今回の曲のタイトルは、「Hound Dog」です。直訳すると、「猟犬」です。
「Hound Dog」は1956年7月13日にエルヴィス・プレスリーがリリースしたシングルで、作詞・作曲はジェリー・ライバーとマイク・ストーラーのコンビによるものです。もともとは1952年にビッグ・ママ・ソーントンが発表した楽曲のカバーですが、エルヴィス版はリリース直後から爆発的なヒットを記録し、ビルボードの主要3チャート(ベストセラー、最多ジョッキー再生、最多ジュークボックス再生)で同時に1位を獲得。ベストセラー・チャートでは11週連続首位をキープするという記録的なロングランを達成しました。ジャンルはロックンロールおよびリズム・アンド・ブルースで、歌詞は浮気性で役立たずな恋人を「猟犬」に見立て、痛烈に罵倒するという挑発的な内容となっています。
【直訳のポイント】タイトルの”hound dog”は「猟犬」が直訳ですが、歌詞では不誠実な恋人への侮蔑的な比喩として機能しています。和訳ではそのニュアンスを損なわないよう「猟犬」という直訳語をそのまま採用しました。また、”ain’t nothing but”は英語の二重否定で「〜にすぎない」という強調を表しています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Hound Dog – Elvis Presley
[Chorus]
You ain’t nothin’ but a hound dog1hound dog
[名・俗語]猟犬が本来の意味だが、ここでは「だらしない奴」「役立たず」を指すアメリカ南部スラング。
あんたなんて、ただの負け犬だ
Cryin’ all the time
しょっちゅう泣き喚いてばかり
You ain’t nothin’ but a hound dog2hound dog
[名・俗語]猟犬が本来の意味だが、ここでは「だらしない奴」「役立たず」を指すアメリカ南部スラング。
あんたなんて、ただの負け犬だ
Cryin’ all the time
しょっちゅう泣き喚いてばかり
Well, you ain’t never3ain’t never
[二重否定・AAVE]標準英語では二重否定は肯定を意味するが、AAVEや南部方言では否定を強める慣用表現。「一度も〜ない」の意。 caught a rabbit
あんたは一度だってウサギを捕まえたことがない
And you ain’t no friend of mine
そしてあんたは私の友達でもない
[Verse]
Well, they said you was high-classed
まあ、お前は上流だと言われていたな
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だった
Yeah, they said you was high-classed
そうさ、お前は上流だと言われていたな
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だった
Yeah, you ain’t never caught a rabbit4caught a rabbit
[慣用句・文化的背景]猟犬(hound dog)の本来の仕事はウサギを追って捕まえること。「一度も捕まえたことがない」=まったくの役立たず、という意味で使われている。
そうさ、お前はウサギ一匹捕まえたことがない
And you ain’t no friend of mine
俺の友達でも何でもない
[Chorus]
You ain’t nothin’ but a hound dog5hound dog
[名・俗語]本来は猟犬の意。AAVEでは転じて「役立たず」「だらしない奴」を指す侮辱語。
お前はただの役立たずだ
Cryin’ all the time
いつでも泣きわめいてばかりで
You ain’t nothin’ but a hound dog6hound dog
[名・俗語]本来は猟犬の意。AAVEでは転じて「役立たず」「だらしない奴」を指す侮辱語。
お前はただの役立たずだ
Cryin’ all the time
いつでも泣きわめいてばかりで
Well, you ain’t never caught7caught
[動・不規則過去形]catch(捕まえる)の過去形。 a rabbit
ウサギ一匹だって捕まえたことがない
And you ain’t no friend of mine
お前は俺の友達でも何でもない
[Guitar Solo]
Ahh, ahh
アー、アー
Ahh, ahh
アー、アー
[Verse]
Well, they said you was high-classed8high-classed
[形・口語]「上流階級の、洗練された」を意味する複合形容詞。標準英語では high-class。
ああ、みんなはあんたが上流だと言っていた
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だった
Yeah, they said you was high-classed
そうさ、あんたが上流だと言っていた
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だった
Well, you ain’t never caught a rabbit
お前はウサギひとつ捕まえたことがない
