今回の曲のタイトルは、「B’s On The Table」です。直訳すると、「Bたちはテーブルの上に」です。ここでの「B’s」はスラングで、アメリカでは100ドル札のことを「ベンジャミン(Benjamin)」と呼ぶことから、「大金がテーブルに積み上げられている」というイメージを持つタイトルとなっています。
Drake(ドレイク)は1986年生まれのカナダ・トロント出身のラッパー・シンガーソングライターで、21 Savage(21サヴェージ)は1992年生まれのアトランタを拠点とするラッパーです。「B’s On The Table」は、両者のコラボレーションアルバム『Her Loss』(2022年11月4日リリース)に収録されています。同アルバムはBillboard 200で初登場1位を獲得し、商業的にも批評的にも高い評価を受けました。プロデュースにはRogét Chahayedをはじめとする実力派が名を連ね、ヒップホップ・トラップの流れを汲んだスタイリッシュなサウンドが特徴です。歌詞には富、成功、そして揺るぎない自信といったテーマが色濃く描かれています。
【直訳のポイント】曲中の「B’s」は、スラングで「ベンジャミン」、つまり100ドル札のことを指します。ベンジャミン・フランクリンの肖像が描かれていることに由来するアメリカのスラングで、大金や富の象徴として使われます。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
B’s On The Table – Drake & 21 Savage
[Verse 1: Drake]
Yeah, none of you pussies1pussies
[名・俗語]「臆病者・弱虫」を指す侮辱的スラング。ここでは「腰抜け野郎ども」の意。 is actin’ the same
ああ、お前ら腰抜け野郎は誰一人、同じようにはやれていない
Mind on my money, I’m rackin’ my brain2rackin’ my brain
[句・イディオム]「rack one’s brain」=必死に頭を絞る・考え続けるという慣用表現。
金のことで頭がいっぱい、必死に頭を絞ってる
You pussies could never get back with the gang3gang
[名・俗語]ヒップホップ用語で「仲間・クルー」の意。日本語の「ギャング(犯罪組織)」とは異なる。
お前ら腰抜けに仲間のところへ戻ることなんて絶対無理だ
Go to the hotel right after your game
試合が終わったらすぐホテルへ向かう
Or come to your show and get back on the plane
またはショーに来てそのまま飛行機で引き上げる
This contract talk is fryin’ my brain4fryin’ my brain
[句・イディオム]「fry one’s brain」=頭を焼く→思考が追いつかないほど頭を混乱させるという表現。
この契約の話、頭が焼き切れそうだ
The numbers they talkin’ are actually insane
彼らが言ってる数字、本当に信じられないくらいデカい
[Chorus: 21 Savage & Drake]
It’s B’s5B’s
[名・俗語]「Billion(10億)」の複数形・短縮形。莫大な資金が取引の場に積まれている状況を指すヒップホップスラング。 on the table6on the table
[イディオム]「テーブルの上に置かれている」→ 交渉・取引の場で大金や条件が提示されている様子を表す慣用句。, B’s on the table
テーブルには数十億、数十億が積まれている
B’s on the table, B’s on the table
数十億が並ぶ、数十億が並ぶ
I don’t wanna talk ‘bout M’s7M’s
[名・俗語]「Million(100万)」の複数形・短縮形。B’s(数十億)との対比で、より小さな規模の金額を指す。, I don’t wanna talk ‘bout friends
数百万の話なんてしたくない、友達の話もしたくない
I don’t wanna talk about how this shit started, man, I wanna talk about how this shit ends
どう始まったかの話はしたくない、どう終わるかを話したい
There’s B’s on the table, B’s on the table (Yeah)
テーブルには数十億、数十億(イェー)
B’s on the table (Okay then), B’s on the table
数十億がある(オーケー)、テーブルには数十億
Can’t even talk to my dogs8dogs
[名・AAVE]「犬」ではなく、信頼できる仲間・親友を指すAAVEスラング(homiesと同義)。, can’t even talk to my bitch9bitch
[名・俗語]ヒップホップ文脈で「彼女・パートナー(女性)」を指す俗語。
仲間にも話せない、彼女にも話せない
Sometimes, I sit in the parking garage and I talk to my watch or I talk to my whip10whip
[名・俗語]「車」を指すスラング。特に高級車を示唆することが多い。
時には駐車場に座って、時計に語りかけるか車に語りかける
It’s B’s on the table, B’s on the table (Okay then)
テーブルには数十億、数十億(オーケー)
It’s B’s on the table (Okay then), B’s on the table (Okay)
数十億がある(オーケー)、テーブルには数十億(オーケー)
I’ve been on my just in case shit11shit
[名・AAVE]「on my ~ shit」という構文で用いられる語。「〜なモード・状態でいる」を意味するAAVEの慣用表現。罵倒語ではなく「スタイル・様子」を指す。
