今回の曲のタイトルは、「Why Not More?」です。直訳すると、「なぜ、もっとではないの?」です。タイトルだけで胸に刺さるような問いかけが込められており、愛する相手に「もっと愛してほしい」「なぜもっと与えてくれないの?」というもどかしさと切望感が、シンプルな言葉の中に凝縮されています。
歌うのは、アメリカ・サウスカロライナ州出身のR&Bシンガー兼女優、Coco Jones(ココ・ジョーンズ)。幼少期よりディズニーチャンネルで活躍し、2022年にはPeacockの人気ドラマ『Bel-Air』でヒラリー・バンクス役を演じて再ブレイク。同年リリースのEP『What I Didn’t Tell You』収録の「ICU」が全米でスマッシュヒットとなり、2024年のグラミー賞でベスト・R&Bパフォーマンス賞を受賞した。「Why Not More?」は、レゲエ界の実力派Protoje、ボブ・マーリーの孫であるYG Marley、ヒットメーカーのLondon on da TrackとPoo Bearら豪華なクリエイター陣が制作に参加。R&Bとレゲエを融合させたメロウでソウルフルなサウンドが、彼女の伸びやかな歌声と見事に絡み合う一曲に仕上がっています。
【直訳のポイント】タイトルの「more」は「もっと」という量を超え、愛・時間・誠実さなど「足りないもの全て」を指す言葉として機能しているため、「なぜ、もっとではないの?」という訳に込めました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Why Not More? – Coco Jones
[Chorus: Coco Jones]
Why not more?
なぜもっとじゃないの?
Why not more?
なぜもっとじゃないの?
Why not more?
なぜもっとじゃないの?
Is enough ever enough?
十分なんて、本当にあるの?
How you sweep me off the floor1sweep off the floor
[句動詞・慣用表現]”sweep someone off their feet”(人を恋愛的に圧倒する・夢中にさせる)のフレーズ変形。”feet”を”floor”に置き換え、韻とニュアンスを重ねた表現。? (Oh, oh, oh)
どうして私をこんなに夢中にさせるの?(オー、オー、オー)
How you win that tug of war2tug of war
[名・比喩]「綱引き」→ 二者間の力の引き合い・駆け引きを指す比喩表現。ここでは恋愛における主導権争いを表す。? (Now, now, now)
どうやってその綱引きに勝つの?(さあ、さあ、さあ)
Why not more?
なぜもっとじゃないの?
Is enough ever enough? Enough (Hurry, hurry)
十分なんて、本当にあるの?十分なんて(早く、早く)
[Verse 1: Coco Jones]
Said I’m done with that poker face3poker face
[名・慣用句]ポーカーで手札を悟られないよう感情を隠す「無表情・取り繕った顔」のこと。, uh, uh
もうそんな取り繕った顔はやめるって、うん、うん
Got me mean-mugging4mean-mugging
[動・AAVE俗語]激しい感情をあらわにした表情で相手を見つめること。敵意や欲望など、強い視線を向ける行為。 without disgrace, uh
恥ずかしげもなく、あなたをじっと見つめてしまう、うん
Holdin’ me feel like I’m in a choke5choke
[名・俗語]格闘技のチョークホールド(首絞め技)のこと。ここでは抱擁の圧倒的な息苦しさを表す。
あなたに抱かれると、首を絞められてるみたい
Pushin’ a hundred6Pushin’ a hundred
[句・俗語]時速100マイル(約160km)で車を走らせること。転じて「全力で突き進む」というニュアンス。, don’t hit the brakes
時速100マイルで突っ走れ、ブレーキを踏むな
Givin’ me brain freeze7brain freeze
[名・俗語]冷たいものを急に飲食したときに起きる頭痛のこと。転じて、思考が止まるほど圧倒されている状態を指す。, I’m frozen
頭が真っ白になる、思考が止まってる
What kind of spell did you put on me?
いったいどんな魔法をかけたの?
Ayy, main squeeze8main squeeze
[名・俗語]最も大切な恋人・パートナーを指すアメリカ口語表現。, stay focused
ねえ、大切なあなた、しっかりして
Don’t get complacent with me, no, please
私のことを当たり前だと思わないで、お願い
[Pre-Chorus: Coco Jones]
Takin’ up my time
私の時間を奪って
Takin’ up my mind
私の心も占領して
So don’t hold back9hold back
[句動詞]「後ろに引き留める」→「遠慮する・抑える」の意。感情や行動を抑制しないよう求める表現。 now
だから今は遠慮しないで
[Chorus: Coco Jones]
Why not more?
なぜもっとじゃダメなの?
Why not more?
なぜもっとじゃダメなの?
Why not more?
なぜもっとじゃダメなの?
Is enough ever enough? (Hurry, hurry, hurry)
十分って本当に十分なの?(急いで、急いで、急いで)
How you sweep me off the floor10sweep me off the floor
[句動詞・慣用表現]「sweep someone off their feet(夢中にさせる・恋に落とさせる)」をもじった表現。floor を用いることで、床から文字通り掬い上げるイメージも重ねている。? (Oh, oh, oh)
どうやって私を床から掬い上げるの?(オー、オー、オー)
How you win that tug of war? (Now, now, now)
どうやってあの綱引きに勝つの?(今、今、今)
Why not more?
なぜもっとじゃダメなの?
