今回の曲のタイトルは、「American Kids」です。直訳すると、「アメリカの子供たち」です。
「American Kids」を歌うケニー・チェズニーは、テネシー州出身のカントリーミュージックのアーティストです。この曲は2014年6月にリードシングルとしてリリースされ、同年9月発売のアルバム『The Big Revival』に収録されています。Billboardの「Hot Country Songs」チャートで見事1位を獲得し、全米で大ヒットを記録しました。作詞・作曲はロドニー・クローソン、ルーク・レアード、シェーン・マクアナリーの3名が手がけており、アメリカの地方の小さな町で育った若者たちの青春と自由をノスタルジックに描いたカントリーソングです。
【直訳のポイント】タイトルの「kids」は「子供たち」と直訳できますが、この曲では特定の世代を懐かしむノスタルジックな表現として使われています。単なる「子供」ではなく、「あの頃のアメリカの若者たち」というニュアンスを込めて訳しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
American Kids – Kenny Chesney
[Verse 1]
Doublewide1Doublewide
[名・文化]米国南部に多い移動式住宅(トレーラーハウス)の一種で、2ユニット分の幅を持つ大型モデル。 Quick Stop midnight T-top2T-top
[名・文化]ルーフの左右パネルを取り外せるタイプの車の屋根。1970〜80年代のアメリカ車に多く見られたスタイル。
ダブルワイドのトレーラーハウス、クイックストップ、真夜中のTトップ
Jack3Jack
[名・俗語]「ジャック・ダニエルズ」(Jack Daniel’s)というアメリカのウイスキーブランドの通称。 in her Cherry Coke town
チェリーコークにジャックを混ぜた、そんな小さな町で
Momma and Daddy put their roots right here
ママとパパはまさにここに根を張った
‘Cause this is where the car broke down
車が壊れたのがここだったから
Yellow dawn school bus kickin’ up4kick up
[句動詞]「蹴り上げる」→「(埃・砂など)を舞い上がらせる」の意。 red dust
夜明けの黄色いスクールバスが赤い土埃を舞い上げ
Pickin’ us up5pick up
[句動詞]「拾い上げる」→「車で迎えに来る・乗せる」の意。 by a barbed wire fence
有刺鉄線のフェンスのそばで私たちを乗せていく
MTV6MTV
[名・文化]Music Television の略。1981年開局のアメリカのケーブル音楽チャンネルで、ミュージックビデオを放映した。 on the RCA7RCA
[名・文化]Radio Corporation of America の略。アメリカの老舗家電・テレビメーカーのブランド名。, no A/C8A/C
[名]Air Conditioning(エアコン・空調)の略称。 in the vents
RCAのテレビでMTVを流し、吹き出し口からエアコンの風も出ない
[Chorus]
We were Jesus saved9saved
[動・宗教用語]キリスト教福音主義の「魂の救済」を指す。”Jesus saved me”は「イエスに救われた」という信仰告白の定型句で、ある種のアメリカ人の生き方を象徴する。 me, blue jean baby
「イエスに救われた」者たち、ブルージーンのベイビー
Born in the USA
アメリカに生まれて
Trailer park10Trailer park
[名・文化]移動式住宅(トレーラーハウス)が集まる住宅地。アメリカの労働者階級・低所得層の暮らしを象徴する場所として知られる。 truck stop, faded little map dots
トレーラーパーク、トラックステーション、地図の上で薄れゆく小さな点
New York to LA
ニューヨークからLAまで
We were teenage dreamin’, front seat leanin’
10代の夢を見ながら、フロントシートにもたれかかって
Baby, come give me a kiss
ベイビー、キスしてくれ
Put me on the cover of the Rolling Stone11Rolling Stone
[固有名詞・文化]1967年創刊のアメリカの著名音楽誌。その表紙を飾ることは、スターとしての成功の頂点を象徴する。
ローリング・ストーン誌の表紙に載せてくれ
Uptown down home12down home
[形・慣用句]アメリカ南部や農村の素朴さ・温かみを表す表現。「田舎育ちの、気取りのない」というニュアンス。 American kids
都会育ちも田舎育ちも、みんなアメリカの子どもたち
Growin’ up in little pink houses
小さなピンクの家で育って
Makin’ out13Makin’ out
