今回の曲のタイトルは、「One of the Greats」です。直訳すると、「偉大なる者たちのひとり」です。
Florence + The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)は、ロンドン出身のフローレンス・ウェルチを中心に2007年に結成されたイギリスのアートロックバンドです。デビューアルバム『Lungs』(2009年)で一躍脚光を浴び、『Ceremonials』(2011年)『How Big, How Blue, How Beautiful』(2015年)『Dance Fever』(2022年)と続くスタジオアルバムはすべて全英アルバムチャートで首位を獲得しています。「One of the Greats」は2025年9月24日にリリースされたシングルで、同年10月31日発売の通算6作目のスタジオアルバム『Everybody Scream』からの第2弾シングルです。同作もUKアルバムチャート1位を記録し、バンドとして5作目の全英No.1アルバムとなりました。Idles(アイドルズ)のギタリスト、マーク・ボウエンとの共作で、バロックポップとインディロックを基盤にした壮大なサウンドに、喪失と自己肯定をテーマにした内省的な歌詞が重なる楽曲です。
【この曲の言葉について】「Greats」は「偉大なる人々」を意味する英語表現で、日本語の「偉人」や「傑物」に近いニュアンスを持ちます。タイトルが帯びる誇りと哀愁のトーンを損なわないよう、原文のニュアンスをできる限り大切にしながら訳しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
One of the Greats – Florence + The Machine
[Verse 1]
I crawled up from under the earth
地の底から這い上がった
Broken nails and coughing dirt
爪は砕け、土を咳き出しながら
Spitting out my songs so you could sing along, oh
共に歌えるよう、歌を吐き出してきた
And with each bedraggled1bedraggled
[形]泥や水でびしょびしょになり、みすぼらしく乱れた状態を指す語。be- + draggle(引きずる)から派生。 breath, I knew I came back from the dead
泥だらけの息をするたびに、死の淵から戻ってきたと知っていた
To show you how it’s done, to show you what it takes2what it takes
[慣用句]「目標を達成するために必要な素質・条件」を意味するイディオム。have what it takes で「やり遂げる力がある」の意。
どうするかを見せるために、何が必要かを証明するために
To conquer and to crucify3crucify
[動]本来「十字架に磔にする」だが、転じて「徹底的に打ちのめす・容赦なく葬り去る」の意でも用いられる強意語。, to become one of the greats4one of the greats
[慣用句]greats は「偉人・殿堂入りの大物」を指す名詞的用法。「一流の偉大な存在のひとり」の意。
征服し、打ちのめし、偉大な者のひとりになるために
One of the greats
偉大な者のひとり
[Verse 2]
I kept a scream inside my chest, killed everyone I’d5I’d
[縮約形]ここでは “I had” の短縮形。過去完了を形成し、「かつてキスをしたことのある人すべて」を意味する。 ever kissed
胸の中に叫びを閉じ込め、唇を重ねたことのある人をすべて殺した
Hung6Hung
[動・不規則過去形]hang(吊るす)の過去形。 them on the wall like trophies, each name a stain upon my lips
トロフィーのように壁に吊るし、それぞれの名前が唇に染みとして刻まれた
I told the truth, but could never see it through7see it through
[句動詞]「最後までやり通す・貫徹する」という意味のイディオム。
真実を語ったが、最後までやり通すことはできなかった
You see yourself hung on the wall, but that song is not about you
壁に吊るされた自分の姿が見えるかもしれないけれど、その歌はあなたのことじゃない
I wrote down all my fumbling8fumbling
[形]「手探りの・たどたどしい・ぼんやりとした」という意味。輪郭のはっきりしない、不確かなさまを表す。 visions transmitted by a television
テレビから流れてきた、たどたどしいビジョンをすべて書き留めた
Got everything I thought I wanted and cried hungover9hungover
[形]大量飲酒の翌日に頭痛・吐き気などを伴う「二日酔いの状態にある」という意味の形容詞。 in a hotel closet
欲しいと思ったものをすべて手に入れ、ホテルのクローゼットで二日酔いのまま泣いた
[Pre-Chorus]
Did I get it right? Do I win the prize?
ちゃんとできてた?賞はもらえる?
Do you regret bringing me back to life?
私を生き返らせたことを後悔してる?
