今回の曲のタイトルは、「Fortunate Son」です。直訳すると、「幸運な息子」です。
Creedence Clearwater Revival(CCR)は、カリフォルニア州エル・セリートを拠点に結成されたロック・バンドです。「Fortunate Son」は1969年11月に「Down on the Corner」との両A面シングルとしてリリースされ、同年発表のアルバム『Willy and the Poor Boys』に収録されました。このシングルはBillboard Hot 100で最高3位を記録しています。ジョン・フォガティが書いたこの曲は、ベトナム戦争の時代に上院議員や富裕層の息子たちが徴兵を逃れていた社会的不平等を痛烈に批判した、スワンプ・ロック調のプロテスト・ソングです。
【こだわり解説】サビで繰り返される「fortunate」は多くのサイトで単に「幸運な」と訳されがちだが、当ブログでは辞書通りの意味を軸に「恵まれた」という訳語を採用した。裕福な家庭に生まれ、徴兵や苦労を免れる特権的な立場を指すニュアンスを込め、単なる「運が良い」以上の社会的な意味合いを正確に伝えることを意識している。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Fortunate Son – Creedence Clearwater Revival
[Verse 1]
Some folks are born made to wave the flag
旗を振るために生まれてきた者たちがいる
Ooh, they’re red, white and blue1red, white and blue
[文化的表現]アメリカ国旗の赤・白・青のこと。「生粋の愛国者・体制側の人間」を指す慣用的表現。
ああ、彼らはまさにアメリカの申し子だ
And when the band plays “Hail to the Chief”2Hail to the Chief
[固有名詞]米国大統領が公式の場に入場する際に演奏される公式曲。ここでは権力・大統領制の象徴として用いられている。
そして楽団が「ヘイル・トゥ・ザ・チーフ」を演奏するとき
Ooh, they point the cannon3cannon
[名詞・比喩]文字通りの「大砲」だが、ここでは権力者が一般市民を戦場へ送り込む、徴兵・国家暴力の比喩として用いられている。 at you, Lord
ああ、奴らはお前に砲口を向けてくる、主よ
[Chorus]
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no senator’s son, son4son
[名・俗語]呼びかけの語。直前の「senator’s son(息子)」とは別に、「な」「よ」に相当する気軽な呼びかけとして使われるAAVE由来の表現。
俺は上院議員の息子なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, no
俺は恵まれた者なんかじゃない
[Verse 2]
Some folks are born silver spoon5silver spoon
[名・慣用句]”born with a silver spoon in one’s mouth”(銀のスプーンをくわえて生まれる)から。裕福な家庭に生まれついていることを意味するイディオム。 in hand
銀のスプーンを手に生まれてくる者たちがいる
Lord, don’t they help themselves6help themselves
[句動詞]「自分の取り分を取る・自分の利益をちゃっかりせしめる」という慣用的な意味。特権階級が抜け目なく自分の得になることをする様子を皮肉った表現。, no
ああ、奴らはしっかり自分の利益をかすめ取る
But when the taxman come to the door
だが税務署が戸口にやってくると
Lord, the house lookin’ like a rummage sale7rummage sale
[名・文化]不用品をまとめて売る即売会(蚤の市・バザーに近いもの)。ここでは課税を逃れようと財産を急いで隠した結果、家の中が散乱している様子を指す。, yeah
ああ、家の中はまるで不用品セールみたいだ
[Chorus]
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no millionaire’s son, no, no
俺は億万長者の息子じゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one8fortunate one
[名詞句・文化的含意]「幸運な者」→ ここでは徴兵や社会的苦難を免れる特権的な立場に生まれた者を指す。ベトナム戦争時代の徴兵忌避と階級格差を批判した反戦歌としての文脈を持つ。, no
俺は恵まれた側の人間じゃない
[Instrumental Break]
[Verse 3]
Yeah, some folks inherit star-spangled9star-spangled
[形・文化語]「星で飾られた」→ 米国国歌・国旗 The Star-Spangled Banner(星条旗)に由来する表現。ここでは盲目的な愛国心に染まった視点を象徴する。 eyes
そう、生まれながらに星条旗の目を受け継ぐ者たちがいる
Ooh, they send you down to war, Lord
ああ、奴らはお前を戦場へと送り込む
And when you ask ‘em, “How much should we give?”