[句動詞・俗語]キスや愛撫など、性交には至らない親密な身体的接触を指すスラング。 on living room couches
リビングのソファでいちゃついて
Blowin’14Blowin’
[動・口語]blowingの短縮形。ここでは「(煙草・大麻などの)煙を吐く/燻らせる」の意。 that smoke on a Saturday night
土曜の夜、煙をくゆらせながら
A little messed up15messed up
[句・俗語]「ぐちゃぐちゃになった」→ 酔っている・ハイになっている・気持ちが乱れているなどの状態を指すスラング。, but we’re all alright
少しやらかしてるけど、みんな大丈夫
[Verse 2]
Baptist church16Baptist church
[名・文化]バプテスト派はアメリカ南部に根ざした保守的なプロテスタントの一派。その駐車場は「見つかってはまずいことをする」若者たちの定番の場所として描かれる。 parkin’ lot, tryin’ not to get caught
バプテスト教会の駐車場で、見つからないように息をひそめて
Take her home and give her your jacket
彼女を家まで送って、自分のジャケットを貸してあげる
Makin’ it to second base17second base
[名・俗語]野球の「二塁」→ 性的な進度を段階で表す隠語。一塁=キス、二塁=それ以上の接触、ホームラン=性交という序列の一部。, but sayin’ you went all the way18all the way
[句・俗語]「最後まで」→「性的関係を持った」ことを婉曲に表す慣用句。
二塁どまりのくせに、最後まで行ったなんて吹聴して
Monday afternoon at practice
月曜の午後、練習に向かいながら
Sister’s got a boyfriend Daddy doesn’t like
妹には、父親が気に入らない彼氏がいる
Now he’s sittin’ out back, .30-.3019.30-.30
[名・固有]サーティ・サーティ。30口径弾を使うウィンチェスター系のレバーアクションライフルで、アメリカ南部・農村文化を象徴する銃の代名詞。 in his lap
今、父は裏庭に腰を下ろし、ライフルを膝に乗せている
In the blue bug zapper20bug zapper
[名]紫外線で虫を誘き寄せ電流で殺す電撃殺虫器。アメリカの農村・郊外の屋外に定番の器具で、青白い光を放つ。 light
青い電撃殺虫器の灯りの下で
[Chorus]
We were Jesus saved me, blue jean baby
「イエスに救われた」私たち、ブルージーンズのベイビー
Born in the USA
アメリカに生まれて
Trailer park21Trailer park
[名・文化]移動式住宅(トレーラーハウス)が並ぶ住宅団地。アメリカの労働者階級・低所得層の暮らしを象徴する場所として知られる。 truck stop, faded little map dots
トレーラーパーク、トラックストップ、地図に薄く点在する小さな町
New York to LA
ニューヨークからLAまで
We were teenage dreamin’, front seat leanin’
10代の夢を見ながら、フロントシートに身を傾けて
Baby, come give me a kiss
ベイビー、キスしてくれよ
Put me on the cover of the Rolling Stone22Rolling Stone
[固有名]1967年創刊のアメリカの伝説的音楽・文化誌。表紙を飾ることは一流アーティストとして認められた証とされる。
ローリング・ストーンの表紙に載せてくれ
Uptown down home23down home
[形・イディオム]アメリカ南部や田舎の素朴さ・庶民性を表す表現。ここでは都会的な「アップタウン」と対比し、都会育ちも田舎育ちも含む幅広いアメリカの若者像を示す。 American kids
都会育ちも田舎育ちも、みんなアメリカの子どもたち
Growin’ up in little pink houses
小さなピンクの家で育って
Makin’ out24Makin’ out
[動・俗語]キスや愛撫など恋人同士の親密な行為を指すスラング。「いちゃつく」「ベタベタする」に相当。 on living room couches
リビングのソファでいちゃついて
Blowin’ that smoke on a Saturday night
土曜の夜に煙草をふかして
A little messed up25messed up
[形・俗語]「めちゃくちゃになった」→酔っぱらった・ハイになった状態を表すスラング。, but we’re all alright
少し酔いつぶれてるけど、みんな大丈夫
We were Jesus saved me, blue jean baby
「イエス様に救われた」と口にするような、ブルージーンズの子たち
Born in the USA
アメリカで生まれた
Trailer park26Trailer park
