今回の曲のタイトルは、「Sexy Ladies」です。直訳すると、「セクシーな女性たち」です。
リゾ(Lizzo)は、本名メリッサ・ヴィヴィアン・ジェファーソン(Melissa Viviane Jefferson)。1988年4月27日生まれ、ミシガン州デトロイト出身・テキサス州ヒューストン育ちのシンガー・ラッパー・フルート奏者です。2019年リリースのアルバム『Cuz I Love You』でメインストリームに躍り出て、「Truth Hurts」が全米シングルチャート(Billboard Hot 100)で7週連続1位を記録するなど、世界的な注目を集めました。「Sexy Ladies」は、Ricky Reed、Tay Keith、Pop Wanselら実力派プロデューサー陣が手がけ、80年代のファンク・R&Bデュオ「The System」(David Frank、Mic Murphy)の楽曲をサンプリングした、ポップ・ヒップホップ・R&Bが融合したナンバーです。ボディ・ポジティビティとセルフエンパワーメントを一貫したテーマに掲げるリゾが、あらゆる「セクシーな女性たち」に贈る力強いアンセムとなっています。
【直訳のポイント】「Ladies」は単なる「女性たち」(women)よりも品格や自信を帯びたニュアンスを持つため、本訳では文脈に応じて「レディたち」と訳し分け、リゾが込めた誇り高きエンパワーメントの響きを損なわないよう心がけました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Sexy Ladies – Lizzo
[Intro: UCB]
I’ma1I’ma
[助動・AAVE]”I am going to” のAAVE短縮形。「〜するつもりだ」を意味する。 come get you on Saturday (Saturday)
土曜日に迎えに行くよ(土曜日)
I’ma pick you up2pick up
[句動詞]「拾い上げる」→「車で迎えに来る」に転じたイディオム。 on Saturday (Saturday)
土曜日に車で迎えに来るよ(土曜日)
Maybe you could give me some what’s-her-name3what’s-her-name
[句・俗語]名前が思い出せない人を指す口語表現から転じ、ここでは意図的にぼかした何か(性的行為や薬物など)を指す婉曲表現。
ひょっとしたら、あの子のあれをくれるかもな
Hey, hey, hey (Tay Keith4Tay Keith
[固有名詞]アメリカの著名なヒップホップ・プロデューサー。”Tay Keith, fuck these niggas up” は彼のトレードマーク的なプロデューサータグ(ビート冒頭の自己紹介口上)。, fuck these niggas up5fuck these niggas up
[句・AAVE俗語]「ヤツらをやっつけろ」の意。テイ・キースがビート冒頭に叫ぶ定番の掛け声。)
ヘイ、ヘイ、ヘイ(テイ・キース、ヤツらをやっちまえ)
[Chorus: UCB]
Sexy lady (Get your hands up, hey)
セクシーな彼女よ(手を挙げて、ヘイ)
Give me your number (I want everybody to get y’all hands up in the air)
番号を教えてくれ(みんな、手を空に上げてくれ)
You tryna roll with6roll with
[句動詞・AAVE]「一緒に転がる」→「つるむ・行動を共にする」を意味するAAVEスラング。 a nigga7nigga
[名・AAVE]AAVEにおける自己言及的な一人称表現。ここでは「俺・このオレ」の意。, roll with a nigga
俺と一緒につるみたいなら、一緒につるもうぜ
Sexy lady (Get your hands up, hey)
セクシーな彼女よ(手を挙げて、ヘイ)
Give me your number (I want everybody to get y’all hands up in the air)
番号を教えてくれ(みんな、手を空に上げてくれ)
You tryna roll with8roll with
[句動詞・AAVE]「一緒に転がる」→「つるむ・行動を共にする」を意味するAAVEスラング。 a nigga9nigga
[名・AAVE]AAVEにおける自己言及的な一人称表現。ここでは「俺・このオレ」の意。, roll with a nigga
俺と一緒につるみたいなら、一緒につるもうぜ
[Verse 1: Lizzo]
To my bad10bad
[形・AAVE]本来「悪い」だが、AAVEでは「かっこいい・最高な・魅力的な」という正反対の意味で用いられる俗語。 bitches, they could never make me hate ya
最高の仲間たちへ、誰に何を言われても絶対に嫌いになんかならない
They salty11salty
[形・俗語]「塩辛い」→「嫉妬している・苦々しく思っている」を意味するスラング。 fast when you shakin’ ass like a shaker
お前がシェイカーみたいに腰を振れば、あいつらはすぐ嫉妬する
We make ‘em sick, but we really is the echinacea12echinacea
[名・植物]エキナセア。免疫力を高める薬草として知られる。「嫉妬させる(病気にさせる)けど実は治療薬(救い)」という逆説的なメタファー。
