【歌詞和訳】Veronica – Elvis Costello

今回の曲のタイトルは、「Veronica」です。直訳すると、「ヴェロニカ」です。

「Veronica」は、イギリスのシンガーソングライター、エルヴィス・コステロが1989年にリリースしたシングルで、同年発表のアルバム『Spike』に収録されています。ポール・マッカートニーとの共作として大きな話題を呼び、アメリカのBillboard Hot 100では最高19位を記録、コステロにとってアメリカでの最大のヒット曲となりました。曲は、認知症を患い少しずつ記憶を失っていくコステロの祖母をモデルにしており、過去と現在のあわいをさまよう女性の姿を、明るくポップなメロディに乗せて切なく描いた作品です。

【直訳のポイント】この曲では “remember”(覚えている)という言葉が重要な役割を果たしています。「思い出す」ではなく「覚えている(いない)」と訳すことで、記憶を失いゆく祖母への問いかけのニュアンスを大切にしました。

細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。

※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。

以下、和訳です。


Veronica – Elvis Costello

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[Verse 1]
Is it all in that pretty little head1all in one’s head
[慣用句]「頭の中だけにある」→「現実ではなく想像・幻にすぎない」というイディオム。
of yours?

それは全部、あなたの可愛いその頭の中だけのこと?

What goes on in that place in the dark?
暗闇の奥底で、いったい何が渦巻いているの?

Well, I used to know a girl and I could have sworn2could have sworn
[動・モーダル完了形]could have + 過去分詞で「〜だったと誓えたはずだ」→「確かにそうだと思っていた」という過去の強い確信を表す表現。

かつて知っていた女の子がいて、確かにそのはずだと思っていたのに

That her name was Veronica
彼女の名前はヴェロニカだと

Well, she used to have a carefree mind of her own
彼女はかつて、屈託のない、自分だけの心を持っていた

And a delicate look in her eye
その瞳には繊細な眼差しが宿っていた

These days I’m afraid3afraid
[形・婉曲表現]「恐れている」ではなく「残念ながら〜」と遺憾・懸念を示す婉曲的な前置き表現。
she’s not even sure

でも今では残念ながら、彼女自身さえも確信が持てないでいる

If her name is Veronica
自分の名前がヴェロニカかどうかさえも


[Chorus]
Do you suppose that waiting hands on eyes4hands on eyes
[句・描写]目を手で覆う動作。かくれんぼで鬼が数を数える際に目を隠すしぐさを指す。

目を手で覆って待つあいだ

Veronica has gone to hide?
ヴェロニカは隠れてしまったと思う?

And all the time she laughs at those
その間ずっと彼女は笑っている

Who shout her name and steal her clothes
名を叫び、服を奪う人たちのことを

Veronica, Veronica
ヴェロニカ、ヴェロニカ





[Verse 2]
Did the days drag by5drag by
[句動詞]「引きずって過ぎる」→ 時間が重くゆっくりと流れることを表すイディオム。
? Did the favors wane6wane
[動・文語]月が欠けるように「衰える・薄れていく」を意味する文語的動詞。
?

日々は重く引きずるように過ぎたのか? 想いは薄れていったのか?

Did he roam down the town all the while?
その間ずっと、彼は町をさまよっていたのか?

Will you wake from your dream, with a wolf at the door7wolf at the door
[慣用句]「扉の前の狼」→ 貧困や差し迫った危機が眼前に迫っている状態を指す英語の定型表現。

夢から目覚めるのか、差し迫る苦境を前にして

Reaching out for Veronica?
ヴェロニカへと手を伸ばしながら?

Well, it was all of8all of
[副・強調]数量の前に置き「まるまる〜も」「実に〜も」と強調する口語的表現。
sixty-five years ago

そう、もうまるまる六十五年も前のことだった

When the world was the street where she lived
彼女の住む通りが、世界のすべてだった頃

And a young man sailed on a ship in the sea
そして若い男が海へと船出し

With a picture of Veronica
ヴェロニカの写真を胸に


[Bridge]
On the ‘Empress of India9Empress of India
[固有名詞]カナダ太平洋汽船が運航した豪華客船の名。ヴィクトリア女王の称号「インド女帝」に由来する船名。

「エンプレス・オブ・インディア」号の上で

And as she closed her eyes upon the world10closed her eyes upon the world
[慣用句]「世界に目を閉じる」→ 現実を遮断する・この世から去る、という意味の詩的イディオム。

そして彼女がこの世界に目を閉じながら

And picked upon the bones11picked upon the bones
[慣用句]「骨をつつく」→ 残骸や残りかすを執拗にほじくり返すことを意味するイディオム。
of last weeks news

先週のニュースの残骸をつついていた

She spoke his name out loud again
そして彼女はまた、声に出して彼の名を呼んだ


[Chorus]
Do you suppose that waiting hands on eyes
目に手を当てて待っているって、あなたは思う?

