【歌詞和訳】TP – Rod Wave

今回の曲のタイトルは、「TP」です。直訳すると、「トラップ・フォン」です。「TP」とはアメリカのストリートスラングで、違法な売買や秘密の連絡に使われる、追跡されにくい使い捨て携帯電話(バーナーフォン)のことを指します。

Rod Wave(本名:Rodarius Marcell Green)は、1999年フロリダ州セント・ピーターズバーグ出身のラッパー・シンガーです。幼少期から貧困やストリートの現実を肌で経験してきた彼は、その痛みや葛藤を剥き出しの言葉とメロディックなフローで表現するスタイルで注目を集めました。2019年にリリースした「Heart on Ice」でBillboard Hot 100にランクインし全米に名を知らしめると、2021年のアルバム『SoulFly』ではBillboard 200初登場1位を獲得。R&B・トラップ・ソウルを融合させた独自のサウンドで、アメリカン・ラップシーンを代表するアーティストの一人としての地位を確立しています。「TP」は、ストリートで生き抜いた時代の象徴的なアイテムを軸に、過去の自分と向き合うテーマを持つ楽曲です。

【直訳のポイント】「TP」はスラング辞書に載るような一般的な表現ではなく、ストリートに生きた者だけが共有するコードのようなものです。そのため単に「使い捨て携帯」と訳すのではなく、そこに宿る空気感や重みを意識して言葉を選びました。

細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。

※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。

以下、和訳です。


TP – Rod Wave

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[Intro]
Yeah (Turn me up1Turn me up
[句動詞・スタジオ用語]「音量を上げる」→ レコーディング中にエンジニアやDJへ「自分の音をもっと大きくしてくれ」と指示する業界用語。
, 5)

ああ(もっと上げてくれ、5)

Uh, yeah, uh
ああ、そうだ、ああ

And if the life too fast for you (Yeah)
もし人生がお前には速すぎるなら(ああ)

Count a million cash with my eyes closed2with my eyes closed
[慣用句]「目を閉じたまま」→「何の苦もなく・楽々と」を意味するイディオム。ここでは大金を数えることが朝飯前だという自慢を表す。
(Yeah, no)

目を閉じたまま百万ドルを数えられる(ああ、いや)

I can count— yeah (Yeah, no)
俺には数えられる——ああ(ああ、いや)


[Chorus]
And if the life too fast for you
もし人生が速すぎるなら

I’ll give up my past for you
君のために過去を捨てる

If the life too fast for you
もし人生が速すぎるなら

I’ll give up my past, but I’ll never give away my trap phone3trap phone
[名・俗語]麻薬取引の拠点「トラップ」で使われる使い捨てプリペイド携帯。違法取引が発覚しないよう身元を隠すために用いる。
(Yeah, yeah)

過去は捨てる、でも俺のトラップフォンだけは絶対に渡さない(イェ、イェ)

I can count a million cash with my eyes closed4with my eyes closed
[慣用句]「目を閉じたまま」→「楽々と・朝飯前で」の意。何度もやり慣れているほど簡単だという含意を持つ。
(Yeah, yeah)

楽々と100万ドルを数えられる(イェ、イェ)

I can count two million cash with a blindfold
目隠しをしても200万ドルを数えられる

Bae, you real bad5bad
[形・AAVE]通常「悪い」を意味するが、AAVEでは「魅力的・セクシー・最高」の意として用いられる。
from head to toe (Yeah)

ベイブ、頭のてっぺんからつま先まで最高にイカしてる(イェ)

We got great sex just like animals
俺たちは獣のように激しく交わる

If you like rough sex, baby, let me know, yeah
激しいのが好きなら、言ってくれ

Count a million cash with my eyes closed6with my eyes closed
[慣用句]「目を閉じたまま」→「楽々と・朝飯前で」の意。

楽々と100万ドルを数えられる

I can count a million cash, yeah
百万の現金だって数えられる、yeah

Uh-huh, uh, uh
ウン、ウ、ウ

And if the life too fast for you
もし人生がお前には速すぎるなら

I’ll give up my past for you
お前のために俺の過去を捨てよう

I can count a million cash with my eyes closed7with my eyes closed
[熟語]目を閉じたまま → 「朝飯前で・楽々と」を意味する英語イディオム。ここでは「努力なしに百万数えられる」という自信・余裕を表す。