あたしたちは見てるだけで妬ませるけど、本当は薬みたいな存在
Hey, you the shit13the shit
[名・俗語]「最高のもの・一番すごいやつ」を意味するAAVEスラング。否定的な「shit」とは異なり、強い賞賛を表す。, girl, don’t let nobody try and change ya
ねえ、あんたは最高なんだよ、誰にも変えさせるな
Love when real bitches win, it do somethin’ to me14do somethin’ to me
[句・慣用]「何かをしてくれる」→「心を動かす・特別な感情を呼び起こす」を意味するイディオム。
リアルな仲間が勝つとき、心が動かされる
I be like, “Twin15Twin
[名・俗語]「双子」が転じて、自分と気が合いすぎる親友への呼びかけ語として使われるスラング。, how you been?” You a sister to me
「ツイン、元気だった?」って声かけるくらい、あんたは私の姉妹みたい
All pink when we link16link
[動・俗語]「繋がる」→「集合する・待ち合わせる」を意味するスラング。 like the Barbie movie17Barbie movie
[固有名詞]2023年公開の映画『バービー』。全編ピンクで統一されたビジュアルが象徴的で、ここではそのピンクの美学を指している。
集まるときはバービー映画みたいに全身ピンク
‘Cept you know we ghetto18ghetto
[形・俗語]「ゲットー出身の」→「庶民的・お金をかけないスタイル」を示す俗語的用法。, so we probably be on Tubi19Tubi
[固有名詞]米国の無料・広告付き動画配信サービス。NetflixなどのPVODと対比し、庶民的なライフスタイルを示唆する。
でもあたしたちはゲットー出身だから、たぶんTubiで観てるけどね
[Pre-Chorus: Lizzo]
‘Bout time
もうその時間だ
Where my favorite bitches20bitches
[名・俗語]本来は侮辱語だが、ヒップホップ文化では親しい女性仲間への呼びかけとして転用される。 from the south side?
サウスサイドの大好きな仲間たち、どこにいる?
Passin’ out21passing out
[句動詞]「気絶する」という意味もあるが、ここでは「配る・手渡す」の意。 tequila, doin’ high fives
テキーラを配って、ハイタッチして
It’s okay to block22block
[動・俗語]SNSや携帯で相手のアカウントや連絡先を遮断すること。 ‘em when you’re outside
外に出てるなら、あいつらブロックしていい
Where’s my little
私のちっちゃな
[Chorus: Lizzo & UCB]
Sexy lady (Get your hands up, hey)
セクシーな女性よ(手を上げて、ヘイ)
Give me your number (I want everybody to get y’all hands up in the air)
番号を教えて(みんな、両手を高く上げてくれ)
You tryna roll with23roll with
[句動詞・AAVE]「一緒に動く」→「つるむ・行動を共にする」を意味するAAVEスラング。 a nigga, roll with a nigga
俺とつるみたいのか、一緒に来いよ
Sexy lady (Uh-huh, uh-huh, get your hands up, hey)
セクシーな女性よ(うんうん、手を上げて、ヘイ)
Give me your number (Uh-huh, uh-huh, I want everybody to get y’all hands up in the air)
番号を教えて(うんうん、みんな、両手を高く上げてくれ)
Yeah, if you sexy and you know it, baby, go ahead and show it, baby (You tryna roll with a nigga, roll with a nigga)
そう、自分がセクシーだとわかってるなら、遠慮せず見せてくれ(俺とつるみたいのか、一緒に来いよ)
[Verse 2: Lizzo]
Cliqued up24Cliqued up
[形・俗語]「clique(仲間グループ)」を動詞化した表現。仲間と固く結束している状態を指すスラング。, you can call me when you alone or
仲間と繋がってる、一人のときはいつでも電話して
When you going through25going through
[句動詞]「通り抜ける」→「つらい状況を経験・耐えている」という意味に転じたイディオム。 the bullshit, I’ma hold you
しんどいことがあるとき、そばにいるから
Girls’ night, put your hair up in some rollers
女子会の夜、ヘアローラーで髪をセットして
Tea time, talkin’ shit26talkin’ shit
[動・俗語]「うわさ話をする」「ガールズトークで盛り上がる」を意味するスラング。悪意というより親しい間柄での気さくなおしゃべりのニュアンス。, girl, what he told you?
おしゃべりタイム、ガールズトーク全開で、で、彼に何て言われたの?
