナーは1949年9月7日、アメリカ・ニュージャージー州ニューアーク生まれのR&B・ディスコシンガーです。「I Will Survive」は1978年にアルバム『Love Tracks』に収録され、当初はシングル「Substitute」のB面としてリリースされましたが、DJたちがこぞってプレイしたことで火がつき、1979年にビルボード・ホット100で1位を獲得しました。翌1980年には、史上初めて(かつ唯一)設けられたグラミー賞「最優秀ディスコ・レコーディング賞」を受賞。失恋後の痛みを乗り越え、自分の力で立ち上がる女性の姿を描いたディスコ・アンセムとして、今なお世界中で愛され続けています。
【直訳のポイント】「survive」は「生き延びる」と直訳できますが、この曲では失恋の苦しみを乗り越え自立を取り戻すという強い意志を込めた言葉として使われており、その力強さを意識して訳しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
I Will Survive – Gloria Gaynor
[Verse 1]
At first I was afraid, I was petrified1petrified
[形・文語]ラテン語「petra(石)」に由来。恐怖で石のように固まるさまを表し、「震え上がるほど怖い」の意。
最初は怖かった、恐怖で身がすくんでいた
Kept thinkin’ I could never live without you by my side
あなたがそばにいなければ生きていけないと、ずっとそう思い続けていた
But then I spent so many nights thinkin’ how you did me wrong2did me wrong
[句動詞・イディオム]「私に対して間違ったことをした」→「ひどい仕打ちをした・裏切った」の意。
でもその後、あなたにひどい仕打ちをされたことを思いながら、幾夜も過ごした
And I grew strong and I learned how to get along3get along
[句動詞]「前へ進んでいく」→「うまくやっていく・一人でやっていく」の意。ここではあなたなしで生きていくこと。
そして私は強くなり、ひとりでやっていく術を学んだ
And so you’re back from outer space
それなのに、あなたは宇宙の果てから戻ってきた
I just walked in to find you here with that sad look upon your face
帰ってみれば、あなたがここにいて、悲しそうな顔を浮かべていた
I should have changed that stupid lock, I should have made you leave your key
あのバカな鍵を替えておくべきだった、鍵を返させておくべきだった
If I’d have known4I’d have known
[仮定法過去完了・口語]”I had known” の非標準口語形。「もし知っていたなら」という反実仮想を表す。’d = had。 for just one second you’d be back to bother me
あなたが戻ってきて迷惑をかけるなんて、ほんの一瞬でも分かっていたなら
[Chorus]
Go on now, go, walk out the door
さあ行って、行って、ドアから出て行って
Just turn around now, ‘cause you’re not welcome anymore
さっさと向きを変えて、もうあなたの居場所はないから
Weren’t you the one who tried to hurt me with goodbye?
別れを告げて私を傷つけようとしたのは、あなたではなかった?
Did you think I’d crumble5crumble
[動・比喩]「崩れる・砕ける」→ここでは感情的に「打ちのめされる・心が折れる」の意で使われている。? Did you think I’d lay down and die6lay down and die
[慣用句]「横たわって死ぬ」→「あきらめてひれ伏す・黙って打ちのめされる」の意のイディオム。?
私が打ちのめされると思っていた?黙って倒れ伏すと思っていた?
Oh, no, not I7not I
[代名詞・詩的表現]口語では “not me” と言うところを、主格 I を用いた強調的・詩的な否定形。, I will survive
ああ、違う、このわたしは違う、わたしは生き延びる
Oh, as long as I know how to love, I know I’ll stay alive
ああ、愛し方を知っている限り、生き続けられるとわかっている
I’ve got all my life to live, and I’ve got all my love to give
生きるための人生がすべてある、そして与えるための愛もすべてある
I will survive, I will survive, hey, hey
わたしは生き延びる、わたしは生き延びる、ヘイ、ヘイ
[Verse 2]
It took all the strength I had not to fall apart8fall apart
[句動詞]「バラバラになる」→ 感情が崩れ、自制心を失うことを示すイディオム。
自分を見失わないために、持てる力を全て使い果たした
Kept tryin’ hard to mend the pieces of my broken heart
砕けた心のかけらを繋ぎ合わせようと、必死に努力し続けた
And I spent oh-so many nights just feelin’ sorry for myself
そしてあまりにも多くの夜を、ただ自分を哀れんで過ごした
I used to cry, but now I hold my head up high9hold my head up high
[慣用句]直訳「頭を高く掲げる」→ 誇りを持って堂々と生きることを示すイディオム。
昔は泣いてばかりいたけれど、今は胸を張って生きている
And you see me, somebody new
あなたの目に映る私は、生まれ変わった新しい私
I’m not that chained-up little person still in love with you
あなたへの愛に縛られていた、あの頃の小さな私はもういない
And so you felt like droppin’ in10droppin’ in
[句動詞]「drop in」→ 予告なしに気軽に立ち寄ることを示すイディオム。 and just expect me to be free
それで気まぐれに顔を出して、私がひとり身だとでも思っているの?
