今回の曲のタイトルは、「Turnstile」です。直訳すると、「回転式改札口」です。
アイルランド・ダブリン出身のシンガーソングライター、Dermot Kennedy(ダーモット・ケネディ)の楽曲です。2019年のデビューアルバム『Without Fear』でアイルランドのアルバムチャート1位を獲得し、国際的な注目を集めました。2022年の2ndアルバム『Sonder』はアイルランドで1位・全英アルバムチャートで2位を達成しています。「Turnstile」はCarey Willetts、Sam Westhoff、Gabe Simonとの共作で、彼が得意とするインディーフォーク/ポップのスタイルを踏まえながら、喪失・愛・人生の転換点といったテーマを力強くも繊細に描き出した一曲です。
【こだわり解説】感情的なフレーズの翻訳では、他サイトに見られるような詩的な意訳を避け、原文のシンプルさをそのまま残す直訳を選びました。余計な言葉を足さないことで、Dermot Kennedyの曲が持つ静かな切迫感が伝わると考えたためです。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Turnstile – Dermot Kennedy
[Verse 1]
The way that you call, the way that you call out quietly
あなたが呼ぶ声、静かに呼びかけるその声
What did you learn? What did you learn from loving me?
何を学んだの?私を愛することから、何を学んだの?
To move in the world, to move in the world more graciously
この世界をより優雅に生きていくために
Your promised return, your promised return ain’t much to me
約束した帰還も、私にはもう大した意味を持たない
But letting you down1letting you down
[句動詞]「let down」=「失望させる・期待を裏切る」。「down」が加わることで単なる「手放す」から「がっかりさせる」という意味に転じるイディオム。, letting you down was hell to me
でも、あなたを失望させることは、私にとって地獄だった
The colours of love, the colour of us was gold and green
愛の色、私たちの色は金と緑だった
The peace and the birds, the peace and the birds don’t visit me
平和も鳥たちも、もう私のもとを訪れない
[Pre-Chorus]
I was winning once, but that’s been and gone2been and gone
[句・イディオム]「起きてもう過ぎ去った」→ すでに終わって二度と戻らないことを表す英国英語の慣用句。
かつては勝っていたけれど、もうそれは過ぎ去ってしまった
I was playing with the fire3playing with fire
[句・イディオム]「火で遊ぶ」→ 危険を冒す・危ないことに手を出すことを表すイディオム。 that you made for me
君が私のために灯した炎で、火遊びをしていた
What we running from?
私たちは何から逃げているの?
[Chorus]
I couldn’t hold you for the last time and then let you go
最後にあなたを抱きしめて、そして手放すことが、どうしてもできなかった
Standing at the turnstile4turnstile
[名]駅や地下鉄の入口に設置される回転式の改札バー。, you looked so alone
改札口に立つあなたは、とても孤独に見えた
Oh, to be someone you rely on, a hill that we can die on5die on
[イディオム]「a hill to die on」=死をも辞さないほど守り抜く価値のある信念や関係を指す表現。
ああ、あなたの拠り所でいたい、ふたりで命を懸けられるものでいたい
Wait up6Wait up
[句動詞]「眠らずに起きて待つ」こと。誰かの帰りを待ちながら夜通し起きている様子を指す。 with the light on
灯りをつけたまま、起きて待っていて
Don’t wanna know this life without you, I’m not strong enough
あなたのいない人生なんて知りたくない、そんな強さは私にはない
You turn and close your eyes ‘cause you can’t even look
あなたは背を向けて目を閉じる、見ることさえできないから
Losing someone to rely on, a hill that we could die on
頼れる存在を失い、ふたりで命を懸けられたはずのものも消えていく
Wait up with the light on
灯りをつけたまま、起きて待っていて
[Verse 2]
Let me believe, let me believe we’ll last7last
[動]「持ちこたえる・乗り越える」の意。形容詞・副詞の「最後の/ラスト」とは異なる自動詞用法。 the night
信じさせて、信じさせて——今夜を二人で乗り越えられると
What do we need? ‘Cause there ain’t much left to sacrifice
何が必要なの?もう犠牲にするものなんてほとんど残っていないのに
But I gotta breathe (I gotta breathe), I better8I better
[口語・助動詞]「I had better」の短縮形。「~しなければならない・~すべきだ」という切迫した義務・必要性を表す。 breathe to save my mind
でも息をしなければ(息をしなければ)、正気を保つためにも息をしなければ
[Pre-Chorus]
I was winning once, but that’s been and gone9been and gone
[句・慣用表現]「起きてしまって消えた」→ もはや過ぎ去り取り戻せないことを表すイギリス英語の慣用句。
かつては勝っていた、でももうそれは過ぎ去ってしまった
I was playing with the fire10playing with fire
[句・慣用表現]「火で遊ぶ」→ 危険なことに手を出す・リスクを冒すことを表すイディオム。 that you made for me
あなたが私のために起こした炎で、危険な遊びをしていた
What we running from?