Slide27Slide
[動・俗語]「滑る」→ その場を離れる・悩みを流す、またはこちらに「来る」よう促すAAVEスラング。, put that mess aside, I know he gon’ spin that28spin that
[動・俗語]「回す」→ 事実をねじ曲げる・都合よく話を作り直すことを指すイディオム。
流して、そのゴタゴタは脇に置いといて、あいつはどうせ話をねじ曲げるから
Why would I ever cry, baby? Bitch, I been there
なんで泣かなきゃいけないの?私、もうとっくに経験済みだから
My Venus in Gemini29Venus in Gemini
[固・占星術]出生チャートにおける金星(愛・美・魅力の象徴)の双子座配置。社交的・知的な魅力を持ち、感情に流されにくいとされる。, queen of the unbothered30unbothered
[形・俗語]何事にも動じない・感情的に乱されないクールな態度を指すスラング。
双子座に金星を持つ私、何にも動じない女王
Oh, how I sleep at night31how I sleep at night
[慣用句]「夜どれだけよく眠れるか」→ 後ろめたさや罪悪感が一切なく、自分の行動に迷いがないことを示す表現。 in my satin Gaultier32Gaultier
[固・ブランド]ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)。フランスの高級ファッションブランド。
ああ、サテンのゴルチエを纏って、なんて安らかに眠れること
[Pre-Chorus: Lizzo]
‘Bout time33‘Bout time
[句・俗語]”About time” の口語短縮形。「やっと来た」「待ってました」を意味するイディオム。
やっと来たね
Where my favorite bitches34bitches
[名・俗語]本来は侮蔑語だが、女性同士が親しみを込めて「仲間・子たち」を指す際に使うAAVEスラング。 from the south side?
サウスサイドから来た最高の仲間たちはどこ?
Passin’ out35Passin’ out
[句動詞]「意識を失う」ではなく「配る・手渡す」の意。 tequila, doin’ high fives
テキーラを配りながら、ハイファイブしまくって
It’s okay to block ‘em when you’re outside
外に出てる時は着信をブロックしたって全然いい
Where’s my little36little
[名・俗語]ソロリティ文化で「自分が面倒を見る後輩メンバー」を指す語。転じて「大切にしている年下の友人」の意。
私の子はどこ?
[Chorus: Lizzo & UCB]
Sexy lady (Get your hands up, hey)
セクシーな女性よ(手を挙げろ、ヘイ)
Give me your number (I want everybody to get y’all37y’all
[代・方言]you allの短縮形。南部英語・AAVEで「あなたたち全員」を意味する。 hands up in the air)
電話番号を教えてくれ(みんな手を空高く挙げてくれ)
You tryna roll with38roll with
[句動詞・俗語]「転がる」ではなく「〜と一緒につるむ・行動を共にする」を意味するAAVEスラング。 a nigga39nigga
[名・AAVE]「nigger」から派生した語。黒人同士が仲間への呼びかけや自己言及として用いる表現。ここでは話者自身を指す。, roll with a nigga
俺と一緒につるみたいんだろ、俺とつるもうぜ
Sexy lady (Uh-huh, uh-huh, get your hands up, hey)
セクシーな女性よ(うんうん、うんうん、手を挙げろ、ヘイ)
Give me your number (Uh-huh, uh-huh, I want everybody to get y’all hands up in the air)
電話番号を教えてくれ(うんうん、うんうん、みんな手を空高く挙げてくれ)
Yeah, if you sexy and you know it, baby, go ahead and show it, baby (You tryna roll with a nigga, roll with a nigga)
そうだ、自分がセクシーだってわかってるなら、ベイビー、思い切って見せてくれ、ベイビー(俺と一緒につるみたいんだろ、俺とつるもうぜ)
[Outro: Lizzo & UCB]
Uh, this for all my girls
ねえ、これは私の仲間たち全員へ
Big girls, slim girls
ぽっちゃりな子も、スリムな子も
BBLs40BBLs
[名・俗語]Brazilian Butt Lift(ブラジリアン・バット・リフト)の略。脂肪を臀部に移植する美容整形手術のこと。, naturals41naturals
[名・俗語]整形手術を受けていない、生まれつきの体型の女性を指すスラング。
バット・リフトをした子も、自然体の子も
We gon’ slide42slide
[動・AAVE]「滑る」が転じ、一緒に出かける・場に乗り込むことを意味するAAVEスラング。 (Sexy lady)
みんなで繰り出そう(セクシー・レディ)
Put that mess43mess
[名・俗語]「散らかり」→ 面倒事・ごたごた・ネガティブな状況を指すAAVEスラング。 aside (Get your hands up, hey)
