今回の曲のタイトルは、「Empty Words」です。直訳すると、「空っぽの言葉」です。愛していると言いながら、何の感情も誠意も伴わない言葉——そんな切ない情景を、たった2語で言い表したタイトルです。
「Empty Words」は、アメリカのカントリーシンガーソングライター、Corey Kent(コーリー・ケント)の楽曲です。彼は2022年に「Wild As Her」がTikTokを中心にバイラルヒットし、Billboard カントリーチャートを賑わせ、一躍注目を浴びました。Nashville仕込みの骨太なカントリーサウンドと、胸に刺さる等身大のリリックが持ち味です。「Empty Words」はCorey Kentのほか、Austin Goodloe、Matt Roy、Joybeth Taylor、Lydia Vaughanの5名による共同制作で、愛が冷めゆく関係を繊細に描いたミッドテンポのカントリーバラードに仕上がっています。
【こだわり解説】「empty words」は他サイトで「嘘の言葉」と訳されるケースも見受けられますが、「empty(空っぽ)」は「嘘(lie)」とは本質的に異なります。嘘は意図的な欺きですが、この曲が描くのは「言葉はあるのに中身がない」虚しさ——そこを大切にするため、本ブログでは「空っぽの言葉」という訳を採用しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Empty Words – Corey Kent
[Verse 1]
I’ve been talking to the walls1talking to the walls
[句・イディオム]「壁に話しかける」→ 誰にも届かない・返事のない状況で独り言を言い続けることを表すイディオム。
ずっと壁に向かって話しかけていた
‘Bout how to get her back
彼女を取り戻す方法を
And they told me I should call
彼らは僕に電話すべきだと言った
But she hit “read”2hit “read”
[句・俗語]メッセージアプリで相手のメッセージを開封し「既読」状態にすること。返信しないまま既読にする、いわゆる「既読スルー」のニュアンスを持つ現代スラング。 on that
でも彼女はそれを既読スルーした
She don’t wanna hear from me
彼女は僕からの連絡を受け取りたくない
What she’s heard a thousand times
もう何千回も聞かされてきたことを
If you bend it3bend it
[動・イディオム]「それを曲げる」→ 真実を歪め続けるという意味のイディオム。「bend the truth(真実を捻じ曲げる)」の変形。 long enough
十分に曲げ続ければ
Even the truth sounds like a lie
真実でさえ、嘘のように聞こえてくる
[Chorus]
She’s over4over
[前置詞・口語]「~を超えた」が転じて「もう~はたくさん、うんざりしている」を意味するインフォーマルな表現。 empty words
彼女はもう空虚な言葉にうんざりしている
Half-hearted5Half-hearted
[形・イディオム]「半分の心」→「本気でない、気乗りしない、熱意のない」を意味するイディオム。 apologies
中途半端な謝罪
My broken promises
僕の破った約束
My “don’t give up on6give up on
[句動詞]「~を諦める、見捨てる」を意味する句動詞。 me”s
「見捨てないでくれ」という僕の言葉たち
No goodbye when she left
去り際に別れの言葉もなかった
I got what I deserved
自業自得だ
I’m in this empty bed
この空っぽのベッドにひとり
‘Cause she’s over empty words
だって彼女はもう空虚な言葉にうんざりしているから
[Verse 2]
Hey there, Mr. Webster7Mr. Webster
[固有名詞]ノア・ウェブスター(Noah Webster)のこと。アメリカ英語辞典「Merriam-Webster」の編纂者として知られる。ここでは「言葉を作る人」として呼びかける比喩的表現。
ねえ、ウェブスターさん
Could you make a couple more?
もう少し言葉を作ってもらえませんか?