俺はずっと「万が一」に備えるモードでいた
I got a whole lot of names and dates and pictures of faces
名前、日付、顔写真——山ほど手元に持ってる
Saved for whenever the right time and place is
頃合いと場所が揃うその時まで、取っておいてある
Just trust me, I know there’s—
信じてくれ、俺にはわかってる——
B’s12B’s
[名・俗語]「bands」(1,000ドルの束)または「Benjamins」(100ドル札)の略。大金がテーブルに積み上げられている様を指すスラング。 on the table, B’s on the table
金がテーブルに積まれてる、金がテーブルに積まれてる
B’s on the table, B’s on the table
金がテーブルに積まれてる、金がテーブルに積まれてる
[Verse 2: Drake]
Spent months in the corner, just me and my back
何ヶ月も隅っこで過ごした、俺と俺の背中だけで
I’m used to this, I’m numb to that
こんなことには慣れてる、もう感覚も麻痺してる
I know I just gotta adapt, ayy
適応するしかないってわかってる
Let’s wait on13wait on
[句動詞]「待つ」→ここでは「(送るのを)保留にする・見送る」の意。 your Spotify Wrapped14Spotify Wrapped
[固有名詞・文化]Spotifyが年末に配信する「年間再生統計まとめ」。元恋人への連絡口実に使われることがある。
お前のSpotify Wrappedは保留にしといて
The messages you ‘bout to send on the sixteenth
16日に送ろうとしているそのメッセージ
Please don’t hit send on none of that
そのどれも送信ボタンを押さないでくれ
There’s no need to check where the temperature15temperature
[名・比喩]「気温・温度」→ここでは「感情の温度感・関係の空気」を探ることの比喩。 is
今の空気を確かめに来る必要はない
You know what it is16what it is
[句・AAVE]「それが何か」ではなく「状況がどういうことか」を指すAAVEの定型句。 if you double back17double back
[句動詞]「引き返す・戻ってくる」→ここでは別れた相手が戻ってくることを指す。
戻ってきたらどういうことかわかるだろ
Should’ve put another blade in my back
もう一本、俺の背中にナイフを刺しとけばよかったのに
Should’ve stood over and double-tapped18double-tapped
[動・俗語]軍事・ゲーム用語で「確認のため2発撃って仕留める」→比喩的に「完全にとどめを刺す」の意。
上に立ってとどめを刺しとけばよかったのに
Bank withdrawal, need a duffle bag
銀行から引き出し、ダッフルバッグが必要だ
What is the offer they said?
奴らが言っていたオファーは何だ?
What did they put on the table19put on the table
[句動詞・慣用句]「テーブルに置く」→「条件・提案を提示する」という交渉の慣用表現。?
奴らはどんな条件を出してきたんだ?
What does that say on that paper?
その紙には何が書いてある?
Fuck that, they gotta double that, triple that
ふざけるな、2倍にしろ、いや3倍にしろ
Fuck is the bitches at20at
[構文・AAVE]「Where the fuck are the bitches at?」のAAVE省略構文。疑問詞whereを落とした「Fuck is ~ at?」の形で「〜はどこだ?」を表す。? (Ayy)
あの女どもはどこにいるんだ?(エイ)
Yeah, the chef two Michelin
そう、シェフはミシュラン二つ星だ
Come to the 6ix21the 6ix
[固有名詞・俗語]トロントの俗称。市外局番「416」の「6」と旧市内6区に由来する、ドレイクが広めた造語。 and we dippin’ you boys like a christenin’22christenin’
[名]キリスト教の洗礼式。水に浸す・かけることで清める儀式。ここでは「dippin’(沈める)」と掛けて、相手を叩き潰すことを示す。
6ixに来い、洗礼を授けるようにお前らをぶちのめしてやる
Kevin Hart liquor23Kevin Hart liquor
[固有名詞]コメディアンのケビン・ハートが手掛けるテキーラブランド「Gran Coramino」を指す。相手の弱さを揶揄する文脈で引用。, he shook24shook
[形・AAVE]「shake の過去形」→「極度に怯えている・動揺している」を意味するスラング。, I’ma put you in sticky predicaments
ケビン・ハートの酒みたいな弱い奴、ビビってやがる——お前をドロドロの状況に叩き込んでやる
Killy25Killy
[固有名詞]トロント出身のラッパー。ドレイクのOVOムーブメントとも縁の深いアーティスト。 might come take a stick26stick
[名・俗語]銃器を指すスラング。「piece」「strap」と同義。 off a pussy27pussy
[名・俗語]臆病者・弱者を指す蔑称。続く「transitionin’」と性的な二重の意味を形成している。 like they was transitionin’