ごたごたは忘れて(手を上げて、ヘイ)
Make him spend that (Give me your number)
彼に金を使わせて(番号を教えて)
We gon’ slide (I want everybody to get y’all hands up in the air)
みんなで繰り出そう(みんな、両手を空高く上げて)
Put that mess aside (You tryna roll with44roll with
[句動詞・俗語]「一緒につるむ・行動を共にする」を意味するAAVEスラング。 a nigga45nigga
[名・AAVE]Black文化内で仲間への呼びかけや自称として用いられる語。, roll with a nigga)
ごたごたは忘れて(一緒につるみたいなら、つるもうぜ)
Make him spend that
彼に金を使わせて
We gon’ slide (Sexy lady)
みんなで繰り出そう(セクシー・レディ)
Put that mess46mess
[名・俗語]本来「散らかった状態」→ここでは「トラブル・面倒事・いざこざ」を指す俗語表現。 aside (Get your hands up, hey)
面倒なことは忘れて(両手を上げて、ヘイ)
Make him spend that (Give me your number)
あいつに金を使わせて(番号を教えてよ)
We gon’ slide47slide
[動・AAVE]「滑る」→「繰り出す・どこかへ向かう」を意味するAAVEスラング。 (I want everybody to get y’all hands up in the air)
みんなで繰り出そう(全員、手を高く上げてくれ)
Put that mess aside (You tryna roll with48roll with
[句動詞・AAVE]「一緒に転がる」→「つるむ・行動を共にする」を意味するAAVEイディオム。 a nigga49nigga
[名・AAVE]AAVE圏内で「男・やつ」を意味する仲間内の呼称。差別語から転じ、同コミュニティ内では親しみを込めて使われる。, roll with a nigga)
面倒なことは置いといて(俺と一緒に来たいなら、来いよ)
We outside50We outside
[句・AAVE]直訳「私たちは外にいる」→「繰り出している・今夜は遊びに出る」を意味するAAVEスラング。
俺たちは今夜飛び出す
Writer(s): Lizzo, Tay Keith, Theron Thomas, Ricky Reed, Pop Wansel, David Frank, Mic Murphy, Eric Curry, Michael Bailey, Rashad Young
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Sexy Ladies」はどんな曲ですか?
「Sexy Ladies」は、アメリカのシンガー・ラッパーであるLizzo(本名:Melissa Viviane Jefferson)によるヒップホップ/ポップ楽曲です。Lizzoはテキサス州ヒューストン出身で、ミネアポリスのアンダーグラウンドシーンで頭角を現し、ボディポジティブ(自分の体をありのまま愛するという考え方)のメッセージと力強いパフォーマンスで世界的な人気を獲得しました。本曲はトラップ系の重低音ビートに乗せ、自信と自己肯定感を全開に表現した一曲で、SpotifyやApple Musicでも多くのリスナーに支持されています。
「”I’ma”」はどういう意味ですか?
「I’ma」は「I am going to(〜するつもりだ/〜するぞ)」を短縮したアメリカ英語のスラングで、特にAfrican American Vernacular English(AAVE)と呼ばれる黒人英語の口語表現です。「I’m gonna」よりもさらにカジュアルで勢いのある言い方です。たとえば歌詞中で「I’ma show you how it’s done」とあれば、「お手本を見せてやるよ」というニュアンスになります。日常会話でもよく耳にするので、ヒップホップやR&Bを聴くうえで覚えておきたい表現のひとつです。
「”pick up”」はどういう意味ですか?
「pick up」は文脈によって意味が大きく変わる多義語です。この曲の歌詞では主に「(電話を)取る・応答する」または「(誰かを)迎えに行く・ナンパする」という意味で使われています。たとえば恋愛的な文脈で「pick you up」と言えば「あなたを迎えに行く」や「あなたに声をかける」というニュアンスになります。さらに「pick up the vibe(雰囲気をつかむ)」のようにエネルギーや調子を上げる意味でも使われるので、前後の歌詞と合わせて読むのがポイントです。
「”Tay Keith”」はどういう意味ですか?
「Tay Keith」は人名で、テネシー州メンフィス出身の人気ヒップホッププロデューサー、Taylor Morrell(テイラー・モレル)のことです。DrakeやBlocBoy JBなど多くのトップアーティストのビートを手がけており、ビートの冒頭に入る「Tay Keith, f*** these n****s up!」というおなじみのプロデューサータグで知られています。歌詞やトラックのクレジットに彼の名前が登場するときは、「このビートはTay Keithが作った」というサインであり、そのトラップ特有の重くて激しいサウンドを聴き手に予告するようなものです。
関連リンク
Sexy Ladies – Lizzo (Official Video)
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