今回の曲のタイトルは、「Quebec」です。直訳すると、「ケベック」です。ケベックとはカナダのフランス語圏の州および都市の名前であり、DRAKEが生まれ育ったトロントと同じカナダを舞台とした作品です。曲中では「ケベック出身の女性」が象徴として描かれており、その誠実さや献身が歌詞に深みを与えています。
DRAKEことオーブリー・ドレイク・グラハムは、1986年カナダ・トロント生まれのラッパー・シンガーソングライター。「Quebec」は2023年10月6日にリリースされた6枚目のスタジオアルバム『For All The Dogs』に収録されています。同アルバムはBillboard 200で初登場1位を獲得し、世界的に高い評価を受けました。本曲はPARTYNEXTDOORとの共作で、メロディアスなR&B/ヒップホップサウンドに乗せて、愛する女性への深い感情とカナダのルーツへの誇りが綴られています。
【こだわり解説】歌詞に登場する”ice”は「氷」と直訳されてしまうケースが他サイトでは見受けられますが、ヒップホップのスラングではダイヤモンドや高級宝飾品を指す表現として使われます。本ブログでは文脈に即した正しい意味で訳しています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Quebec – Drake
[Chorus]
I know what’s true, I know what’s true
何が本当かわかってる、何が本当かわかってる
I know what’s true, I
何が本当かわかってる、私は
I know what’s true, I know, I know
何が本当かわかってる、わかってる、わかってる
I know what’s true, I know what’s true
何が本当かわかってる、何が本当かわかってる
I know what’s true, I know (I know)
何が本当かわかってる、わかってる(わかってる)
[Verse]
Ayy, goin’ up in flames1up in flames
[慣用句]「炎に包まれる」→ 完全な崩壊・破滅を表すイディオム。
えぇ、炎に包まれていく
Burnin’ deep inside, I don’t think I could ever change
心の奥で燃えている、俺には変われないと思う
Maybe one day, but for now I got nothin’ to gain
いつかはわからないが、今は何も得るものがない
Love my mom to death2to death
[句・強意]「死ぬほど〜する」→ 程度の極端な強調を表すイディオム。ここでは「心から・この上なく」の意。 but she know we are not the same
母親を心から愛しているが、俺たちが違うことを彼女もわかってる
Black skies, blue bills3blue bills
[名・俗語]bill(紙幣)を指す俗語表現。米100ドル札には青いセキュリティ要素があり、「青い紙幣=大金・キャッシュ」を指すことが多い。, my eyes turnin’ red4red
[形・俗語]マリファナ使用後に目が充血して赤くなることを指すスラング。
暗黒の空、青い札束、目が赤く染まっていく
Purple stones incrusted, I can’t heal just yet
紫の宝石が散りばめられている、まだ癒えることができない
Yellow lookin’ orange, I’m probably high off these meds
黄色が橙色に見える、薬でハイになってるのかもしれない
Strange things are happenin’, I swear that’s the feds5feds
[名・俗語]federal(連邦)の略。FBI・DEAなどの連邦捜査機関員を指す俗語。監視・尾行されているという文脈で使われる。
奇妙なことが起きている、絶対に連邦捜査の奴らだ
Most niggas that got it out for6got it out for
[句動詞・俗語]”have it out for ~”の変形。「〜を狙っている・〜に恨みを持っている」という意のイディオム。 me I never met
俺を狙っている奴らのほとんどに、会ったことすらない
