今回の曲のタイトルは、「Great Expectation」です。直訳すると、「大いなる期待」です。この曲はオーストラリア出身のシンガーソングライター、SIENNA SPIROが書き下ろした楽曲で、タイトルが示す通り「誰かへの大きな期待」と「それが叶わないかもしれない不安」が交差する、甘くも切ないテーマが込められています。
SIENNA SPIROはオーストラリア出身のポップ/R&Bシンガーで、繊細なボーカルと内省的な歌詞が持ち味のアーティストです。「Great Expectation」はイスラエル系アメリカ人プロデューサーのOmer Fedi(עומר פדי)とアメリカ人ソングライターMichael Pollackとの共作で、Omer FediはMachine Gun KellyやMiley Cyrusなどの大型プロジェクトも手掛ける新世代の売れっ子クリエイターとして知られています。楽曲はベッドルームポップとエモーショナルなポップバラードを融合させたサウンドで、失われゆく関係性の中に芽生える「それでも期待してしまう」という感情を核に据えています。
【こだわり解説】サビの中心フレーズはシンプルな言葉の連なりですが、あえて装飾を加えず原文に忠実に訳しました。余分な修辞を加えると歌詞本来の「静かに燃える切実さ」が薄れてしまうと感じたためです。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Great Expectation – SIENNA SPIRO
[Verse 1]
In my head, you lay down next to me
頭の中では、あなたが私の隣に横たわってる
Kiss my lips, hold me carefully
唇にキスして、そっと抱きしめてくれる
Say goodbye and feel all the withdrawals1withdrawals
[名・比喩]薬物依存の「離脱症状(禁断症状)」から転じ、別れの後に押し寄せる苦しみや喪失感を表す比喩表現。
さよならを告げて、禁断症状のような苦しみを全身で感じる
But it’s not the same, in reality
でも現実は、そうじゃない
I say your name, but you don’t get back to me2get back to me
[句動詞]「〜に返事をする・折り返し連絡する」を意味するイディオム。
あなたの名前を呼んでも、返事はない
Till you got something you need me for
あなたに私への用ができるまでは
[Chorus]
So I sing just to know I’m alive
だから私は歌う、自分が生きていると感じるために
And I cried all the tears I could cry
流せる涙はすべて流した
If happiness is just an illusion
幸せがただの幻想にすぎないなら
You were the best I ever had3had
[動・慣用句]have の過去形。ここでは「所有」ではなく「経験した・共にした」という意味で使われる口語表現。
あなたは私がこれまでに出会った中で最高の存在だった
If you can’t be what I want
あなたが私の望む姿になれないとしても
And the things you say aren’t true
そしてあなたの言葉が真実でないとしても
All I need is the great expectation4expectation
[名]単なる「期待」ではなく、相手の理想像・可能性への深い憧憬や予感を指す。ここでは現実のあなたではなく「あなたであってほしい姿」への思いを表す。 of you
私に必要なのは、あなたへの大いなる期待だけ
Expectation of you
あなたへの期待
[Verse 2]
The tracks5tracks
[名・比喩]「軌道・跡」→ 涙が頬を伝った筋(痕)を指す比喩表現。 of my tears go back6go back
[句動詞]「戻る」ではなく「(時間的に)さかのぼる・ずっと続いている」の意。 for years
涙の痕は何年も前からずっと続いている
When I was young, I’ve always had the fears one would leave
幼い頃から、ずっと誰かに去られてしまう恐怖を抱えていた
So I held on7held on
[句動詞]hold on の過去形。「しがみつく・手放さずにいる」の意。 so long (So long, so long)
だからずっとしがみついていた(ずっと、ずっと)
But to each their own8to each their own
[慣用句]「それぞれのやり方がある・人それぞれだ」という意のイディオム。, you come and go a lot
でも人それぞれ、あなたはよく来ては消えていく
It’s black and white, but I go back and change the plot
白黒はっきりしているのに、戻って筋書きを書き換えてしまう
Just to have ya in the way I want
ただ、自分の思い通りにあなたを手に入れるために
[Chorus]
So I sing just to know I’m alive (I sing so long)
だから私は歌う、ただ自分が生きていると知るために(ずっと歌い続けてきた)