目をつぶっていたって百万の現金を数えられる

I can count two million cash with a blindfold
目隠しをしても二百万の現金を数えられる





[Verse]
I got real hustler8hustler
[名・俗語]「ハッスルする人」→ 街頭で手段を問わず金を稼ぐ人物を指すスラング。
in my DNA

俺のDNAには本物のハスラーが宿っている

Got an eighteen-wheeler9eighteen-wheeler
[名]18本のタイヤを持つ大型セミトラックのこと。大規模な物流・密輸を暗示する表現。
couple hunnid miles away (Yeah)

数百マイル先には大型トラックも待機している(イェー)

Got a real country boy in every motherfuckin’ state (Yeah, yeah)
どの州にも本物の仲間がいる(イェー、イェー)

Just go to Alabama all the way back to the A10the A
[固有名詞・俗語]ジョージア州アトランタ(Atlanta)の通称。南部ヒップホップシーンの中心地。
(Yeah)

アラバマからアトランタまで、どこにでも(イェー)

I’m a hustlin’ motherfucker, I’m addicted to the pape’11pape’
[名・俗語]「paper(紙)」の語末省略形で「現金・金」を指すスラング。

俺は稼ぎ続ける男、金に取り憑かれてる

I might post up12post up
[句動詞・俗語]「陣取る・構える」→ある場所に腰を据えてビジネスを展開することを指すスラング。
in your ghetto, do a thousand in a day

お前の地元に乗り込んで、一日で千ドル稼いでみせる

Knowin’ niggas sellin’ merch the same way you sell an eighth13eighth
[名・俗語]麻薬(主にマリファナ)1/8オンス(約3.5グラム)を指す俗称。

ヤツらが商品を売るやり方はエイスを売るのと同じだとわかってる

Same way you sell an eighth
エイスを売るのと同じやり方で

And I can’t take no orders, dickface, get your shit straight
誰の命令も聞かない、この野郎、しっかりしろ

I got old niggas pissed off, I hold my own weight14hold my own weight
[句動詞・イディオム]「自分の重さを自分で支える」→ 誰の助けも借りず自分の責任を果たすことを指す表現。

年上の連中を怒らせても、俺は自分の足で立つ

You could never be my big dog15big dog
[名・俗語]直訳「大きな犬」→ AAVEで「ボス・頂点に立つ人物」を指すスラング。
, I got my own cake16cake
[名・俗語]直訳「ケーキ」→ ヒップホップ・スラングで「金・富・稼ぎ」を意味する。
, yeah

お前には俺のボスにはなれない、俺には俺の稼ぎがある

Long live my big dog17big dog
[名・俗語]AAVEで「ボス・最も尊敬される人物」を指すスラング。
, watch me from the grave

俺のボスよ、その魂よ永遠に——墓の向こうから俺を見守ってくれ

I got old money stackin’18stackin’
[動・俗語]「stacking(積み重ねる)」の短縮形。ヒップホップ・スラングで金を蓄積し続けることを指す。
, new money on the way

古い金は積み上がり続け、新しい金も入ってくる

I got diamonds in my mouth and tattoos in my face
口にはダイヤ、顔にはタトゥー

I got revenge in my heart, I swear to God that they gon’ pay
心には復讐心がある、神に誓う——あいつらは必ず報いを受ける

I swear to God
神に誓う

Revenge in my heart
心の中に復讐心

Bae19Bae
[名・俗語]英語圏スラングで恋人・最愛の人への呼びかけ。
, come in and love me hard

ベイビー、来て——思いきり愛してくれ


[Chorus]
If the life too fast for you
もし人生のペースが速すぎるなら

I’ll give up my past for you
お前のために過去を捨てよう

If the life too fast for you
もし人生のペースが速すぎるなら

I’ll give up my past, but I’ll never give away my trap phone20trap phone
[名・俗語]ドラッグ取引などの違法ビジネス(「トラップ」)専用に使われる使い捨て携帯電話。AAVEおよびヒップホップ文化から生まれたスラング。