私たちはいったい何から逃げているんだろう?
[Chorus]
I couldn’t hold you for the last time and then let you go
最後にもう一度抱きしめて、そして手を放すことができなかった
Standing at the turnstile11turnstile
[名]駅や地下鉄の入口に設置された回転式の改札機・通過バー。, you looked so alone
改札口に立つあなたは、とてもひとりぼっちに見えた
Oh, to be someone you rely on, a hill that we can die on12a hill to die on
[慣用句]「死んでもいい丘」→ 最後まで立ち向かう価値がある、命を懸けられる信念や場所を指す英語表現。
ああ、あなたの支えになれたなら――ふたりで命を懸けられる場所に
Wait up13wait up
[句動詞]眠らずに起きたまま誰かの帰りを待つこと。 with the light on
電気をつけたまま、起きて待っていて
Don’t wanna know this life without you, I’m not strong enough
あなたのいない人生なんて知りたくない、私にはその強さがない
You turn and close your eyes ‘cause you can’t even look
あなたは背を向けて目を閉じる、見ることさえできないから
Losing someone to rely on, a hill that we could14could
[助動詞]「can(できる)」の過去形。3行目の「can die on」から「could die on」への変化で、かつて可能だった希望が今は失われたことを暗示。 die on
頼れる人を失って――かつてふたりで命を懸けられた、あの場所も
Wait up with the light on
電気をつけたまま、起きて待っていて
[Bridge]
I’ll admit it once, then I’ll hold my tongue15hold my tongue
[句動詞]「自分の舌を押さえる」→「黙っている・余計なことを言わない」というイディオム。
一度だけ認める、そして黙っていよう
I was clutching at16clutching at
[句動詞]「〜にしがみつく・必死につかもうとする」という意の動詞句。切望や焦りのニュアンスを含む。 the dream that you’d stay with me
あなたがそばにいてくれるという夢にしがみついていた
And the truth, beloved17beloved
[名・呼格]「深く愛された人」を意味する文語的な呼びかけ語。詩や歌詞で「愛しい人よ」の意。, is you’ll always run
そして真実は、愛しい人よ、あなたはいつも逃げていくということ
Back and forth in my mind every day you breathe
あなたが息をするたびに、毎日私の心を行き来しながら
[Pre-Chorus]
I was winning once, but that’s been and gone18been and gone
[句・イディオム]「あった、そして去った」→「完全に過ぎ去ってしまった」という意味の定型句。
かつては勝っていた、でもそれはもう過ぎ去ってしまった
I was playing with the fire that you made for me
君が僕のために起こした炎で、火遊びをしていた
What we running from?
俺たちは、いったい何から逃げているんだろう?
