今回の曲のタイトルは、「The Subway」です。直訳すると、「地下鉄」です。作詞・作曲はChappell RoanとDan Nigroが手がけています。
Chappell Roan(チャペル・ローン)は、アメリカ・ミズーリ州ウィラード出身のシンガーソングライターです。本名はKayleigh Rose Amstutz(ケイリー・ローズ・アムスタッツ)。「The Subway」は、2023年9月22日にアイランド・レコードよりリリースされたデビューアルバム「The Rise and Fall of a Midwest Princess」の収録曲で、長年のコラボレーターであるDan Nigro(ダン・ニグロ)との共作です。同アルバムはBillboard 200で最高4位を記録し、クィアなアイデンティティや切ない恋愛感情を描いたシンセポップ・サウンドが世界中で注目を集めました。「The Subway」は、都市の地下鉄という日常的な空間に宿る密かな憧れと欲望を繊細につづった楽曲です。
【この曲の言葉について】地下鉄という誰もが知る日常的な空間を舞台に、人知れず胸の中で燃え上がる感情が繊細に描かれたこの楽曲では、直訳的な言葉の正確さよりも、その瞬間の心の揺らぎや切なさが伝わるよう、感情に寄り添った訳を意識しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
The Subway – Chappell Roan
[Verse 1]
I saw your green hair, beauty mark1beauty mark
[名・文化語]「魅力を際立たせるほくろ」を指す英語表現。日本語の「ほくろ」または「泣きぼくろ」に相当。 next to your mouth
君の緑の髪、口元のほくろを見た
There, on the subway, I nearly had a breakdown2breakdown
[名・イディオム]原義は「故障」だが、have a breakdownで「精神的に崩れ落ちる・パニック状態になる」を意味するイディオム。
あの地下鉄で、もう少しで崩れ落ちそうだった
A few weeks later, somebody wore your perfume
数週間後、誰かが君と同じ香水をつけていた
It almost killed me, I had to leave the room
死にそうなほどつらくて、その場を離れるしかなかった
[Chorus]
It’s just another day and it’s not over (Ah)
いつもと変わらない一日、まだ終わっちゃいない(アー)
‘Til3‘Til
[接続詞・省略形]”until” の詩的短縮形。「〜するまで(ずっと)」の意。 it’s over, it’s never over
終わるまでは、決して終わらない
It’s just another day and it’s not over (Ah)
いつもと変わらない一日、まだ終わっちゃいない(アー)
‘Til it’s over, it’s never over
終わるまでは、決して終わらない
[Post-Chorus]
‘Til I don’t look for you on the staircase
階段でもうあなたを探さなくなるまで
Or wish you thought that we were still soulmates
あなたにまだ運命の相手だと思っていてほしいと願わなくなるまで
But I’m still counting down all of the days
でも今もまだ、その日まで日々を数えている
‘Til you’re just another girl on the subway
あなたが地下鉄のただの一人の女の子になるまで
[Verse 2]
Made you the villain, evil for just moving on4moving on
[句動詞]「動き続ける」→「(別れの後に)気持ちを切り替えて前へ進む」という意味のイディオム。
あなたを悪者にした、ただ前に進んだだけなのに
I see your shadow, I see it even with the lights off
あなたの影が見える、明かりを消してもまだ見える
I made a promise if in four months, this feeling ain’t gone
約束をした、四ヶ月経ってもこの気持ちが消えなければ
Well, fuck this city, I’m moving to Saskatchewan5Saskatchewan
[固有名詞・地名]カナダ中西部に位置する州。人口が少なく広大な平原が広がる辺境のイメージを持つ。ここでは「こんな街から遠く離れた果てへ行く」という決意・逃避の比喩。
くそったれこの街、サスカチュワンに引っ越してやる
[Chorus]
It’s just another day and it’s not over (Ah)
これはただの一日、まだ終わっていない(ああ)
‘Til it’s over, oh, ‘til it’s over
終わるまでは、ああ、終わるまでは
It’s just another day and it’s not over (Ah)
これはただの一日、まだ終わっていない(ああ)
‘Til it’s over, it’s never over
終わるまでは、決して終わらない
[Post-Chorus]
‘Til I can break routine during foreplay
フォアプレイの最中にいつもの流れを断ち切れるまで
And trust myself that I won’t say your name
あなたの名前を口にしないと自分を信じられるようになるまで
But I’m still counting down all of the days
でも今もまだ、その日に向けて日々を数え続けている
‘Til you’re just another girl on the subway
あなたが地下鉄のただの一人の女の子になるまで
[Outro]
She’s got, she’s got a way6a way