過去は捨てよう、でも俺のトラップフォンだけは絶対に渡さない

I can count a million cash with my eyes closed21eyes closed
[慣用句]「目を閉じたまま」→「楽々と・苦もなく」を意味するイディオム。大金を数えることが造作もないほど慣れていることを示す。

百万ドルの現金でも目を閉じたまま数えられる

I can count two million cash with a blindfold
目隠しをしたままでも二百万ドルを数えられる

We have great sex just like animals
俺たちは獣のように最高のセックスをする

If you like rough sex, baby, let me know
激しいのが好きなら、ベイビー、教えてくれ

Let me know, yeah
教えてくれ、ああ

Count a million cash with my eyes closed
目を閉じたまま百万ドルを数える

I can count two million cash with a blindfold
目隠しをしたまま、200万の現金だって数えられる

Have great sex just like animals
まるで動物みたいに、最高のセックスをしよう

If you like rough sex, baby, let me know
激しいのが好きなら、教えてよ、ベイビー

Count a million cash with my eyes closed
目を閉じたまま、100万の現金を数える

I can count two million cash
200万の現金を数えられる


[Outro]
Yeah, a million cash
ああ、百万ドルの現金

Yeah, a million cash
ああ、百万ドルの現金

Uh, two million cash
うー、二百万ドルの現金

I just burned22burned
[動・俗語]「燃やす」→ 金を湯水のように使い尽くす・豪快に散財することを表すスラング。
three million cash, yeah

三百万ドルの現金を使い尽くした、ああ



Writer(s): GodBlessYrzTrly, Gucceo, Jordjii, Neeko Made This, Rod Wave, T5 (Producer)

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以上です、いかがでしたでしょうか!

以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!

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よくある質問

「TP」はどんな曲ですか?

「TP」は、フロリダ州セントピーターズバーグ出身のラッパー/シンガーRod Wave(ロッド・ウェーブ)による楽曲です。タイトルの「TP」は、歌詞中で繰り返し登場する”trap phone”(トラップフォン=違法な取引に使われる追跡されにくい使い捨て携帯)に由来しています。過去は捨てても手放せないもの=ストリートで生き抜いた自分自身の証として、この携帯電話を象徴的に扱いながら、成功を手にした今も消えない過去との向き合い方を歌った一曲です。

「”Turn me up”」はどういう意味ですか?

直訳すると「音量を上げてくれ」となりますが、これはもともとレコーディングスタジオで使われる業界用語です。アーティストがエンジニアに向かって「ヘッドフォンの自分の声をもっと大きくして」とお願いするシーンを想像するとわかりやすいですね。ただしRod Waveの文脈では、そこから転じて「俺をもっと高く評価してくれ」「俺のテンションを上げてくれ」というニュアンスも含まれています。ストリートで無視されてきた自分の存在を、音楽を通じて世界に認めさせたいという強い意志が込められた表現です。

「”with my eyes closed”」はどういう意味ですか?

「目を閉じたままでも」という意味で、日本語の「目をつぶってでもできる」にほぼ相当する慣用表現です。何かに完全に慣れ親しんでいて、意識しなくても自然とこなせるという状態を指します。Rod Waveがこのフレーズを使う場面では、苦しいストリートの日々を生き抜いてきた経験が体に染み込んでいること、つまり「この世界のルールなら目をつぶっていても分かる」という凄みと自信の表れとして解釈できます。同時に、夢の中でさえ音楽を作り続けるほど没頭しているという意味にも取れる、多層的な表現です。

「”trap phone”」はどういう意味ですか?

「トラップフォン」とは、アメリカのストリートカルチャーにおいて麻薬売買などの非合法ビジネスで使われるプリペイド式の使い捨て携帯電話(いわゆる「バーナーフォン」)のことです。警察の追跡を避けるために頻繁に番号を変えたり、端末ごと捨てたりするため、このような呼び名が定着しました。Rod Waveはセントピーターズバーグの厳しい環境で育ちましたが、”trap phone”という言葉を歌詞に入れることで、自分がどんな現実の中から音楽にたどり着いたかをリスナーに正直に伝えています。美化せず、ありのままの過去を語るのが彼のスタイルです。

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関連リンク

TP – Rod Wave (Official Video)

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