Now I’m savin’ all my lovin’ for someone who’s lovin’ me
今は、私を愛してくれる人のためだけに、愛を取っておくの
[Chorus]
Go on11Go on
[句動詞・命令]「続ける」が原義だが、命令形で「さあ行け・とっとと行け」と相手を追い払う口語表現。 now, go, walk out the door
さあ行って、行くんだ、ドアの外へ出て行け
Just turn around now, ‘cause you’re not welcome anymore
さっさと向きを変えろ、もうあなたの居場所はここにはない
Weren’t you the one who tried to break12break
[動・比喩]「壊す」が原義だが、人を目的語にとると「心を打ち砕く・精神的に崩壊させる」という意味になる。 me with goodbye?
別れを告げてあたしを打ち砕こうとしたのは、あなたじゃなかった?
Did you think I’d crumble13crumble
[動]「ボロボロに崩れ落ちる」→ここでは精神的に崩壊する・立ち直れなくなるという意味。? Did you think I’d lay down and die14lay down and die
[慣用句]「横たわって死ぬ」→「諦めて屈服する・敗北を受け入れる」という意味のイディオム。?
あたしが崩れ落ちると思ってたの?あたしが諦めて果てると思ってたの?
Oh, no, not I, I will survive
ああ、違う、あたしじゃない、あたしは生き延びる
Oh, as long as I know how to love, I know I’ll stay alive
ああ、愛し方を知っている限り、きっと生き続けられるとわかってる
I’ve got all my life to live, and I’ve got all my love to give
生きるべき人生がまだ全部あって、与えるべき愛も全部ある
And I’ll survive, I will survive, oh
そしてあたしは生き延びる、必ず生き延びてみせる、ああ
Go on15Go on
[句動詞・命令]「続ける」が原義だが、命令形で「さあ行け・とっとと行け」と相手を追い払う口語表現。 now, go, walk out the door
さあ行って、行くんだ、ドアの外へ出て行け
Just turn around now, ‘cause you’re not welcome anymore
さっさと向きを変えろ、もうあなたの居場所はここにはない
Weren’t you the one who tried to break16break
[動・比喩]「壊す」→「人の心を折る・精神的に打ちのめす」という比喩的用法。 me with goodbye?
別れを告げて私の心を折ろうとしたのは、ほかでもないあなたではなかったの?
Did you think I’d crumble? Did you think I’d lay down and die17lay down and die
[句動・慣用]「横たわって死ぬ」→「抵抗をやめて屈服する・黙って諦める」を意味する慣用表現。?
私が崩れ落ちると思った? 黙って諦めると思った?
Oh, no, not I, I will survive
ああ、違う、私ではない——私は生き延びる
Oh, as long as I know how to love, I know I’ll stay alive
ああ、愛し方を知っている限り、必ず生き続けていける
I’ve got all my life to live, and I’ve got all my love to give
生きるための人生がまるごとあり、与えるための愛もまるごとある
And I’ll survive, I will survive, I will survive
そして私は生き延びる、生き延びる、生き延びる
[Saxophone Solo]
[Verse 2]
It took all the strength I had not to fall apart18fall apart
[句動詞]「バラバラになる」→ 感情的に崩れ落ちる・立ち直れなくなること。
崩れ落ちないために、持てる力のすべてを振り絞った
Just tryin’ hard to mend the pieces of my broken heart
砕け散った心のかけらを必死につなぎ合わせようとしていた
And I spent oh-so many nights just feelin’ sorry for myself19feel sorry for myself
[イディオム]「自分自身を哀れむ・自己憐憫に浸る」こと。単なる「申し訳なく思う」ではない。
そして幾夜も幾夜も、ただ自分を哀れみながら過ごした
I used to cry, but now I hold my head up high20hold my head up high
[イディオム]「頭を高く保つ」→ 誇りを持って堂々と生きること。
昔は泣いてばかりいたけれど、今は胸を張って生きている
And you see me, somebody new
そしてあなたの目に映る私は、もう別の人間
I’m not that chained-up little person still in love with you
あなたをまだ愛している、あの鎖につながれたちっぽけな私はもういない
And so you felt like droppin’ in21drop in
[句動詞]「ふらっと立ち寄る・予告なしに訪ねてくる」こと。 and just expect me to be free
だからってふらっと訪ねてきて、私がまだフリーでいると思っているの?