Can’t think of nothin’ else but countin’ up the dead
死んでいった者たちを数えること以外、何も考えられない
Lost so many angels, only Heaven knows what’s next
多くの天使を失い、次に何が起きるかは天のみぞ知る
Things go through me7go through me
[句動詞・AAVE]「通り抜ける」→「心に重くのしかかる・こたえる」の意。物事が深く影響を与えることを示す表現。 now, my niggas8niggas
[名・AAVE]仲間・友人を指すアフリカ系アメリカ人英語の呼称。ここでは「地元の仲間たち」の意。 got me stressed
今は何もかもが心にのしかかる、仲間たちのせいでストレスがたまる
If this move9move
[名・俗語]「動き」→ 取引・ビジネス上の一手を指すスラング。ここでは違法な取引やビジネス上の動きを示唆する。 get made, we should push out to Québec
この取引がまとまったら、ケベックへ向かうべきだ
Head above these waters10Head above these waters
[慣用句]”keep one’s head above water”(水面に頭を出す)→ 困難な状況でなんとか踏ん張ることを意味するイディオム。 and ice11ice
[名・俗語]「氷」→ ダイヤモンドや高級宝飾品を指すヒップホップスラング。 below the neck
ギリギリ踏ん張りながら、首元にはダイヤを光らせている
Real shit been goin’ down and shit I can’t forget
本当のことが次々と起きて、忘れられないことばかりだ
Two-one-three12Two-one-three
[数字遊び]2+1+3=6。Drakeが広めたトロントの愛称「the 6ix」(市外局番416・647の「6」に由来)を数字の足し算で暗示している。, add that up and tell me what you get
2、1、3を足してみろ、何になるか答えてみせろ
Twist the 6ix136ix
[固有名詞]Drakeが広めたトロントの愛称。市外局番416・647に共通する数字「6」に由来する。, I’m plottin’ every chance that I get
6ixで策を練り、チャンスがあれば常に計画を立てている
Phantom14Phantom
[固有名詞]ロールス・ロイス・ファントム。超高級車の代名詞。車名の「Phantom(幽霊)」が次のhaunted(幽霊が出る)と掛けてある。 at the crib15crib
[名・俗語]本来は「揺りかご」→ 自宅・家を指すスラング。, it must be haunted in here
家にファントムがある、ここはまるで幽霊屋敷みたいだ
Jumpin’ out a body16body
[名・俗語]車のボディ(車体)を指す。「jump out a body」で「車から飛び降りる」の意。 with a skelly17skelly
[形・俗語]”skeleton”の短縮形。内部機構が透けて見えるスケルトンデザインの時計・宝飾品を指す。 Cartier
スケルトンデザインのカルティエをつけて車から飛び降りる
All she want is Japanese skincare
彼女が欲しいのはジャパニーズスキンケアだけ
And she want the Iceman18Iceman
[固有名詞・俗語]ダイヤモンド(ice)を大量に持つ者を指すヒップホップのニックネーム。ここでは語り手の自称。 to sleep here
彼女はIcemanにここで泊まってほしがっている
I can’t sleep without a fucking heater19heater
[名・俗語]①暖房器具の意と、②拳銃を指すスラングの両義を持つ。前行の「Iceman(冷たい男)」との対比も意図される。 in here
ヒーターなしじゃここで眠れない
Does your baby daddy20baby daddy
[名・AAVE]子供の父親(正式なパートナーとは限らない)を指すAAVEスラング。 got the keys to in here?
お前の子供の父親がここの鍵を持ってるのか?
