今回の曲のタイトルは、「Willing and Able」です。直訳すると、「やる気があり、そして能力もある」です。
Noah Kahanは1997年生まれ、アメリカ・バーモント州ストラフォード出身のシンガーソングライターです。「Willing and Able」はNoah KahanとNoah Levineが共作し、2021年リリースのアルバム『I Was / I Am』に収録された楽曲です。フォーク・ポップおよびインディーフォークを基盤とする彼の音楽は、2022年のアルバム『Stick Season』で一気に国際的な注目を集め、同名曲はBillboard Hot 100にチャートインするなど大きな成功を収めました。バーモント州の厳しい自然と人間の内面を重ね合わせた詩的な歌詞が持ち味で、「Willing and Able」でも喪失感や前進への葛藤といった普遍的なテーマが丁寧に描かれています。
【直訳のポイント】タイトルの「Willing」は「進んで〜しようとする意志がある」という能動的なニュアンスを持ち、単に「できる」を意味する「Able」と並べることで、「気持ちと能力の両方が揃っている」という力強い意味合いが生まれています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Willing and Able – Noah Kahan
[Verse 1]
Oh, when my weight1weight
[名・比喩]「重さ」→ここでは「自分の存在感・重荷」の比喩的用法。 left the room, did you take a deep breath?
ああ、私という重荷が部屋を去ったとき、あなたは胸をなで下ろしたの?
I stole2stole
[動・不規則過去形]steal(盗む・くすねる)の過去形。 a beer, drove home; there was only one left
ビールを一本くすねて車で帰った——残りはもう一本だけだった
And I wrestle3wrestle
[動・比喩]「レスリングで組み合う」→感情や思考と「もがき戦う」ことを表す比喩的用法。通常は “wrestle with” と前置詞を伴うが、ここでは直接目的語を取る形。 the feeling you’re still thinking about that
あなたがまだそのことを考えているという感覚ともがき続けている
Wide awake in your room, just seethin’4seethin’
[動・seethingの短縮形]「煮えくり返る」——怒りや憤りで内側から沸き立つ状態を表す語。 about that
あなたの部屋で目を覚ましたまま、あのことにただ煮えくり返っている
[Pre-Chorus]
When I make5make
[句動詞]「作る」ではなく「(便に)間に合う・乗り込む」の意。make the train / make the bus と同用法。 my flight, I’m the devil
フライトに乗り込む時、俺は悪魔になる
But when I stay the night, then we drink
でも泊まっていれば、ふたりで飲んで
And we stay up6stay up
[句動詞]「(寝ずに)起きたまま夜を過ごす・夜更かしする」の意。 and fight ‘bout the childhood lie
夜通し起きて、幼い頃の嘘について言い争う
That we both had the courage to leave
ふたりが立ち去る勇気を持っていた、あの嘘を
[Chorus]
I’m willing and able
俺にはその気も力もある
If you wanna kick this rock around7kick this rock around
[句動詞・俗語]「この石を蹴り回す」→ 問題や口論をいつまでも続ける・こじらせることを表すイディオム。
このいざこざをまだ続けたいなら
If you’ve got a bone to pick8a bone to pick
[イディオム]「選り分ける骨がある」→ 相手への不満や苦情がある、文句をつけたいことがあるという意味の定型句。 with me
俺に文句があるなら
If you’ve got a flag, plant it in the ground9plant it in the ground
[イディオム]「地面に旗を突き立てる」→ 自分の立場・主張を明確に宣言することの比喩。
旗があるなら、地面に突き立てろ
Oh, I’ll stay here ‘til morning
ああ、朝までここを離れない
Oh, we can fight like we used to fight
ああ、昔みたいにまた喧嘩しよう
Bony-limbed, red-faced, and teary-eyed
ひょろひょろの体で、顔を真っ赤にして、目に涙をためながら
Under the glow of the TV light
テレビの明かりの下で
I’d10I’d
[助動詞]I wouldの短縮形。ここでは「それでもそうするだろう」という条件・意志を表す仮定法。 be willing and able
それでも、俺にはその気も力もある
[Verse 2]
Look at you11Look at you
[表現・皮肉]直訳は「あなたを見て」だが、ここでは呆れや皮肉を込めた感嘆表現。「まったく、あなたって人は」「いつもそうなのね」のニュアンス。 leavin’ again; it’s all you know how to do
またあなたは去っていく――それしかできないのね
Go ahead, take the last of the drinks; the world belongs to you
どうぞ、最後の一杯も持っていって――世界はあなたのものなんだから
They all say you’re a light; all I see is a shadow
みんなはあなたを光と呼ぶ――でも私に見えるのは影だけ
And I’ll see you again in six months when you need your next song
次の曲が必要になったとき、また六ヶ月後にあなたは戻ってくる
[Pre-Chorus]
‘Cause if I call you out12call you out
[句動詞]「呼び出す」→ 相手の言動を公然と指摘・追及するイディオム。, I’m an asshole
だってあなたを問い詰めたら、私が嫌な奴になる
But I tell the truth when I drink
でも飲むと本音が出てしまう