Well, now I’m saving all my lovin’ for someone who’s lovin’ me
でも今の私は、自分を愛してくれる誰かだけのために、すべての愛をとっておくから
[Chorus]
Go on now, go, walk out the door
さあ行って、ドアから出て行きなさい
Just turn around now, ‘cause you’re not welcome anymore
向きを変えて立ち去って、もうここにあなたの居場所はないから
Weren’t you the one who tried to hurt me with goodbye?
別れの言葉で私を傷つけようとしたのは、あなたじゃなかった?
Did you think I’d crumble? Did you think I’d break down22break down
[句動詞]「壊れる・故障する」→ 感情的に崩れ落ちること、取り乱すことを意味するイディオム。 and die?
私が崩れ落ちると思った?泣き崩れて死ぬと思ってたの?
Oh, no, not I, I will survive
ああ、そんなことない、私は生き続ける
Oh, as long as I know how to love, I know I’ll stay alive
ああ、愛し方を知っている限り、生き続けていけると分かってる
I’ve got all my life to live, and I’ve got all my love to give
これからの人生がまるごとある、与えられる愛もまるごとある
And I’ll survive, I will survive, I will survive
そして私は生き延びる、生き延びる、必ず生き延びる
[Outro]
I’ve got all my life to live, and I’ve got so much love to give
まだ生きるべき人生がある、与えるべき愛もたくさんある
And I’ll survive, yes, I’ll survive, yeah, I’ll survive
そして私は生き抜く、そう、生き抜く、ええ、必ず生き抜いてみせる
Writer(s): Freddie Perren, Dino Fekaris
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「I Will Survive」はどんな曲ですか?
グロリア・ゲイナーが1978年にリリースしたディスコ・ソウルの金字塔で、別れを告げた元カレを跳ね返す女性の強さと自立を描いた歌詞が世界中で絶大な共感を呼びました。全米ビルボード・ホット100で1位を獲得し、翌1980年のグラミー賞では初設立の「最優秀ディスコ・レコーディング」部門を受賞しています。リリースから半世紀近くが経つ現在もストリーミング再生数は数億回を超え、世代・国境を問わず愛されるサバイバル・アンセムとして不動の地位を誇っています。
“petrified”はどういう意味ですか?
語源はラテン語の「石(petra)」で、直訳すると「石に変えられた」ですが、転じて「恐怖や衝撃で身がすくむほど怯えた状態」を表します。歌詞の冒頭では、突然ドアの前に現れた元カレを見て最初は凍りついてしまった心情を描くために使われており、その後の力強い立ち直りと好対照をなしています。日常会話でも「I was absolutely petrified!(もう完全に固まっちゃった!)」のように大げさな恐怖や驚きを表すカジュアルな表現としてよく耳にします。
“did me wrong”はどういう意味ですか?
「do someone wrong」は「(相手に対して)不誠実な行いをする・裏切る・ひどく傷つける」という意味のイディオムで、日本語なら「ひどい仕打ちをする」「酷い目に遭わせる」がニュアンス的に近いでしょう。歌詞の中では元カレが自分を傷つけた過去の行いを指していますが、歌全体のトーンとして怒りよりも「それさえも乗り越えた私」という誇りが前面に出ており、この一言がむしろ主人公の強さを際立たせる役割を果たしています。
“get along”はどういう意味ですか?
「get along」には「(誰かと)仲よくやっていく」という意味もありますが、ここでは「(一人でも)うまくやっていく・何とかやっていける」というニュアンスで使われています。「あなたなんていなくても自分の力で生きていける」という自立宣言の核心を担う言葉で、”I will survive” という強い断言と並べて歌われることで、回復と解放の喜びがより鮮明に伝わってきます。シンプルな2語ですが、この曲のテーマをもっとも端的に体現した表現のひとつと言えます。
関連リンク
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