今回の曲のタイトルは、「Mad」です。直訳すると、「怒り」です。
Renée Rapp(ルネ・ラップ)は、2000年1月10日生まれのアメリカ人シンガー・女優です。ブロードウェイ版『ミーン・ガールズ』(2022年)でリジーナ・ジョージ役を務めたことで注目を集め、その後音楽活動に本格的に進出しました。「Mad」は、2023年8月18日にリリースされたデビューアルバム『Snow Angel』に収録されており、同アルバムはBillboard 200で22位を記録しました。ジャンルはポップで、失恋後に押さえきれない怒りや、傷ついた感情を赤裸々に描いたテーマとなっています。
【直訳のポイント】英語の”mad”は「怒り」と「狂気」の両方の意味を持つ言葉です。この曲では傷ついた感情からくる激しい怒りを指すため、「怒り」のニュアンスを優先して訳しています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Mad – Renee Rapp
[Verse 1]
Take five1Take five
[句・イディオム]「5を取れ」→「少し休憩しよう」を意味する定型表現。もともと5分間の小休止を指す。, we been at it2been at it
[句動詞]「それをずっとやっている」→ 口論や争いをやめずに続けている状態を指す口語表現。 all night
少し休もう、もう一晩中やり合ってたんだから
Not a sorry3sorry
[名・口語]通常は形容詞・間投詞だが、ここでは名詞として「謝罪の言葉、ひとつの詫び」を意味する用法。 in the world I ain’t already said
この世に、まだ言っていない謝罪の言葉なんて一つもない
Ugh, Christ, getting hard to be nice
はあ、もう、穏やかにしてるのも限界になってきた
Not a single little curl that’s on your head don’t want me dead
あなたの頭の巻き毛一本残らず、全部が私に死んでほしいと思ってる
Okay, I get it, you wanna be mad
わかった、あなたは怒っていたいんだよね
[Pre-Chorus]
I wish I could take that pretty little face
あの愛らしい顔をつかんで
And shake some sense into4shake some sense into
[慣用句]「〜に正気を揺さぶり込む」→ 人を激しく揺すって理性・分別を取り戻させる、という英語のイディオム。 you, like
こうやってあなたに正気を叩き込んでやれたらいいのに
[Chorus]
Hey, you
ねえ、あなた
All of the time you wasted being mad5mad
[形・口語]「狂った」ではなく「怒っている・腹を立てている」の意。
怒ることに費やしたすべての時間
We could’ve been cute and we could’ve been stupid6stupid
[形・口語]本来「愚かな」だが、ここでは恋人同士がバカみたいに無邪気にはしゃぐさまを指す肯定的なニュアンス。
可愛くいられたし、バカみたいに笑い合えたのに
Hey, you
ねえ、あなた
All of the time you wasted in your head7in your head
[イディオム]「頭の中に閉じこもる」→ 考えすぎる・自分の思考に囚われて動けない状態。
頭の中で考え込んで無駄にしたすべての時間
We could’ve been having sex
セックスしてられたのに
You could’ve been gettin’ all of my time
私の時間を全部もらえたのに
But you were being mad8mad
[形・口語]「怒っている・不機嫌でいる」の意(「狂った」ではない)。
でもあなたはずっと怒ってばかりいた
[Verse 2]
Okay, you can pout your lips
わかった、唇を尖らせていていいよ
Puff on a cigarette, face all Marlboro9Marlboro
[固有名詞・文化]アメリカの有名煙草ブランド。「Marlboro Red」は真っ赤なパッケージで知られ、ここでは煙草を吸って頬や唇が深紅に染まる様子を指す。 red
タバコをふかして、マルボロレッドみたいに顔を真っ赤にして
Slow down, put my finger in your mouth
ゆっくりして、口の中に指を入れさせて
Pull the bitter taste out
その苦みを引き出してあげる
Baby, you can have me instead
ベイビー、その代わりに私がいるから
Okay, I get it, you wanna be mad
わかった、怒っていたいんでしょ
[Pre-Chorus]
I wish I could take that pretty little face
あの可愛い顔をつかんで
And shake some sense into you10shake some sense into you
[句動詞・慣用句]直訳「あなたに分別を揺さぶり入れる」→ 揺さぶって正気に戻させる・目を覚まさせる、という意味のイディオム。, like
揺さぶって正気に戻してやりたいくらい
[Chorus]
Hey, you
ねえ、あなた
All of the time you wasted being mad11mad
[形・口語]「怒っている」の意。「狂っている」とも解釈できるが、ここでは「腹を立てている」というスラング的用法。
怒って無駄にした時間、全部
We could’ve been12could’ve been
[助動詞句]”could have been”の短縮形。「〜できたのに(実際にはそうならなかった)」という反事実の仮定・後悔を表す。 cute and we could’ve been stupid13stupid
[形・口語]本来「愚かな」の意だが、ここでは恋愛に浮かれてバカみたいにいちゃつく状態を表すスラング的用法。