And you ain’t no friend of mine
だからお前は俺の友達でもない
[Guitar Solo]
Ahh, ahh
アー、アー
Ahh, ahh
アー、アー
[Verse]
Well, they said you was high-classed
ねえ、あんたが上流階級だって言われてたよ
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だったさ
You know, they said you was high-classed
そうさ、あんたが上流階級だって言われてたよ
Well, that was just a lie
でも、それはただの嘘だったさ
Yeah, you ain’t never9ain’t never
[副・AAVE]二重否定だが、AAVEでは否定を強調する用法。標準英語の「have never」に相当し、「一度も〜ない」を意味する。 caught a rabbit
ウサギ一匹捕まえたこともないくせに
And you ain’t no friend of mine
あんたは俺の友達でも何でもない
[Chorus]
You ain’t nothin’ but a hound dog10hound dog
[名・俗語]元は「猟犬」の意。ここでは役立たず・品のない人間を指す侮辱的な呼び方として使われる。
お前はただの負け犬に過ぎない
Cryin’ all the time
いつも泣き喚いてばかりで
You ain’t nothin’ but a hound dog11hound dog
[名・俗語]元は「猟犬」の意。ここでは役立たず・品のない人間を指す侮辱的な呼び方として使われる。
お前はただの負け犬に過ぎない
Cryin’ all the time
いつも泣き喚いてばかりで
Well, you ain’t never caught a rabbit
ウサギ一匹捕まえたこともないくせに
You ain’t no friend of mine
お前は俺の友達でも何でもない
Writer(s): Jerry Leiber, Mike Stoller, Leiber-Stoller
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Hound Dog」はどんな曲ですか?
「Hound Dog」は、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが1952年に作詞・作曲し、翌1953年にビッグ・ママ・ソーントンが初めてレコーディングしたR&Bナンバーです。エルヴィス・プレスリーが1956年に発表したカバーバージョンは「Don’t Be Cruel」との両A面シングルとしてリリースされ、ポップ・カントリー・R&Bの3部門チャートで同時に1位を獲得するという前人未踏の快挙を成し遂げました。その人気は現在も衰えず、Spotifyでは数億回を超えるストリーミング再生を記録し、ロックンロール史上最も象徴的な楽曲のひとつとして今なお世界中で親しまれています。
「”hound dog”」はどういう意味ですか?
「hound dog(ハウンド・ドッグ)」とは、もともと嗅覚を頼りに獲物を追う猟犬の総称で、ビーグルやブラッドハウンドなどが代表的な犬種です。ただしこの歌詞では動物を指しているのではなく、相手への強烈な侮辱として使われています。アメリカ南部のスラングで「役立たず」「だらしない人間」「うそつき」といったニュアンスを持ち、「あなたはまるで使い物にならない猟犬みたいだ」と相手をバッサリ切り捨てる表現です。歌全体の怒りと軽蔑のトーンはまさにここから始まっています。
「”ain’t nothin’ but”」はどういう意味ですか?
冒頭の「You ain’t nothin’ but a hound dog」を標準的な英語に直すと「You are nothing but a hound dog(あなたはただの役立たずの犬に過ぎない)」となります。「ain’t」は「am not / is not / are not」を、「nothin’」は「nothing」の語末のgを省いたくだけた発音で、ブルースやロックンロールでは定番の口語表現です。否定語を重ねながら「本当に何の値打ちもない」という怒りをストレートにぶつける一文で、シンプルな言葉だからこそかえって破壊力があります。
「”ain’t never”」はどういう意味ですか?
「You ain’t never caught a rabbit and you ain’t no friend of mine」に登場する「ain’t never」は、二重否定(double negative)と呼ばれる口語表現です。標準英文法では「You have never caught a rabbit(あなたはウサギを一度も捕まえたことがない)」となりますが、アメリカ南部の方言やブルースの歌詞では、否定語をふたつ重ねることで否定の意味をさらに強調するのが一般的です。「一度だってウサギすら捕まえられない=まったくの役立たず」という皮肉を込めており、「あなたは見かけ倒しの偽物だ」という曲全体のテーマをぎゅっと凝縮した締めのフレーズになっています。
関連リンク
Hound Dog – Elvis Presley (Official Video)
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