Is enough ever enough? Enough (Hurry, hurry)
十分って本当に十分なの?十分(急いで、急いで)
[Verse 2: YG Marley]
Oh, no
ああ、なんてこと
Well, hear me
ねえ、聞いてくれ
I’m speakin’ from the soul so you can feel me11feel me
[動・AAVE]「私を感じる」→「私の言っていることを理解する・共感する」という意味のAAVEスラング。, oh
魂から語りかけてる、わかってくれるように、ああ
And she’s tellin’ me why not (Only [begged?] him on the spots)
彼女は俺に「どうしていけないの」と言う(その場でただ頼み込んだだけなのに)
And I’ma tell you how I feel, oh
どう感じているか話してあげる、ああ
I’ma tell you if the love I feel is real
この愛が本物かどうか、話してあげる
Guys like me got a heart made of steel12heart made of steel
[慣用句]「鋼鉄の心」→ 何事にも動じない強靭な心を表すイディオム。
俺みたいな男は鋼の心を持っている
No, no, no, you can’t pain from my love
いや、いや、いや、俺の愛で傷つくことはない
Yes, I’m destined by the one above13the one above
[名・宗教的表現]「上にいる者」→ 神や天の力を指す英語圏の慣用表現。
そう、天の御加護によって定められた運命なんだ
[Pre-Chorus: Coco Jones]
Takin’ up14take up
[句動詞]「持ち上げる」→「(時間・空間を)占有する・使い果たす」の意に転じたイディオム。 my time
私の時間を独り占めにして
Takin’ up my mind
私の心まで支配して
So don’t hold back15hold back
[句動詞]「後ろに引き留める」→「躊躇する・感情を抑える・遠慮する」の意に転じたイディオム。 now
だから今こそ、遠慮しないで
[Chorus: Coco Jones & YG Marley]
Why not more?
もっとじゃダメなの?
Why not more? (More)
もっとじゃダメなの?(もっと)
Why not more?
もっとじゃダメなの?
Is enough ever enough? (Hurry, hurry, hurry)
満足することなんてあるの?(急いで、急いで、急いで)
How you sweep me off the floor16sweep me off the floor
[句・イディオム]「sweep someone off their feet(足元から掃き飛ばす=恋に落とさせる)」の変形。圧倒的な魅力で相手を夢中にさせることを指す。? (Oh, oh, oh)
どうしてそんなに私を夢中にさせるの?(オー、オー、オー)
How you win that tug of war? (Now, now, now)
どうしてその引っ張り合いに勝てるの?(今、今、今)
Why not more?
もっとじゃダメなの?
Is enough ever enough? Enough (Hurry, hurry)
満足することなんてあるの?満足(急いで、急いで)
[Outro: YG Marley]
Oh, why not?
ねえ、なんでだめなの?
Oh, why not?
ねえ、なんでだめなの?
Oh, why not?
ねえ、なんでだめなの?
Oh, why not?
ねえ、なんでだめなの?
Oh, why not?
ねえ、なんでだめなの?
Oh, why not more?
ねえ、もっとじゃいけないの?
Oh, why not more?
ねえ、もっとじゃいけないの?
I love the way she’s walkin’ through my door
彼女がドアをくぐってくるその姿が好きだ
But I’m not asking for a lot
でも、そんなに大したことを求めてるわけじゃない
But I just wanna know, oh
ただ知りたいだけなのに
Why not more?
なぜもっとじゃないの?
Oh, why not more?
ああ、なぜもっとじゃないの?
Oh, why not more?
ああ、なぜもっとじゃないの?
Writer(s): Coco Jones, YG Marley, Philip Cornish, Boobie, Protoje, London on da Track, Poo Bear
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Why Not More?」はどんな曲ですか?
「Why Not More?」は、グラミー賞受賞シンガーCoco Jones(ココ・ジョーンズ)が放つミッドテンポのR&Bナンバーです。2022年の「ICU」でメインストリームに躍り出た彼女は、2024年に満を持してデビューアルバム『Why Not More?』をリリース——タイトル曲はアルバムの核心を担う一曲で、「もっと愛されて当然なのに、なぜそれ以上を求められないの?」という自問を、深みのあるソウルフルな歌声で丁寧に紡ぎます。Spotifyでは公開直後からプレイリスト入りが相次ぎ、R&Bチャートでも安定した存在感を示しました。
「sweep off the floor」はどういう意味ですか?
英語には “sweep someone off their feet”(人を一瞬で恋に落とす・有無を言わさず魅了する)という定番の慣用句がありますが、この曲では “sweep off the floor” という形でその感覚をより生々しく表現しています。「床から抱き上げられるほど心を奪われる」イメージで、たとえるなら映画のワンシーンで主人公がふいに抱き上げられて思わず息をのむ、あの瞬間です。日本語の「足元をすくわれる」に近い衝撃のある表現だと思うと理解しやすいでしょう。
「tug of war」はどういう意味ですか?
“Tug of war” は直訳すると「綱引き」。でもこの曲では、二人の間で揺れ動く感情の引っ張り合い——「好きなのに素直になれない」「近づきたいけど怖い」というもどかしい心理戦を指しています。日本語でよく言う「駆け引き」や「押し引き」がまさにこれです。相手が一歩引けばこちらも引いてしまう、その繰り返しに疲れた主人公の本音が、このたった一言に凝縮されています。
「poker face」はどういう意味ですか?
ポーカーというカードゲームで、手札の良し悪しを相手に悟られないよう無表情を保うことを “poker face” と言います。この曲では、本当は「もっと欲しい」と思っているのに、それを顔に出さず平静を装う相手の態度——あるいは自分自身のプライド——を指しています。Lady Gagaの同名曲でも有名なフレーズですが、Coco Jonesはここで「なぜ本音を隠し続けるの?」という問いかけとして使っており、曲全体のテーマである”もっと素直になってほしい”という願いを象徴する言葉になっています。
関連リンク
Why Not More? – Coco Jones (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
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