[Chorus]
Arms outstretched, back from the dead10back from the dead
[イディオム]「死者の中から戻る」→「死から蘇る・復活する」を意味する慣用表現。
両腕を広げ、死から蘇る
Streetlights bursting11bursting
[動・比喩]本来「破裂する・炸裂する」の意。ここでは街灯が「一気にまばゆく点灯する・閃く」様子を表す比喩的用法。 overhead
頭上で街灯が閃く
Arms outstretched, back from the dead12back from the dead
[イディオム]「死者の中から戻る」→「死から蘇る・復活する」を意味する慣用表現。
両腕を広げ、死から蘇る
Streetlights bursting13bursting
[動・比喩]本来「破裂する・炸裂する」の意。ここでは街灯が「一気にまばゆく点灯する・閃く」様子を表す比喩的用法。 overhead
頭上で街灯が閃く
[Verse 3]
I did my best, tried to impress, my childhood dream made flesh14made flesh
[慣用句・聖書的表現]ヨハネ福音書「言は肉となった」に由来する文学的表現。「夢が実体を持って現れた・具現化した」の意。
精一杯やった、認められようとした、幼い頃の夢が形となって
And my dresses and my flowering sadness, so like a woman to profit15profit
[動・イディオム]「利益を得る」→「〜を逆手にとって恩恵を受ける・〜から得をする」という意味で用いられている。 from her madness
ドレスも花開く悲しみも、狂気から得をするなんていかにも女らしい
I was only beautiful under the lights, only powerful there
ライトの下でだけ美しく、そこでだけ力があった
Burned down16Burned down
[句動詞]本来は建物などが「全焼する」の意。ここでは三十六歳で心身ともに崩れ落ち、尽き果てたことを指す。 at thirty-six
三十六歳で燃え尽きた
Why did you dig me up17dig up
[句動詞]「掘り起こす」→忘れ去られた人物を再び引っ張り出す・よみがえらせるという意味のイディオム。 for this?
なぜこんなことのために私を掘り起こしたの?
[Chorus]
Arms outstretched, back from the dead18back from the dead
[慣用句]「死者の中から戻る」→「死から蘇る・復活する」を意味する定型表現。
両腕を広げ、死の彼方から蘇る
Streetlights bursting19bursting
[動・詩的]「破裂する」が転じて、光が突然あふれ出す・弾けるように輝く様子を表す詩的用法。 overhead
頭上で街灯が弾けるように光り輝く
Arms outstretched, back from the dead20back from the dead
[慣用句]「死者の中から戻る」→「死から蘇る・復活する」を意味する定型表現。
両腕を広げ、死の彼方から蘇る
Streetlights bursting21bursting
[動・詩的]「破裂する」が転じて、光が突然あふれ出す・弾けるように輝く様子を表す詩的用法。 overhead
頭上で街灯が弾けるように光り輝く
[Bridge]
You’ll bury22bury
[動・比喩]「埋める」→ 人の評判や実績を封じ込め、存在を消し去ろうとすること。業界での黙殺・抹殺を意味する。 me again, you’ll say it’s all pretend
またあなたは私を葬ろうとする、全部嘘だと言うだろう
That I could never be great being held up against23held up against
[句動詞]「持ち上げて~に当てる」→「~の基準で比較・測定される」という意味のイディオム。 such male tastes
こんな男性的な趣味で測られては、私は決して偉大にはなれないと
Because who really gets to be one of the greats, one of the greats?
だって、伝説と呼ばれる存在になれるのは、いったい誰なの?
But I’ve really done it this time, this one is all mine
でも今回は本当にやり遂げた、これは完全に私のもの
I’ll be up there with the men and the ten other women
男性たちと、そしてほかの十人の女性たちと並んで、私もあの場所に立つ
And the hundred greatest records of all time
史上最も偉大な百枚のアルバムとともに
It must be nice to be a man and make boring music just because you can
男であるだけでつまらない音楽を作れるなんて、さぞ気持ちいいでしょうね
Now don’t get me wrong24don’t get me wrong
[慣用句]「私を誤解しないでください」→ 批判や皮肉に聞こえかねない発言の前後に置き、真意を正す表現。, I’m a fan
誤解しないで、私はファンなんだから
You’re my second-favourite frontman25frontman
[名・音楽]バンドのリードボーカルや中心メンバー。グループの顔として前面に立つ人物を指す。
あなたは私の二番目に好きなフロントマンよ
And you could have me if you weren’t so afraid of me
そんなに私を怖がらなければ、あなたのものになれるのに
It’s funny how men don’t find power very sexy
男たちって、権力をセクシーだと思わないのよね——なんか変じゃない?