ふたりでかわいくて、バカみたいでいられたのに
Hey, you
ねえ、あなた
All of the time you wasted in your head14in your head
[句・イディオム]「頭の中で」→ 現実に向き合わず、思考や悩みに囚われている状態を指すイディオム。「一人で考え込んでいる」「悩みすぎている」のニュアンス。
頭の中で悩んで無駄にした時間、全部
We could’ve been having sex
セックスだってできたのに
You could’ve been gettin’ all of my time
私の時間を全部もらえたのに
But you were being mad
なのにあなたは怒ってばかりだった
[Bridge]
Don’t give me that shoulder15shoulder
[名・イディオム]”give the cold shoulder”(冷たくあしらう・無視する)の省略形。ここでは「よそよそしい態度をとる」の意。, come get closer
冷たくしないで、もっと近くに来て
God, it’s pissing me off
もう、本当にむかつく
I wanna get mad at you, right back at you16right back at you
[句・イディオム]「そのままあなたに返す」→ 相手と同じ態度・感情をやり返す、という意味のイディオム。
あなたに怒りたい、同じようにやり返したい
But it’s kinda hot
でも、なんかそれがたまらない
[Chorus]
All of the time you wasted being mad17mad
[形・口語]「怒っている」の意。「crazy(狂った)」と混同されやすいが、ここでは「腹を立てている」状態を指す。
あなたが怒り続けてムダにした時間のすべて
We could’ve been cute and we could have been stupid18stupid
[形・口語]「馬鹿げた」→ ここでは恋人同士がバカみたいに無邪気で夢中な状態を指す。「stupid in love(恋に夢中でバカになる)」的なニュアンス。
私たちは可愛くいられたのに、バカみたいに無邪気でいられたのに
Hey, you
ねえ、あなた
All of the time you were fucking with my head19fucking with my head
[句・俗語]「頭をいじる」→「精神的に翻弄する・気持ちをかき乱す」を意味するイディオム。
あなたが私の気持ちをかき乱し続けた時間のすべて
We could’ve been having sex
私たちはセックスだってできたのに
You could’ve been gettin’ all of my time
私の時間をまるごと手に入れられたのに
But you were being mad
でも、あなたはずっと怒り続けてた
[Outro]
Could’ve been getting head20getting head
[動・俗語]性的な行為(口淫)を受けることを指す俗語表現。
してもらえてたのに
Writer(s): Reneé Rapp, Alexander 23, Omer Fedi – עומר פדי, Ali Tamposi
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Mad」はどんな曲ですか?
「Mad」は、アメリカ人シンガーソングライター・女優のRenee Rappが2023年8月にリリースしたデビューアルバム『Snow Angel』に収録されたポップソングです。HBO Maxドラマ「The Sex Lives of College Girls」への出演で一躍注目を集めた彼女が、傷ついた怒りと感情の葛藤を力強いボーカルで表現した楽曲で、Spotifyでは数千万回以上再生され、彼女の代表曲のひとつとなっています。リリース直後からTikTokやSNSで急速に拡散し、その赤裸々で等身大な歌詞が世界中の若いリスナーの共感を呼びました。
「Take five」はどういう意味ですか?
「Take five」は「少し休憩する」「ちょっと一息つく」という意味の慣用表現で、もともとはジャズの世界で演奏の合間に「5分間休もう」と声をかけたことが語源とされています。この曲の文脈では、感情的に張り詰めた言い争いや状況から「少し距離を置こう」「頭を冷やそう」というニュアンスで使われており、単なる休憩ではなく、爆発しそうな感情をいったんリセットするための時間を指しています。日常会話でも「Take five!」と気軽に使えば「ちょっと一息いれよう!」という意味になりますよ。
「been at it」はどういう意味ですか?
「been at it」は「(ずっと)やり続けている」「(口論などを)延々と繰り返している」という意味の口語表現です。”be at it”で「(何かに)取り組んでいる・やり合っている」という意味になり、それを”have been at it”と現在完了進行形にすることで「ずっとそれが続いている」という消耗感・疲弊感がにじみ出ます。この曲では、終わりの見えない二人の口論や感情的な摩耗を指しており、「またこれの繰り返し?」「いつまでこんなことが続くの?」というぐったりした気持ちが伝わってくる表現です。
「sorry」はどういう意味ですか?
「sorry=ごめんなさい」と覚えている方がほとんどだと思いますが、英語の “sorry” には形容詞として「みじめな」「情けない」「哀れな」という意味もあります。この曲で使われる “sorry” は謝罪ではなく、「そんな情けない状態」「そんな惨めな関係」というニュアンスで、相手や状況そのものを切り捨てるような鋭い言葉として機能しています。”a sorry excuse”(情けない言い訳)という使い方と同じ用法です。怒りの奥に軽蔑と失望が混じり合ったReneeの複雑な感情が、この一語にぎゅっと凝縮されていると言えるでしょう。
関連リンク
Mad – Renee Rapp (Official Video)
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