キリーが来て、ヘタレから銃を奪うかもしれない——まるで性転換手術みたいにな
I’m fightin’ the man28the man
[名・俗語]「その男」ではなく「権力・体制・既成勢力」を指すスラング。, not suin’ the rapper, you boys is not listenin’, ah
俺は体制と戦ってるんだ、ラッパーを訴えてるわけじゃない——お前ら、ちゃんと聞いてないのか、あ
Your boyfriend a fisherman, that’s just the word29the word
[名・口語]「その言葉」ではなく「噂・評判」を指す慣用表現。”the word on the street”(街の噂)の短縮形。 in the industry
お前の彼氏は漁師だって——それが業界での噂だ
Don’t mean to be in y’all business30be in y’all business
[句・俗語]「他人の私事に首を突っ込む・干渉する」を意味するイディオム。
お前らの私事に口出しするつもりはないけど
I’m talkin’ spicy, hot, sizzlin’
俺が言ってるのは、辛口で熱くて刺激的な話だ
Don’t stick around31stick around
[句動詞]「その場に留まり続ける・居座る」を意味するイディオム。 if you visitin’
ただ遊びに来てるだけなら、居座るな
[Outro: Drake & 21 Savage]
(B’s32B’s
[名・俗語]「B」はbillion(10億)の略。「B’s on the table」で「何十億ドルもが交渉の場に提示されている」という意味。 on the table33on the table
[慣用句]直訳は「テーブルの上に」→「交渉・提案として提示されている状態」を表すイディオム。, B’s on the table) Yeah, what?
(何十億もテーブルに積まれてる、テーブルに積まれてる)そうだろ?なんだって?
What is the offer they said?
向こうはどんなオファーを出したって?
What did they put on the table?
何をテーブルに出してきたんだ?
Better treat me like Shayne Coplan34Shayne Coplan
[固有名詞]予測市場プラットフォームPolymarketの創業者兼CEO。莫大な富と影響力を持つ人物として知られる。
シェーン・コプランみたいに扱ってくれよ
Bank tellers better stay clocked in35clocked in
[句動詞]タイムカードを打刻して出勤している状態→「勤務中のまま待機している」の意。
銀行の窓口係はずっと仕事を続けてろ
Bank tellers better
銀行の窓口係は
What? B’s on the table
なに?何十億もテーブルに積まれてる
Writer(s): Drake, b4u, Dylan Hyde, Jeek, London Cyr, O Lil Angel, Rogét Chahayed
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「B’s On The Table」はどんな曲ですか?
「B’s On The Table」は、カナダ出身のラッパー・シンガーDrakeと、アトランタ出身のラッパー21 Savageによるジョイント・アルバム『Her Loss』(2022年11月4日リリース)に収録されたトラックです。特定の映画やドラマとの直接的なタイアップはありませんが、同アルバムはリリース初週にBillboard 200で第1位を獲得し、2022年を代表するヒップホップ・コラボ作品として大きな話題を呼びました。アルバム全体が驚異的なストリーミング数を記録し、この曲もその人気を支えた一曲です。
この曲はどんなテーマを歌っていますか?
「B’s On The Table」は、トラップ・ヒップホップのジャンルに属する楽曲で、富・成功・高級品への強いこだわりをテーマにしています。DrakeとAmerican rapper 21 Savageがそれぞれ自信に満ちたバースを披露し、自分たちの揺るぎないステータスと贅沢なライフスタイルを誇示しています。表面的な豪華さの裏に、競争心やプライド、そして他者を寄せ付けない孤高の感情が流れており、聴く者に圧倒的な存在感を印象づける作品です。
この曲の歌詞で特徴的な英語表現を教えてください。
タイトルにもなっている「B’s on the table」というフレーズが最も特徴的です。ここでの「B’s」とは、エルメスの超高級ハンドバッグ「バーキン(Birkin bag)」を指す俗語で、「テーブルの上にバーキンが並んでいる」というビジュアルを通じて、惜しみなく富や贈り物を見せつける様子を表現しています。単なる物質的な豊かさを超え、「自分には何でも用意できる」という絶対的な自信と権力を誇示するためのメタファーとして使われています。
この曲を書いたのは誰ですか?
この曲の作詞・作曲には、Drake(本名:Aubrey Drake Graham)と21 Savage(本名:Shéyaa Bin Abraham-Joseph)を中心に、計7名のクリエイターが関わっています。b4u、Dylan Hyde、Jeekはビートやサウンドデザインに携わったプロデューサー/ライターで、London CyrとO Lil Angelも共同制作者としてクレジットされています。そしてRogét Chahayedは、Travis ScottやYoung Thugとも数多くコラボしてきた実力派プロデューサーであり、アルバム全体のサウンドに深みを与えた立役者の一人です。
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B’s On The Table – Drake & 21 Savage (Official Video)
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