[名・文化]移動式住宅(トレーラーハウス)が並ぶ住宅地。アメリカの労働者階級・低所得者層のコミュニティを象徴する。 truck stop, faded little map dots
トレーラーパーク、トラックストップ、地図にかすかに残る小さな点
New York to LA
ニューヨークからLAまで
We were teenage dreamin’, front seat leanin’
夢見がちな10代で、フロントシートにもたれかかって
Baby, come give me a kiss
ベイビー、キスをくれよ
Put me on the cover of the Rolling Stone27Rolling Stone
[固有名詞・文化]1967年創刊のアメリカの著名音楽・文化誌。表紙を飾ることは成功と名声の頂点を象徴する。
ローリング・ストーンの表紙に載せてくれ
Uptown28Uptown
[名・文化]都市の高級・富裕地区のこと。下の down home と対比し、あらゆる出自のアメリカ人を示す。 down home29down home
[形・イディオム]「故郷に根ざした」→田舎風の、素朴な、農村・南部的なことを指すイディオム。 American kids
都会育ちも田舎育ちも、アメリカのガキども
Growin’ up in little pink houses
小さなピンクの家で育って
Makin’ out30make out
[句動詞]「うまくやる」ではなく「キスをする・体を重ねる」を意味する口語イディオム。 on living room couches
リビングのソファでいちゃついて
Blowin’ that smoke on a Saturday night
土曜の夜にタバコをふかして
A little messed up31messed up
[形・俗語]「散らかった」が転じて「(酒や気分で)少し乱れた状態・羽目を外した」を意味するスラング。, but we’re all alright
少し羽目を外してても、みんな大丈夫さ
Writer(s): Rodney Clawson, Luke Laird, Shane McAnally
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「American Kids」はどんな曲ですか?
「American Kids」は、カントリー界のスーパースター、ケニー・チェズニーが2014年6月にリリースしたシングルで、同年10月発売のアルバム『The Big Revival』からの先行曲です。リリース直後にBillboard「Hot Country Songs」チャートで第1位を獲得し、長期にわたってチャートに居座った夏の大定番アンセムとなりました。アメリカの小さな町で育った子どもたちの青春と郷愁を描いた歌詞が幅広い世代から共感を呼び、Spotifyなどのストリーミングサービスでも今なお安定した再生数を誇る人気曲です。
「Doublewide」はどういう意味ですか?
「Doublewide(ダブルワイド)」とは、アメリカで広く普及しているプレハブ式移動住宅(モービルホーム)の一種で、標準的なシングルワイドの2倍の横幅を持つタイプのことです。アメリカの地方や農村部では比較的安価な住居として親しまれており、ブルーカラー層や労働者階級の家庭に多く見られます。この曲でケニー・チェズニーがこの言葉を使うことで、華やかさとは無縁の、飾らないアメリカの田舎町の日常風景をリアルに描き出しています。日本でいえば、工場の近くにある古い団地や平屋の一軒家のようなイメージに近いかもしれません。
「Jack」はどういう意味ですか?
歌詞に登場する「Jack」は、アメリカを代表するウイスキーブランド「Jack Daniel’s(ジャック・ダニエルズ)」のことを指しています。テネシー州で生産されるこのウイスキーは、カントリーミュージックの文化と切っても切れない関係にあり、パーティーやバーベキュー、ドライブなど、アメリカの若者文化を象徴する定番のお酒です。会話の中では誰もが「Jack」と呼び捨てにするほど日常に溶け込んでおり、この一言だけで「アメリカの若者がはしゃいでいる光景」が目に浮かぶ、非常に文化的な含みを持った言葉です。
「kick up」はどういう意味ですか?
「kick up」は「〜を巻き上げる・引き起こす」という意味を持つ句動詞で、この曲の文脈では「kick up some dust(砂ぼこりを巻き上げる)」のような形で使われています。舗装されていないダートの道をトラックやバイクで走り抜けるときに砂ぼこりが舞い上がる様子から転じて、「騒ぎを起こす」「思いきりはじけて楽しむ」というニュアンスを持つスラング的な表現です。アメリカの田舎町で育った若者たちが、誰に気を遣うこともなく自由に青春を謳歌するイメージを鮮やかに伝えるために使われており、曲全体のエネルギーを体現するフレーズのひとつといえます。
関連リンク
American Kids – Kenny Chesney (Official Video)
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