‘Cause I could really use a “sorry”
本当に「ごめんなさい」という言葉が必要で
That I ain’t used on her before
彼女にまだ一度も使ったことのない
I guess them sweet nothings8sweet nothings
[名・慣用句]恋人が耳元で囁く甘い言葉・愛の囁き。実質的な意味を持たない甘いお世辞のことを指す。 don’t mean nothing now
あの甘い囁きも、もう何の意味もないのだろう
Been cryin’ wolf9cryin’ wolf
[句・慣用句]イソップ寓話「狼が来た」に由来。嘘の警告や見え透いた言い訳を繰り返すこと。後半の「howl(狼の遠吠え=泣き叫ぶ声)」と呼応した意図的な表現。 so much that she don’t wanna hear me howl
嘘ばかりついてきたから、もう彼女は僕の叫びを聞きたくないのだ
[Chorus]
She’s over10over
[前置詞・口語]空間的な「〜の上に」ではなく、「〜にうんざりした・〜はもう終わり」を意味する口語表現。 empty words
彼女はもう空っぽな言葉には飽き飽きしてる
Half-heart apologies
中途半端な謝罪
My broken promises
僕の破った約束
My “don’t give up on11give up on
[句動詞]「〜を諦める・見捨てる」を意味するイディオム。give upだけでなくonが続くことで「ある人への期待を断念する」というニュアンスになる。 me’s”
「見捨てないで」という言葉たち
No goodbye when she left
去り際に別れの言葉もなく
I got what I deserved
自業自得だ
I’m in this empty bed
このがらんとしたベッドに独りでいる
‘Cause she’s over12over
[前置詞・口語]空間的な「〜の上に」ではなく、「〜にうんざりした・〜はもう終わり」を意味する口語表現。 empty words
だって彼女はもう空っぽな言葉には飽き飽きしてるから
She’s over13over
[前置詞・口語]空間的な「〜の上に」ではなく、「〜にうんざりした・〜はもう終わり」を意味する口語表現。 empty words
彼女はもう空っぽな言葉には飽き飽きしてる
Half-hearted apologies
心のこもらない謝罪
My broken promises
守れなかった約束たち
Oh, my “don’t give up on14give up on
[句動詞]「〜を諦める、〜への期待を手放す」という意味のイディオム。 me”s
ああ、何度も口にした「俺を見捨てないで」という言葉たち
No goodbye when she left
彼女が去るとき、別れの言葉もなかった
I got what I deserved
当然の報いを受けたんだ
I’m in this empty bed
この空っぽなベッドにひとりいる
‘Cause she’s over15over
[形・俗語]「be over ~」で「~に愛想を尽かした、~と完全に終わった」を意味する。 empty words
彼女はもう空っぽな言葉に愛想を尽かしたから
Writer(s): Corey Kent, Austin Goodloe, Matt Roy, Joybeth Taylor, Lydia Vaughan
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Empty Words」はどんな曲ですか?
「Empty Words」は、アメリカのカントリーシンガー、コーリー・ケントの楽曲です。彼はTikTokを中心に「Wild As Her」が爆発的に広まり一躍注目を集めたアーティストで、「Empty Words」もその温かみのあるアコースティックなサウンドと正直な歌詞で多くのリスナーの共感を得ました。Billboard Japan Hot 100(2026年10月時点)にもランクインしています。
「talking to the walls」はどういう意味ですか?
直訳すると「壁に向かって話しかけている」ですが、これは英語の日常的な慣用表現で、「相手が全く聞く耳を持たない」「どれだけ話しかけても無駄」という状況を指します。日本語の「馬の耳に念仏」に近いニュアンスです。この曲の文脈では、気持ちを打ち明けようとしても相手に届かないという虚しさ・孤独感を表現しており、タイトル「Empty Words(空虚な言葉)」のテーマと深くリンクしています。
「bend it」はどういう意味ですか?
ここでの「bend it」は「bend the truth(真実を曲げる・ごまかす)」という定番フレーズを短縮した口語表現です。「it」が指すのは「真実」や「言ったこと」で、都合よく事実を歪める、言い訳をする、というニュアンスになります。カントリー曲では約束や誓いを「曲げる」意味で使われることも多く、相手が言葉を誠実に守らない様子を嘆く場面でよく登場します。
「over」はどういう意味ですか?
「over」は「終わった」「もうおしまい」という意味で、恋愛ソングでは関係の終焉を一言で言い切る非常に強い表現です。日本語に訳すと「終わりだ」「もう終わった」に相当します。長い説明をせず「over」の一語で突き放すように締めくくるのは、英語の歌詞ならではの簡潔なインパクトの出し方で、それ以上言葉を重ねないことで逆に感情の重さが伝わってきます。まさに「空虚な言葉」が尽きた瞬間を象徴するワードです。
関連リンク
Empty Words – Corey Kent (Official Video)
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