今回の曲のタイトルは、「Stop Draggin’ My Heart Around」です。直訳すると、「私の心を引きずり回すのをやめて」です。
この曲は、フリートウッド・マックのリード・ボーカリストとして世界的に知られるスティーヴィー・ニックスが、1981年にリリースしたデビュー・ソロアルバム『ベラ・ドナ(Bella Donna)』に収録されたナンバーです。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズをフィーチャーしたロック・デュエットとしてシングルカットされ、ビルボード・ホット100で最高3位を記録する大ヒットとなりました。ハートランド・ロックを基調としたサウンドに乗せて、感情をもて遊ばれた女性の怒りと痛みが力強く歌い上げられています。
【直訳のポイント】タイトルにある「draggin’」は「dragging」の崩した口語表記です。「ずるずると引きずり回す」という具体的な動作のイメージが、感情を弄ばれ傷つけられる主人公の痛みをリアルに浮かび上がらせています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Stop Draggin’ My Heart Around – Stevie Nicks
[Verse 1: Stevie Nicks]
Baby, you come knockin’ on my front door
ベイビー、また玄関のドアをノックしに来たのね
Same old line1line
[名・俗語]「線」ではなく「決まり文句・口説き文句」の意。相手を落とすためや言い訳に使う使い回しのセリフを指す。 you used to use before
また同じ使い古しの決まり文句
I said yeah, well, what am I supposed to do?
ねえ、じゃあ私はどうすればよかったっていうの?
I didn’t know what I was gettin’ into2gettin’ into
[句動詞]get intoの短縮形。「〜に踏み込む・巻き込まれる」という意味のイディオムで、状況や関係への関与を指す。
自分が何に足を踏み入れようとしているか、わかっていなかった
[Chorus: Stevie Nicks & Tom Petty]
So you’ve had a little trouble in town
街でちょっとした問題を抱えてしまったんだね
Now you’re keepin’ some demons3demons
[名・比喩]「悪魔」→ 心の中の暗い衝動や葛藤、抑えきれない欲望を指す比喩表現。 down
今は心の中の悪魔を抑え込もうとしている
Stop draggin’4draggin’
[動・句動詞]drag+ingの短縮形。「引きずる」→ここでは感情的に引っ張り回す・振り回すという意味。 my, stop draggin’ my
やめてくれ、やめてくれ
Stop draggin’ my heart around
私の心をこれ以上引きずり回さないで
[Verse 2: Stevie Nicks]
It’s hard to think about what you’ve wanted
あなたが望んできたものを思うのは辛い
It’s hard to think about what you’ve lost
あなたが失ったものを思うのは辛い
This doesn’t have to be the big get-even5get-even
[句動詞・慣用句]「get even」で「仕返しをする・恨みを晴らす」の意。ここでは名詞として使われ、「大きな報復・復讐」を指す。
これは大きな仕返しである必要はない
This doesn’t have to be anything at all
これはまったく何ものでもなくていい
[Pre-Chorus: Tom Petty]
I know you really wanna tell me goodbye
あなたが本当に別れを告げたいと思っているのはわかってる
I know you really wanna be your own girl6your own girl
[句・表現]「自分だけの女の子」→ 誰にも縛られず、自分自身として自立して生きることを指す表現。
あなたが本当に自分らしく自立したいと思っているのもわかってる
[Chorus: Stevie Nicks & Tom Petty]
Baby, you could never look me in the eye7look me in the eye
[句動詞・慣用]「目を見る」→ 後ろめたさや罪悪感なく「正直に向き合える」という意のイディオム。
ねえ、あなたは決して私の目をまっすぐ見ることができない
Yeah, you buckle8buckle
[動・比喩]本来は「バックルで留める」→ 重圧に「屈する・崩れ落ちる」の意に転じた用法。 with the weight of the word9the word
[名・慣用]「言葉」→ここでは “one’s word”(誓い・約束)を指す。”give one’s word” と同じ用法。
そう、あなたは言葉の重さに屈してしまう
Stop draggin’ my, stop draggin’ my
やめて、引きずるのを、やめて、引きずるのを
Stop draggin’ my heart around10drag … around
[句動詞・慣用]「引きずり回す」→ 感情的に翻弄し続ける・都合よく振り回すことを指すイディオム。
私の心を引きずり回すのはやめて
[Instrumental Interlude]
[Verse 3: Stevie Nicks]
People runnin’ ‘round loose11loose
[形・慣用]「ゆるい」→ 束縛を受けず野放しの状態を示す。”on the loose”(逃走中・解き放たれた)と同根の用法。 in the world
世界中を野放しに駆け回る人々が
Ain’t got nothin’ better to do
他にすることなんてないもんだから