If he does, I probably gotta leave you here
もしそうなら、たぶんお前を置いていくしかないな
Chrome belt, look like John Cena21John Cena
[固有名詞]元WWEヘビー級チャンピオンで俳優。クロームのチャンピオンベルトの着用で知られ、ここでは豪華なベルトの比喩として引用。 in here
クロームのベルト、まるでジョン・シーナみたいだ
I bet that you’re gettin’ a procedure22procedure
[名・婉曲]医療処置が原義だが、ここでは美容整形手術(豊胸・豊尻など)の婉曲表現。 this year
今年、整形手術を受けるんだろうな
Bring you to my crib23crib
[名・俗語]「赤ちゃんのベッド」が原義だが、自分の家・部屋を指すスラング。, it’s a cathedral in here
俺の家に連れてきたら、まるで大聖堂みたいだ
Dancin’ in my kitchen, it’s Ibiza24Ibiza
[固有名詞]スペイン・バレアレス諸島の島。世界的なクラブ・パーティー文化の聖地として知られる。 in here
キッチンで踊って、まるでイビサ島みたいだ
According to your face, you get amnesia in here
お前の表情を見れば、ここでは何もかも忘れてしまうらしい
According to your face, we got a pleaser25pleaser
[名・俗語]「喜ばせる人」→ 性的に相手を満足させることを厭わない人を指すスラング。 in here
お前の表情を見れば、ここには喜ばせ上手がいるらしい
According to my chain26chain
[名・俗語]ヒップホップ文化でのダイヤモンドを散りばめた豪華なネックレスのこと。「icy(氷のように冷たい=ダイヤだらけで輝く)」なチェーンがfreezerと結びつく掛け言葉。, we got a freezer in here
俺のチェーンを見ろよ、まるでここに冷凍庫でもあるみたいだ
According to my plane, forty people fit on here
俺の飛行機を見ればわかる、40人は乗れるんだぜ
The way she say my name, you know how deep27deep
[形・俗語]「深い」→「本気・真剣・心に刺さる」状態を指すスラング。”how deep it get”で「どれほど本気になるか・どれだけ深みにはまるか」の意。 it get out here
彼女が俺の名前を呼ぶ声を聞けば、ここでどれほど本気になるかわかるだろ
[Chorus]
I know what’s true, I know what’s true
何が本当かわかってる、わかってる
I know what’s true, I (I know it)
何が本当かわかってる、私は(わかってる)
I know what’s true, I know, I know
何が本当かわかってる、わかってる、わかってる
I know what’s true, I know what’s true
何が本当かわかってる、わかってる
I know (I know)
わかってる(わかってる)
Writer(s): Drake, PARTYNEXTDOOR, FASHXN, BEAM, Smash David, b4u, Mike Wavvs, Sean Turk
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Quebec」はどんな曲ですか?
「Quebec」は、カナダ・オンタリオ州トロント出身のラッパー/シンガーソングライターDrakeが手掛けた楽曲で、タイトルには彼の母国カナダのフランス語圏の州「ケベック」が冠されています。Drakeはデビュー以来、カナダ人としてのアイデンティティを楽曲に反映させることで知られており、この曲もそのルーツへの意識が随所に滲み出ています。リリース後はSpotifyやApple Musicのグローバルチャートで上位にランクインし、ファンの間でも彼の代表曲のひとつとして広く親しまれています。
「”up in flames”」はどういう意味ですか?
直訳すると「炎の中へ」ですが、英語の慣用表現として「何かが完全に崩れ去る・台無しになる」という意味で使われます。たとえば恋愛関係や計画が突然破綻したときに “Everything went up in flames.”(すべてが燃え尽きてしまった)と言う感じです。日本語の「水の泡になる」や「全部おじゃんになる」に近いニュアンスで、歌詞では感情的な喪失感や絶望を強く演出する表現として機能しています。
「”to death”」はどういう意味ですか?
“to death” は「〜で死ぬほど」という意味の強調フレーズで、日本語の「〜でたまらない」「〜しまくる」に相当します。”I love her to death”(彼女のことが死ぬほど好き)や “He was bored to death”(退屈で死にそうだった)のように、感情や状態を極限まで引き上げるときに使う表現です。歌詞の中では、Drakeが対象への執着や愛情の深さを誇張して伝えるために使っており、シンプルながら非常に感情的な重みを持つ言葉です。
「”blue bills”」はどういう意味ですか?
“Bills” は英語でお札・紙幣のことを指す口語表現で、”blue bills” は青いお札=お金を表すスラングです。カナダ出身のDrakeの文脈では、青色のカナダドル5ドル札を連想させる表現でもあります。ヒップホップの歌詞では「大金を持っている・稼いでいる」ことを誇示する際に特定の色や肖像でお金を表現する慣習があり(アメリカでは “Benjamins”=100ドル札など)、”blue bills” もその一例として富や成功のイメージを視覚的に伝えています。
関連リンク
Quebec – Drake (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】2 Hard 4 The Radio – Drake
【歌詞和訳】Best I Ever Had – Drake
【歌詞和訳】Burning Bridges – Drake
【歌詞和訳】Classic – Drake
【歌詞和訳】Controlla – Drake