今回の曲のタイトルは、「Welcome to the Black Parade」です。直訳すると、「ブラック・パレードへようこそ」です。
My Chemical Romance(マイ・ケミカル・ロマンス)は、2001年にアメリカ・ニュージャージー州ニューアークで結成された5人組ロックバンドです。「Welcome to the Black Parade」は2006年9月11日に発売されたシングルで、同年10月23日リリースの4thアルバム『The Black Parade』のリードシングルとして発表されました。この曲はイギリスおよびアイルランドのシングルチャートで1位を獲得し、アメリカのBillboard Hot 100では最高9位を記録しました。エモ・ポップパンク・アートロックを融合させた壮大なサウンドと、死・喪失・再生をテーマにした歌詞が特徴で、バンドを象徴する代表曲として世界中で広く知られています。作詞・作曲はメンバー全員——ジェラルド・ウェイ、ミキー・ウェイ、レイ・トロ、フランク・アイエロ、ボブ・ブライアルの5人——によって手がけられました。
【直訳のポイント】タイトルの「Black(黒)」は死や喪を象徴する色であり、「Parade(パレード)」は行進・行列を意味します。直訳すれば「黒い行列」となりますが、この曲では死者を彼岸へ導く幻想的な行進を指しています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Welcome to the Black Parade – My Chemical Romance
[Intro]
When I was a young boy, my father
幼い頃、父は
Took me into the city to see a marching band
街へ連れ出してくれた、マーチングバンドを見るために
He said, “Son, when you grow up, would you be
父は言った、「坊や、大きくなったら、なれるかい
The savior of the broken, the beaten, and the damned1damned
[形・宗教語]神や道徳に見捨てられ、地獄に堕ちた者を指す宗教的な表現。?”
傷つき、打ちのめされ、呪われた者たちの救い主に?」
He said, “Will you defeat them, your demons
「打ち勝てるか、お前の悪魔たちに
And all the non-believers, the plans that they have made?
そして信じない者たち、奴らが描いた計画すべてに?
Because one day, I’ll leave you a phantom2phantom
[名・詩語]幽霊・亡霊のこと。「leave you a phantom」で、死後も亡霊となってお前を見守るという意。
なぜなら、いつかお前に亡霊を遺していく
To lead you in the summer to join the black parade3black parade
[固有・象徴]この曲の中心的な比喩。死者たちが連なる葬送行進を指し、死そのものを体現した存在として描かれる。“
夏にお前を導くために、黒い行進へと加わるよう」
When I was a young boy, my father
幼い頃、父は
Took me into the city to see a marching band
街へ連れ出してくれた、マーチングバンドを見るために
He said, “Son, when you grow up, would4would
[助動詞]「will(〜になるだろう)」より柔らかく、父親の願いや希望を込めた問いかけ。「なってくれるか」というニュアンス。 you be
彼は言った、「息子よ、大きくなったとき、お前はなれるか
The savior of the broken, the beaten, and the damned5the damned
[形容詞→名詞・宗教語]「呪われた者」「地獄に落とされた者たち」を指す宗教・文学的表現。単なる罵倒語ではなく、救済を必要とする魂を指す。?”