「どれだけ捧げればいいんだ?」と問いかけても
Ooh, they only answer, “More, more, more, more”
ああ、奴らはただ「もっと、もっと、もっと、もっと」と答えるだけ
[Chorus]
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t10ain’t
[口語・AAVE]am/is/are notの短縮形。続く「no」と合わさり、AAVEでは強調的な否定(「まったく~ではない」)を表す二重否定構文。 no military son11military son
[名詞句・文化]軍人・高官の息子。ベトナム戦争時代、権力者の子息は徴兵を免れる特権を持っていたことへの言及。, son, Lord
俺は軍人の息子なんかじゃない、なあ、神様
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one12fortunate one
[名詞句・社会]「幸運に恵まれた者」→兵役を免れるような富と権力を持つ特権階級の人物を指す。, one
俺は恵まれた者なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, no, no, no
俺は恵まれた者なんかじゃない、違う、違う、違う
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate son, no, no, no
俺は恵まれた息子なんかじゃない、違う、違う、違う
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
Writer(s): John Fogerty
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Fortunate Son」はどんな曲ですか?
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)が1969年にリリースしたプロテスト・ロックの名曲で、ベトナム戦争時代の不公平な徴兵制度を痛烈に批判した内容です。シングルとして全米ビルボード・ホット100で最高14位を記録し、今日でもそのメッセージ性の強さから色あせることなく、Spotifyでは累計10億回再生を超えるストリーミングを誇っています。映画やドラマで繰り返し使われるなど、アメリカの「時代の声」を代表する一曲として現在も広く親しまれています。
「Hail to the Chief」はどういう意味ですか?
「Hail to the Chief(チーフに敬礼を)」は、アメリカ大統領が公式の場に入場する際に必ず演奏される儀礼的な行進曲の曲名です。日本で言えば、天皇陛下のお出ましを告げるファンファーレのようなイメージに近いでしょう。歌詞の中でこのフレーズが登場するのは意図的で、「権力者たちが勇ましい音楽で祝われている一方、庶民の息子たちは戦場に送り込まれる」という皮肉なコントラストを表現しています。
「cannon(キャノン)」はどういう意味ですか?
「cannon」は直訳すると「大砲」ですが、この曲の文脈では単なる武器以上の意味を持っています。歌詞で「they point the cannon at you(お前に大砲が向けられる)」と歌われるとき、それは国家権力が一般市民の若者たちを戦争という危険な場所へ強制的に向かわせるという構図を象徴しています。つまり「大砲」は、特権階級を守るために使われる国家の暴力装置そのものの比喩として機能しているのです。
タイトルの「son(息子)」はどういう意味ですか?
「Fortunate Son(恵まれた息子)」の「son」は、政治家や富裕層の「息子たち」を指しています。当時のアメリカでは、大学進学や医師の診断書などを利用して徴兵を逃れられる抜け道があり、それを使えたのは主に裕福な家庭の子弟でした。一方、貧しい家庭の息子たちはそのまま戦地へ送られました。ジョン・フォガティはこの不平等に怒りを感じてこの曲を書いたと語っており、「自分はfortunate son(恵まれた息子)じゃない」という叫びがこの曲の核心です。
関連リンク
Fortunate Son – Creedence Clearwater Revival (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】International Love – Pitbull ft. Chris Brown
【歌詞和訳】Dance with Me – Orleans
【歌詞和訳】On The Floor – Jennifer Lopez ft. Pitbull
【歌詞和訳】That’s the Way (I Like It) – KC & The Sunshine Band
【歌詞和訳】Sweet Home Alabama – Lynyrd Skynyrd