So come home; let’s fight ‘bout the childhood lie
だから家に帰っておいで——子供の頃の嘘について喧嘩しよう
We don’t care what the other one thinks
お互いが何を思おうと、どうせ気にしない
[Chorus]
I’m willing and able
やる気もあるし、力もある
If you wanna kick this rock around13kick this rock around
[句動詞・俗語]「石を蹴り回す」が転じて、この問題や争いをぐるぐると掘り返し続けることを表すイディオム。
この問題をこねくり回したいなら
If you’ve got a bone to pick14bone to pick
[慣用句]文字通りには「骨をつつく」→相手への不満や言いたいことがあることを意味する定番のイディオム。 with me
俺に言いたいことがあるなら
If you’ve got a flag, plant it in the ground
旗を持ってるなら、地面に突き立てればいい
Oh, I’ll stay here ‘til morning
ああ、朝までここにいるよ
Or we can fight like we used to fight
それとも昔みたいに喧嘩しようか
Bony-limbed, red-faced, and teary-eyed
骨張った手足で、顔を真っ赤にして、涙目になりながら
Under the glow of the TV light
テレビの光に照らされながら
[Bridge]
Oh, I wish you could know me
ああ、あなたに私のことを知ってほしい
And I wish I could know you much more sometimes
時には、あなたのことをもっとずっと知りたいと思う
Wish I could do nothin’ with you
あなたと何もしないでいられたら
Sit in the yard while the day dies
日が暮れるまで庭でただ座って
Leave it all on the table15Leave it all on the table
[イディオム]「すべてをテーブルの上に置く」→ 何も隠さずすべてを打ち明ける・本音をさらけ出すことを意味するイディオム。
すべてをさらけ出して
And I’ll say, “I love you,” and mean it this time
「愛してる」と言う、今度こそ本当の気持ちで
Say, “I’m sorry,” for everything else
ほかのすべてのことに「ごめんなさい」と言う
If we found a way to the other side16the other side
[名・比喩]「向こう側」→ ふたりの間にある壁や齟齬を乗り越えた先、より深い理解や繋がりのある場所を指す比喩表現。
もしふたりで向こう側への道を見つけられたなら
[Outro]
I’d17I’d
[縮約形]「I would」の短縮形。「もし〜なら、そうするだろう」という条件的・仮定的な意志を示すモーダル表現。 be willing and able18willing and able
[慣用句]「willing」=〜したいという意志がある、「able」=〜できる能力がある。セットで「意欲も実力も備わっている」を意味する定型句。
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
I’d be willing and able
やる気も、できる力も、ちゃんとある
If you’re willing, I’m able
あなたがその気なら、私にはできる
Writer(s): Noah Kahan, Noah Levine
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Willing and Able」はどんな曲ですか?
「Willing and Able」は、アメリカ・バーモント州出身のシンガーソングライター、ノア・ケイハンが2022年にリリースしたアルバム『Stick Season』に収録されたトラックです。心の傷や、それでも前へ進もうとする葛藤を率直な言葉で綴ったこの作品は、メンタルヘルスへの共感を呼び、TikTokやSpotifyで爆発的に広まりました。アルバム全体が Billboard 200 入りを果たし、2023年には拡張版『Stick Season (We’ll All Be Here Forever)』も発表されるなど、ノアの代表作として国際的な評価を確立しています。
「weight」はどういう意味ですか?
直訳すると「重さ・重み」ですが、この曲では心に積み重なった感情的な負担を指しています。日本語でいう「心の重荷」や「しんどさ」に近い感覚で、誰かのために、あるいは自分自身のためにその重みを背負い続けようとする意志がこの言葉に込められています。「背負ってあげたい、でもしんどい」という矛盾した気持ちをたった一語で表現できるのが英語の面白いところですね。
「stole」はどういう意味ですか?
「steal(盗む)」の過去形で、ここでは物理的な窃盗ではなく、「何かを奪われた」という比喩的な意味で使われています。かつての自分らしさ、無邪気さ、あるいは大切な時間など、もう取り戻せないものを誰か・何かに「持っていかれた」というニュアンスです。日本語に訳すなら「奪われた」「失わせた」が近いですが、”stole” には被害者としての受動的な痛みがにじんでいて、その一言だけで深い喪失感が伝わってきます。
「wrestle」はどういう意味ですか?
本来はレスリングのように「取っ組み合う」という動詞ですが、歌詞では自分の内側にある感情や問題と格闘するさまを表しています。「抗う」「もがく」とも訳せますが、”wrestle with ~” というフレーズは英語圏では「〜と向き合って苦しんでいる」という意味でよく使われる表現です。静かに悩んでいるというより、全身で押さえ込もうとしているような、必死でリアルな内面の戦いが目に浮かびませんか?
関連リンク
Willing and Able – Noah Kahan (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】Stick Season – Noah Kahan
【歌詞和訳】Doors – Noah Kahan
【歌詞和訳】End of August – Noah Kahan
【歌詞和訳】Staying Still – Noah Kahan
【歌詞和訳】A Few Of Your Own – Noah Kahan