So this one’s for the ladies
だからこれは、女性たちに捧げる
Do I drive26drive
[動・イディオム]「運転する」ではなく「(ある状態へ)追いやる・させる」の意。drive someone crazy で「夢中にさせる/狂わせる」。 you crazy?
私、あなたを夢中にさせてる?
Did I get it right?
ちゃんとできてた?
[Pre-Chorus]
Did I get it right27get it right
[句動詞]「正しく/うまくやり遂げる」を意味するイディオム。”get”は「得る」ではなく「達成する・こなす」のニュアンス。? Do I win the prize?
うまくできた?賞はもらえる?
Do you regret bringing me back to life?
私を生き返らせたことを後悔してる?
Did I get it right28get it right
[句動詞]「正しく/うまくやり遂げる」を意味するイディオム。”get”は「得る」ではなく「達成する・こなす」のニュアンス。? Do I win the prize?
うまくできた?賞はもらえる?
Do you regret bringing me back to life?
私を生き返らせたことを後悔してる?
[Chorus]
Arms outstretched, back from the dead
両腕を広げ、死の淵から蘇る
Streetlights bursting29bursting
[動・詩的]「爆発する・弾ける」→ 光が一瞬激しくあふれ出す様子を表す詩的用法。 overhead
頭上で街灯が弾けるように瞬く
Arms outstretched, back from the dead
両腕を広げ、死の淵から蘇る
Streetlights bursting30bursting
[動・詩的]「爆発する・弾ける」→ 光が一瞬激しくあふれ出す様子を表す詩的用法。
街灯が弾けるように瞬く
[Outro]
Too feminine to function
女性的すぎて、何も機能しない
A pile of bodies and a trail31trail
[名]「小道・山道」が一般的な意味だが、ここでは「(何かが通り過ぎた)跡・痕跡」の意。 of destruction
積み重なった屍と、破壊の跡
I will let the light in, I will let some love in
光を受け入れよう、愛も受け入れよう
I will be happy, it will be perfect
幸せになれる、すべて完璧になる
I will let the light in, I will let some love in
光を受け入れよう、愛も受け入れよう
I will be happy, it will be perfect
幸せになれる、すべて完璧になる
I will let the light in
光を受け入れよう
Arms outstretched, back from the dead
両腕を広げ、死から蘇って
Streetlights bursting overhead
頭上でまばゆく輝く街灯
Arms outstretched, back from the dead
両腕を広げ、死から蘇って
Streetlights bursting overhead
頭上ではじける街灯
Arms outstretched, back from the dead
両腕を広げ、死から蘇って
Streetlights bursting overhead
頭上ではじける街灯
Arms outstretched
両腕を広げて
Arms outstretched
両腕を広げて
Streetlights bursting
街灯がはじける
Overhead
頭上で
Overhead
頭上で
Streetlights bursting
街灯がはじける
Overhead
頭上で
Writer(s): Florence Welch, Mark Bowen
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
Q1. 「One of the Greats」はどんな曲?
A. 2025年9月24日にリリースされたシングルで、同年10月31日発売のFlorence + The Machine通算6作目のスタジオアルバム『Everybody Scream』からの第2弾シングルです。アルバムは全英アルバムチャートで1位を獲得し、バンドとしては5作目の全英No.1アルバムとなりました。「偉大な存在のひとりになる」というタイトルの通り、名声や評価への渇望と、それに伴う痛み・自己犠牲を歌った内省的な楽曲です。
Q2. サビの”back from the dead”ってどういう意味?
A. 直訳すると「死者の中から戻ってくる」ですが、慣用句として「死から蘇る・復活する」という意味で使われます。歌詞では、燃え尽きて一度は終わったはずの自分が、再び人前に引っ張り出されて「復活」させられる様子を表しています。
Q3. “made flesh”という表現の由来は?
A. これは聖書のヨハネによる福音書にある「言(ことば)は肉となった(the Word was made flesh)」という一節に由来する表現です。抽象的なもの(ここでは「幼い頃の夢」)が実体を持って具現化する、というニュアンスを持つ文学的な言い回しです。
Q4. “crucify”は「十字架にかける」以外の意味もある?
A. はい。本来は「十字架に磔にする」という意味ですが、ここでは比喩的に「徹底的に打ちのめす・容赦なく葬り去る」という強い意味で使われています。「征服し(conquer)、打ちのめし(crucify)、偉大な者になる」という並びで、成功のために払う犠牲の大きさを表しています。
関連リンク
One of the Greats – Florence + The Machine (Official Video)
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