[名詞・慣用句]「have a way」= 独特の魅力・スタイルを持っているという慣用表現。「道」という直訳では意味が通じない。
彼女には、彼女には独特の魅力がある
She’s got a way, she’s got a way
彼女には独特の魅力がある、彼女には独特の魅力がある
And she got, she got away7got away
[句動詞]get away の過去形。「去る・逃げる」の意。直前の「got a way(魅力を持っている)」と音がほぼ同じで、意味が鋭く対比するダジャレ。
そして彼女は、彼女は去ってしまった
She got away, she got away
彼女は去ってしまった、去ってしまった
And she’s got, she’s got a way
そして彼女には、彼女には独特の魅力がある
She’s got a way, she’s got a way
彼女には独特の魅力がある、彼女には独特の魅力がある
And she got, she got away
そして彼女は、彼女は去ってしまった
She got away, she got away
彼女は去ってしまった、去ってしまった
(She’s got, she’s got a way)
(彼女には、彼女には独特の魅力がある)
(She’s got a way, she’s got a way)
(彼女には独特の魅力がある、彼女には独特の魅力がある)
She’s got a way8got a way
[イディオム]「have a way」は「独特の魅力・雰囲気を持つ」という慣用表現。「道を持つ」という直訳ではなく「彼女には何か特別なものがある」を意味する。 (She got, she got away9got away
[句動詞]「get away」の過去形で「立ち去る・逃げ去る」を意味する。直前の「a way(特別な何か)」との言葉遊びにもなっている。)
彼女には特別な何かがある(彼女は…、彼女は去ってしまった)
(She got away, she got away)
(彼女は去ってしまった、去ってしまった)
She’s got, she’s got a way
彼女には、彼女には特別な何かがある
She’s got a way, she’s got a way
彼女には特別な何かがある、彼女には特別な何かがある
And she got, she got away
そして彼女は…、彼女は去ってしまった
She got away, she got away
彼女は去ってしまった、去ってしまった
Writer(s): Chappell Roan, Dan Nigro
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「The Subway」はどんな曲ですか?
「The Subway」は、ミズーリ州出身のシンガーソングライター、チャペル・ロアン(Chappell Roan)によるポップナンバーで、地下鉄という無機質な都市空間を舞台に、はかない出会いや揺れ動く感情をドラマチックに描いた作品です。デビューアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』(2023年)で一躍世界的な注目を集めた彼女は、グラマラスなステージ表現と生々しい感情表現を武器に、SpotifyやApple Musicの各チャートで記録的な再生数を叩き出してきました。本楽曲もそのシネマティックな世界観を存分に受け継ぎ、リリース直後からストリーミングプラットフォームで幅広いリスナーに支持されています。
“beauty mark”はどういう意味ですか?
「beauty mark(ビューティーマーク)」とは、顔や体にある小さなほくろのことで、とくに「色気や個性を引き立てる」とされる位置のほくろを指します。日本語でいえば「泣きぼくろ」や「チャームポイントのほくろ」がもっとも近いニュアンスでしょう。マリリン・モンローの口元のほくろがその代名詞として有名なように、欠点ではなくむしろ魅力の象徴として語られる表現です。歌詞の中では、相手のほんの小さな特徴にまで目が留まってしまうほど夢中になっている、という親密な感情を描くために使われています。
“breakdown”はどういう意味ですか?
「breakdown(ブレイクダウン)」には、大きく二つの意味が重なり合っています。一つ目は、感情や精神が「崩れ落ちる」状態——涙が止まらなくなったり、堪えていた気持ちが一気に溢れ出す瞬間のことで、日本語なら「感情が爆発する」「限界を迎える」というイメージです。二つ目は音楽用語としての意味で、楽曲の緊張が解放されるクライマックスの盛り上がりパートを指します。チャペル・ロアンのように感情の起伏を大切にするアーティストの歌詞では、この二つのニュアンスが意図的に重ねられていることが多いので、文脈全体で読み解くと曲の深みがよりよく伝わってきます。
“‘Til”はどういう意味ですか?
「’Til」は「until(アンティル)」の短縮形で、意味はそのまま「〜するまで」「〜の時まで」です。先頭のアポストロフィ(’)は “un-” の部分が省略されているサインで、発音も意味も until とまったく同じです。たとえば「’Til the end of time(時が終わるまで、永遠に)」のように、歌詞の中で時間的な切なさや決意を表す場面によく登場します。わざわざ短縮するのは、歌のリズムや音節数を整えるためで、ポップスやR&Bの歌詞では非常によく見かける表現です。アポストロフィに気づかず読み飛ばすと意味が取りにくいので、ぜひ頭に入れておいてください。
関連リンク
The Subway – Chappell Roan (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】Pink Pony Club – Chappell Roan
【歌詞和訳】Abracadabra – Lady Gaga
【歌詞和訳】Invincible (from Kaiju No. 8) – OneRepublic
【歌詞和訳】LOVE SONG – Justin Bieber
【歌詞和訳】All Night – Maroon 5