And I cried all the tears I could cry (I cried for you)
そして流せるだけの涙を流した(あなたのために泣いた)
If happiness is just an illusion
もし幸せがただの幻に過ぎないなら
You were the best I ever had
あなたは私がこれまでに経験した中で最高だった
If you can’t be what I want (Be what I want)
あなたが私の望む姿になれないなら(なってほしい姿に)
And the things you say aren’t true (Not true, not true)
あなたが言うことが真実でないなら(真実じゃない、真実じゃない)
All I need is the great expectation of you, oh
私に必要なのは、あなたへの大きな期待だけ、ああ
[Bridge]
Cry my tears and let ‘em dry (Mm, expectation of you)
涙を流して、それが乾くままにして(うん、あなたへの期待)
Cry my tears and testify9testify
[動・ゴスペル]本来「法廷で証言する」意だが、黒人音楽・ゴスペルでは「自分の苦しみや真実を声高に宣言・証言する」という霊的・感情的な意味で用いられる。
涙を流して、その痛みを証言する
You exist inside my mind
あなたは私の心の中に存在している
[Chorus]
You, so, so I sing just to know I’m alive
あなたがいるから、私は歌う——自分がまだ生きていると知るために
And I cried all the tears I could cry (I cried for you)
流せる涙はすべて流した(あなたのために泣いた)
If happiness is just an illusion
幸せがただの幻に過ぎないとしても
You were the best I ever had (Best I had)
あなたは私が今まで経験した中で最高だった(最高だった)
If you can’t be what I want (Be what I want)
あなたが私の望む人になれないなら(その人に)
And the things you say aren’t true (Not true, not true)
あなたの言葉が真実じゃないとしても(真実じゃない、真実じゃない)
All I need is the great expectation of you
私に必要なのは、ただあなたへの大きな期待だけ
[Outro]
All I need is
私に必要なのは
All I need is you
私に必要なのは、ただあなただけ
Writer(s): SIENNA SPIRO, Omer Fedi – עומר פדי, Michael Pollack
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Great Expectation」はどんな曲ですか?
「Great Expectation」は、オーストラリア出身のシンガーソングライター、シエナ・スパイロが手がけたポップ・ソウル系のラブソングです。誰かを失うことへの恐怖と、それでも期待を手放せない複雑な感情を、繊細なボーカルとシンプルなメロディーで描いています。SpotifyやApple Musicなどのストリーミングプラットフォームで注目を集め、特に「失恋プレイリスト」への収録が多く見られる、心に沁みる一曲として親しまれています。
「withdrawals」はどういう意味ですか?
直訳すると「禁断症状」や「離脱症状」のことで、本来は薬物や依存性のある物質をやめたときに体が感じる苦しい反応を指します。歌詞の中では「あなたがいない苦しさは、まるで禁断症状みたい」という比喩として使われています。好きな人への思いを「依存症」に例えるこの表現は、英語圏のポップスやR&Bでよく登場し、恋愛の熱量をリアルに伝えるための鮮烈な言葉選びです。日本語では「あなたがいないと禁断症状が出る」と意訳するとニュアンスが伝わりやすいでしょう。
「get back to me」はどういう意味ですか?
日常英語では「折り返し連絡してね」「返事をくれ」という意味でよく使われるフレーズです。でも歌詞のなかでは、それだけでなく「昔のあなたに戻ってきて」「私のところに帰ってきて」という二重の意味が込められています。返信を待つというシンプルな行為に、戻ってきてほしいという切実な願いが重ねられているわけです。こうした「言葉の二重性」は英語の歌詞の醍醐味で、聴くたびに違う解釈が生まれる奥深さがあります。
「had」はどういう意味ですか?
「had」は「have(持つ・ある)」の過去形で、たった一語でも歌詞では大きな意味を持ちます。”We had something”(私たちには何かがあった)のように使われると、「今はもうない」という喪失感が静かに滲み出ます。現在形の”have”ではなく過去形の”had”にすることで、関係が終わってしまったことを直接語らずに伝えるのです。日本語の「〜だった」に近い感覚ですが、英語では時制の変化だけでこれほどの余韻を生み出せる——シエナ・スパイロはそのシンプルな技法を巧みに使っています。
関連リンク
Great Expectation – SIENNA SPIRO (Official Video)
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