Veronica has gone to hide?
ヴェロニカは隠れに行ってしまったの?

And all the time she laughs at those
その間ずっと、彼女は笑い続ける

Who shout her name and steal her clothes
彼女の名前を叫び、服を盗む者たちのことを

Veronica, Veronica
ヴェロニカ、ヴェロニカ





[Verse 3]
Veronica sits in her favorite chair
ヴェロニカはお気に入りの椅子に座っている

She sits very quiet and still
ひっそりと、じっとして座っている

And they call her a name that they never get right12get right
[句動詞]「正しく言う・正確に呼ぶ」の意。名前を正しく発音・表記できないことを指す。

そして彼らはいつも彼女の名前を間違えて呼ぶ

And if they don’t then nobody else will
そうでなければ、誰も正しく呼んでくれないのだから

But she used to13used to
[助動詞句]「かつて〜だった(が今はそうではない)」という過去の状態を表す。単なる過去形とは異なり、現在との対比を含む。
have a carefree mind of her own14mind of her own
[イディオム]「自分だけの意志・考え」。他人に左右されない独立した精神を持つことを指す。

かつて彼女には、自由奔放な自分だけの意志があった

With devilish look in her eye
その瞳に悪戯っぽい光を宿して

Saying, “You can call me anything you like
「何とでも呼んでくれていい

But my name is Veronica”
でも私の名前はヴェロニカよ」と言いながら


[Chorus]
Do you suppose that waiting hands on eyes15hands on eyes
[句・慣用]かくれんぼで鬼が目を手で覆い、数を数えながら待つしぐさ。

目を手で覆って待ちながら、あなたはそう思うの

Veronica has gone to hide?
ヴェロニカが隠れてしまったのだと?

And all the time she laughs at those
そしてずっと、彼女は笑い続ける

Who shout her name and steal her clothes
彼女の名を叫び、服を奪っていく人たちを

Veronica, Veronica
ヴェロニカ、ヴェロニカ

Oh, Veronica
ああ、ヴェロニカ



Writer(s): Paul McCartney, Elvis Costello

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以上です、いかがでしたでしょうか!

以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!

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よくある質問

「Veronica」はどんな曲ですか?

「Veronica」は1989年にリリースされたエルヴィス・コステロのシングルで、アルバム『スパイク』に収録されています。ポール・マッカートニーとの共作として知られており、記憶を少しずつ失っていく老女の姿を繊細かつ温かく描いた作品です。全米ビルボード・ホット100では最高19位を記録し、コステロにとってアメリカでの最大のヒット曲となりました。現在も各種ストリーミングサービスで広く親しまれており、その普遍的なテーマゆえに世代を超えて聴き継がれています。

「”all in one’s head”」はどういう意味ですか?

「all in one’s head」は「すべて頭(心)の中だけのこと」、つまり「実際には起きていない、気のせいにすぎない」というニュアンスの表現です。たとえば “It’s all in your head.”(それはあなたの思い込みだよ)のように使います。この曲では、認知症が進んでいくヴェロニカが体験する記憶や幻が「本当のことなのか、それとも頭の中だけのことなのか」という問いかけと深く結びついており、一語に切なさがぎゅっと凝縮されています。

「”could have sworn”」はどういう意味ですか?

「could have sworn」は「誓ってもいいくらい確信していた」という意味で、強く信じていたのに実際は違っていた、という場面でよく使われる表現です。たとえば “I could have sworn I left my keys here.”(絶対ここに鍵を置いたと思ってたのに…)のような使い方をします。この曲の文脈では、記憶が曖昧になっていくヴェロニカが「確かにそうだったはず」と過去にしがみつく様子を表しており、認知症の切なさと尊厳がにじみ出る表現になっています。

「”afraid”」はどういう意味ですか?

英語の “afraid” には「恐れている」という直接的な意味のほかに、”I’m afraid” という形で「残念ながら〜です」「申し訳ないのですが〜」という丁寧なクッション表現としてもよく使われます。たとえば “I’m afraid I can’t make it.”(残念ながら行けそうにありません)のような感じです。この曲では、現実から少しずつ切り離されていくヴェロニカ自身の不安と恐怖、そして彼女を見守る側の「何もできない」という悲しみの両方がこの一語に重なっており、歌詞に深みを与えています。

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関連リンク

Veronica – Elvis Costello (Official Video)

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