傷ついた者、打ちのめされた者、そして呪われた者たちの救い主に?」
[Verse 1]
Sometimes, I get the feeling she’s watching over6watching over
[句動詞]「見る+上に」→「守護する・見守る」の意。守護天使のように上から保護するイメージを持つイディオム。 me
時々、彼女が私を見守ってくれているような気がする
And other times, I feel like I should go
そしてまた別の時には、立ち去るべきだと感じる
And through it all, the rise and fall, the bodies in the streets
それでもなお、栄枯盛衰、街に横たわる屍たち
And when you’re gone, we want you all to know
あなたがいなくなっても、みんなに知ってほしい
[Chorus]
We’ll carry on7carry on
[句動詞]「carry(運ぶ)+on(前へ)」→「くじけずに進み続ける・耐え抜く」という意味のイディオム。, we’ll carry on
僕たちは進み続ける、進み続ける
And though you’re dead and gone, believe me
たとえ君が逝ってしまっても、信じてほしい
Your memory will carry on, we’ll carry on
君の記憶は生き続ける、僕たちも続けていく
And in my heart, I can’t contain it
そして僕の胸の中で、それを抑えきれない
The anthem won’t explain it
その讃歌ですら言い表せない
[Verse 2]
A world that sends you reeling8reeling
[動・比喩]「くらくらする・よろめく」— 衝撃で足元がぐらつくほど打ちのめされた状態を示す比喩的表現。 from decimated9decimated
[形・文語]ラテン語「decimare(十人に一人を殺す)」に由来。転じて「壊滅的な打撃を受けた・完膚なきまでに破壊された」を意味する。 dreams
壊滅した夢があなたをよろめかせる世界
Your misery and hate will kill us all
お前たちの苦悩と憎しみが、私たちみんなを滅ぼす
So paint it black10paint it black
[句・慣用]「それを黒く塗る」→ 暗闇や反抗の象徴として現状を塗り替え、支配に抗うことを意味するイディオム。 and take it back, and let’s shout it loud and clear
だから黒く塗りつぶして取り返し、声高らかに叫ぼう
Defiant to the end, we hear the call
最後まで反骨を貫き、私たちはその呼び声を聞く
[Chorus]
To carry on11carry on
[句動詞]「運び続ける」→「続ける・耐え抜く・前へ進む」を意味するイディオム。, we’ll carry on
前へ進み続けるために、僕たちは進み続ける
And though you’re dead and gone, believe me
たとえ君がこの世を去っても、信じてくれ
Your memory will carry on, we’ll carry on
君の記憶は受け継がれていく、僕たちも進み続ける
And though you’re broken and defeated
たとえ君が傷つき、打ちのめされても
Your weary widow marches
疲れ果てた君の未亡人が歩み続ける
[Bridge]
On and on, we carry through12carry through
[句動詞]「持ち運ぶ」→ 困難を乗り越えながら前進し続けることを表すイディオム。恐怖の中でも突き進むさま。 the fears (Oh, ha, ha)
延々と、私たちは恐怖を乗り越えていく(オー、ハ、ハ)
Disappointed faces of your peers13peers
[名]「同等の立場の者」→ 同年代・同じ社会集団に属する仲間・同輩を指す語。 (Oh, ha, ha)
お前の仲間たちのがっかりした顔(オー、ハ、ハ)
Take a look at me, ‘cause I could not care at all14could not care at all
[慣用句]「couldn’t care less(これ以上気にしようがない)」の変形。まったく気にしないことを強調する表現。
見てくれ、私はまったく気にしないから
[Breakdown]
Do or die15do or die
[慣用句]「やるかやられるか」「背水の陣」を意味する慣用表現。二択しかない極限状態を指す。, you’ll never make me
やるかやられるか、お前には俺を屈服させることなんてできない
Because the world will never take my heart
この世界が俺の心を奪うことは決してないから
Go and try, you’ll never break me
やってみろ、俺を壊すことなんてできやしない
We want it all, we wanna play this part16play this part
[句動詞・慣用句]「この役を演じる」→ここでは「この物語の主役を担う・この役割を果たす」という意味。
俺たちはすべてを求めている、この役割を担いたいんだ
I won’t explain or say I’m sorry
説明もしないし、謝りもしない
I’m unashamed17unashamed
[形]「恥じない・臆することのない」。un-(否定)+ ashamed(恥じている)の合成語で、自分の傷や過去を堂々と晒す姿勢を示す。, I’m gonna show my scar
恥じることなく、俺は自分の傷跡を見せていく
And give a cheer18give a cheer