[Chorus]
I couldn’t hold you for the last time and then let you go
最後にもう一度あなたを抱きしめて、そして手放すことができなかった
Standing at the turnstile19turnstile
[名]駅や競技場の入口に設置される、一方向のみ通過できる回転式バー型ゲート。日本の改札口に相当。, you looked so alone
改札口に立つあなたは、ひどく孤独に見えた
Oh, to be someone you rely on, a hill that we can die on20die on
[慣用句・”die on a hill”]「その丘の上で死ぬ」→ある信念や大切な関係を守るために最後まで戦う覚悟を示すイディオム。
ああ、あなたが頼れる存在でいられたなら、二人で命を懸けられるものに
Wait up21wait up
[句動詞]「眠らずに起きて待つ」の意。単なる”wait”より深い情感・懇願のニュアンスを持つ。 with the light on
明かりをつけたまま、起きて待っていて
Don’t wanna know this life without you, I’m not strong enough
あなたのいない人生なんて知りたくない、私には強くなれない
You turn and close your eyes ‘cause you can’t even look
あなたは背を向けて目を閉じる、見ることさえできないから
Losing someone to rely on, a hill that we could die on22die on
[慣用句・”die on a hill”]命を懸けて守る価値のある絆や信念を意味するイディオム(3行目と同義)。
頼れる誰かを失うこと、二人で命を懸けられたものを
Wait up23wait up
[句動詞]「眠らずに起きて待つ」の意。 with the light on
明かりをつけたまま、起きて待っていて
[Outro]
Someone to rely on, a hill that we could die on24die on
[句動詞・イディオム]「a hill to die on」で「命をかけて守り抜く価値のあるもの・絶対に譲れない一線」を意味する表現。ここではふたりで死守すべき関係・場所を指す。
頼れる誰か、命をかけて守り抜ける場所
Wait up25wait up
[句動詞]「起きたまま(誰かを)待つ」を意味するイディオム。単なる「wait(待つ)」より、帰りを待って眠らずにいるニュアンスを含む。 with the light on
明かりをつけたまま、起きて待ってる
(I’ll wait, I’ll wait)
(待ってる、待ってる)
Wait up26wait up
[句動詞]「起きたまま(誰かを)待つ」を意味するイディオム。単なる「wait(待つ)」より、帰りを待って眠らずにいるニュアンスを含む。 with the light on
明かりをつけたまま、起きて待ってる
(I’ll wait, I’ll wait)
(待ってる、待ってる)
Writer(s): Dermot Kennedy, Carey Willetts, Sam Westhoff, Gabe Simon
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Turnstile」はどんな曲ですか?
「Turnstile」は、アイルランド・ダブリン出身のシンガーソングライター、ダーモット・ケネディによる楽曲です。彼は2022年リリースのセカンドアルバム『Sonder』でアイルランドとイギリスのチャート上位に輝き、その感情的なフォーク・ポップサウンドで世界中のリスナーを魅了してきました。Spotifyでは複数の楽曲が数千万回再生を超え、失恋や別れといったテーマを等身大の言葉で歌い上げるスタイルが幅広い層に支持されています。
「letting you down」はどういう意味ですか?
「let someone down」は「(誰かを)失望させる・がっかりさせる」という意味のイディオムです。直訳すると「あなたを下に落とす」ですが、実際には期待や信頼を裏切ってしまった罪悪感を表します。日本語で言えば「あなたを失望させてしまって」「期待に応えられなくて」というニュアンスに近く、この曲ではパートナーへの申し訳なさや自己嫌悪が込められています。
「been and gone」はどういう意味ですか?
「been and gone」は「来ては去ってしまった・もう過ぎ去ってしまった」という意味の英語表現です。現在も残っているものではなく、かつてそこにあったのに今はもう存在しない――そんな喪失感や無常観を短く表すフレーズです。日本語なら「あの日々はもう終わってしまった」「彼女はもういなくなってしまった」といった余韻に相当します。歌詞の中では、取り戻せない過去への切なさを強調するために使われています。
「playing with fire」はどういう意味ですか?
「play with fire」は「火遊びをする・危険なことに手を出す」という意味の定番イディオムで、日本語の「火遊び」とほぼ同じ感覚で使えます。結果がわかっていながらも止められない、リスクを承知で続けてしまう行為を指します。恋愛の文脈では「傷つくとわかっていてもその人に惹かれてしまう」という葛藤を表すことが多く、この曲でも感情的に危うい関係性に踏み込んでいく様子を鮮やかに描いています。
関連リンク
Turnstile – Dermot Kennedy (Official Video)
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