Make a meal of12Make a meal of
[句動詞・慣用句]「〜を食事にする」→「〜を餌食にする・食い物にする」の意。弱い相手を利用・搾取することを指すイディオム。 some bright-eyed kid
無邪気な若者を食い物にして
You need someone lookin’ after you
君には守ってくれる誰かが必要だ
[Pre-Chorus: Tom Petty]
I know you really wanna tell me goodbye
あなたが本当にさよならを告げたいのはわかってる
I know you really wanna be your own girl13your own girl
[名詞句・慣用表現]「自分だけの女の子になる」→ 誰にも縛られず自立して生きることを意味するイディオム。
あなたが本当に自分自身の女でいたいのはわかってる
[Chorus: Stevie Nicks & Tom Petty]
Baby, you could never look me in the eye14look me in the eye
[句動詞・慣用]「目をまっすぐ見る」→後ろめたさや罪悪感から視線を合わせられないことを暗示するイディオム。
ねえ、あなたは私の目をまともに見ることができなかった
Yeah, you buckle15buckle
[動・比喩]本来「バックルが曲がる・外れる」→重圧に屈する・崩れ落ちるという比喩的用法。 with the weight of the word
そう、言葉の重みにあなたは崩れ落ちてしまう
Stop draggin’ my, stop draggin’ my
やめてよ、やめてよ
Stop draggin’ my heart around16drag around
[句動詞・慣用]「引きずり回す」→感情的に振り回す・都合よく相手を引き留め続けることを表すイディオム。
私の心を引きずり回すのはもうやめて
[Outro: Stevie Nicks]
Stop draggin’ my heart around17drag around
[句動詞]「引きずり回す」→ 相手の感情を振り回し、翻弄し続けるという意味のイディオム。
私の心を引きずり回すのをやめて
Stop draggin’ my heart around18drag around
[句動詞]「引きずり回す」→ 相手の感情を振り回し、翻弄し続けるという意味のイディオム。
私の心を引きずり回すのをやめて
Stop draggin’ my heart around19drag around
[句動詞]「引きずり回す」→ 相手の感情を振り回し、翻弄し続けるという意味のイディオム。
私の心を引きずり回すのをやめて
Stop draggin’ my heart around20drag around
[句動詞]「引きずり回す」→ 相手の感情を振り回し、翻弄し続けるという意味のイディオム。
私の心を引きずり回すのをやめて
Writer(s): Mike Campbell, Tom Petty
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Stop Draggin’ My Heart Around」はどんな曲ですか?
この曲は、スティーヴィー・ニックスとトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズによるデュエット曲で、1981年6月にスティーヴィーのデビューソロアルバム『ベラ・ドナ』のリードシングルとしてリリースされました。トム・ペティとマイク・キャンベルが共同で書き下ろしたこの楽曲は、全米ビルボードHot 100で最高3位を記録し、1981年を代表するロック・ヒットのひとつとなっています。現在もSpotifyをはじめとする各ストリーミングサービスで幅広い世代に聴き継がれており、80年代ロックの名曲として不動の地位を誇っています。
「line」はどういう意味ですか?
歌詞に登場する「line」は、ここでは「決まり文句」や「口実」のことを指しています。たとえば”Same old line you used to use before”(以前にも使っていたいつもの口説き文句)というフレーズでは、相手の男性が何度も同じ言い訳や甘い言葉を繰り返している様子が表現されています。日本語でいう「またその手かよ…」というニュアンスに近く、ニックスが相手の誠実さに疑問を抱きながらも心を揺さぶられてしまう複雑な感情が凝縮されたワードです。
「gettin’ into」はどういう意味ですか?
「gettin’ into」は「getting into」の口語的な短縮形で、「〜に足を踏み入れる・巻き込まれる」というイメージの句動詞です。歌詞の”I didn’t know what I was gettin’ into”(自分が何に足を踏み入れようとしているか、わかっていなかった)という一節では、また同じ口説き文句で戻ってきた相手との関係に、深く考えずに足を踏み入れてしまった主人公の後悔がにじんでいます。「get into ~」は日常会話でも「〜にハマる」「〜な状況に巻き込まれる」という意味でよく使われる表現です。
「demons」はどういう意味ですか?
「demons」は文字どおりには「悪魔たち」ですが、歌詞の中では「心の闇」「内なる葛藤」「拭いきれない衝動」を意味する比喩表現として使われています。”Now you’re keepin’ some demons down”(今は心の中の悪魔を抑え込もうとしている)というラインは、街でトラブルを抱えた相手が、自分の中の暗い衝動と必死に向き合っている様子を描いています。英語の歌詞では個人的な苦しみや抑えきれない感情をこのように「demons」と表現するケースがよくあり、覚えておくと他の洋楽を読み解くときにも役立ちます。
関連リンク
Stop Draggin’ My Heart Around – Stevie Nicks (Official Video)
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