[慣用句]「歓声を送る・称える」。ここでは傷ついた人たちへのエールを贈る、という意味。 for all the broken
傷ついたすべての人たちへエールを送ろう
Listen here, because it’s who we are
よく聞いてくれ、それが俺たちという存在だから
Just a man, I’m not a hero
ただの人間だ、ヒーローなんかじゃない
Just a boy who had to sing this song
この歌を歌わずにはいられなかった、ただの少年なんだ
Just a man, I’m not a hero
ただの男さ、英雄なんかじゃない
I don’t care
どうでもいい
[Chorus]
We’ll carry on19carry on
[句動詞]「運ぶ」+「前へ」→「(苦難に屈せず)前進し続ける・やり続ける」を意味するイディオム。, we’ll carry on
僕たちは前進し続ける、前進し続ける
And though you’re dead and gone, believe me
たとえあなたが死して逝ってしまっても、信じてほしい
Your memory will carry on, you’ll carry on
あなたの記憶は生き続ける、あなたも生き続ける
And though you’re broken and defeated
たとえあなたが傷つき、打ち砕かれても
Your weary widow marches on
疲れ果てたあなたの未亡人は、それでも力強く歩み続ける
[Outro]
Do or die20Do or die
[イディオム]「やるかやられるか」という絶対に退かない覚悟を表す慣用句。, you’ll never make me21make me
[句動詞]「make+人+動詞」の目的補語が省略された形。「俺を屈服させる・言いなりにする」の意。
やるかやられるか、お前には俺を屈服させることなんてできない
Because the world will never take my heart
だってこの世界だって、俺の心だけは奪えない
Go and try, you’ll never break me
やってみろよ、お前には俺を打ち砕くことなんてできない
We want it all, we wanna play this part (We’ll carry on22carry on
[句動詞]「続ける・前進し続ける」を意味するイディオム。)
全部手に入れたい、この役を演じ続けたい(俺たちは進み続ける)
Do or die, you’ll never make me (We’ll carry on)
やるかやられるか、お前には俺を屈服させることなんてできない(俺たちは進み続ける)
Because the world will never take my heart (We’ll carry on)
だってこの世界だって、俺の心だけは奪えない(俺たちは進み続ける)
Go and try, you’ll never break me (We’ll carry)
やってみろよ、お前には俺を打ち砕くことなんてできない(俺たちは進む)
We want it all, we wanna play this part (We’ll carry on)
全部手に入れたい、この役を演じ続けたい(俺たちは進み続ける)
Writer(s): Mikey Way, Gerard Way, Ray Toro, Frank Iero, Bob Bryar
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Welcome to the Black Parade」はどんな曲ですか?
マイ・ケミカル・ロマンスが2006年9月にリリースした3枚目のアルバム『ザ・ブラック・パレード』のリード・シングルです。全英シングルチャートで1位を獲得し、米ビルボードHot 100でも9位にランクインするなど、世界的な大ヒットを記録しました。リリースから20年近くが経った現在もSpotifyで再生回数が伸び続けており、2000年代エモ・ロックを代表する”アンセム(賛歌)”として今なお多くのファンに愛されています。
“damned”はどういう意味ですか?
直訳すると「呪われた者」「地獄に堕ちた者」ですが、この曲の文脈ではもう少しニュアンスが広がります。歌詞に登場する「the damned」は、社会からはみ出した人、孤独を抱えた人、うまく生きられないと感じている人たちを指しています。宗教的な「罰せられた魂」というより、”自分は世界に必要とされていない”という感覚を抱えた人々のこと。バンドはその人たちに向けて「それでも君たちには居場所がある」と歌いかけているんです。
“phantom”はどういう意味ですか?
「幽霊」や「亡霊」を意味する英単語です。この曲では、死を前にした主人公の父親が息子に「たとえ俺がいなくなっても、君の心の錨(いかり)として永遠にそこにいる」と語りかける場面で使われています。つまり”phantom”は怖いお化けではなく、目には見えないけれど確かに存在し続ける愛や記憶の象徴として描かれているんです。日本語で言えば「守り神」に近い温かみのあるイメージです。
“black parade”はどういう意味ですか?
この曲全体の核心にあるメタファーで、「黒いパレード」=死者を見送る葬列(ちょうれつ)のことです。西洋では喪服の黒で統一した行列が棺を運ぶ文化があり、それが”black parade”の原イメージになっています。ただしこの曲では、悲しみの行列がやがて力強い行進へと変わっていく様子が描かれます。死を嘆くのではなく、旗を掲げて堂々と歩き続けるイメージ——「たとえ終わりが来ても、自分らしく生き抜いた証を誇れ」というメッセージが込められた、希望の象徴なのです。
関連リンク
Welcome to the Black Parade – My Chemical Romance (Official Video)
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