今回の曲のタイトルは、「SUGAR」です。直訳すると、「砂糖」です。
BROCKHAMPTONは、テキサス州サン・マルコス出身のアメリカのヒップホップ・コレクティブ(ボーイバンド)です。「SUGAR」は、2019年8月23日にリリースされた5thアルバム『GINGER』に収録されており、同年11月にシングルとしても発売されました。Ryan Beattyがコーラスをフィーチャーしており、グループ初のBillboard Hot 100入りを果たした楽曲で、最高66位を記録、後にプラチナ認定も獲得しています。オルタナティブR&Bとヒップホップを融合させたサウンドに乗せて、愛する人への甘い憧れや切ない感情が綴られています。
【直訳のポイント】タイトルの”sugar”は「砂糖」が直訳ですが、この曲では愛する相手への甘い感情や恋焦がれる気持ちを象徴する言葉として使われています。日本語でも「甘い」という言葉に恋愛的なニュアンスがあるため、そのニュアンスを活かして訳すよう心がけました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
SUGAR – BROCKHAMPTON
[Chorus: Ryan Beatty]
Spendin’ all my nights alone, waitin’ for you to call me
毎晩ひとりで過ごしながら、あなたからの電話を待ってる
You’re the only one I want by my side when I fall asleep
眠りにつくとき、そばにいてほしいのはあなただけ
Tell me what I’m waitin’ for, tell me what I’m waitin’ for
何を待ってるのか教えてくれ、何を待ってるのか教えてくれ
I know it’s hard but we need each other
難しいのはわかってる、でも僕たちには互いが必要だ
Know it’s hard but we need each other
難しいのはわかってる、でも僕たちには互いが必要だ
[Verse 1: Dom McLennon]
I move mountains1move mountains
[句動詞・慣用句]「山を動かす」→「不可能なことをやり遂げる」を意味するイディオム。 on my own, don’t need nobody help
自分ひとりで山を動かせる、誰の助けも要らない
Changed your mind when I changed my life, better start believin’ in myself
俺が人生を変えたらお前も考えを変えた、そろそろ自分を信じ始めなきゃ
And we all out lookin’ for, lookin’ for God so we never see it in ourself
みんな神を探し求めて、自分の中にあるそれに気づかずにいる
Shit, divine intervention move in stealth
くそ、神の介入はひっそりと動く
It’s hard to tell what the prayer compelled
祈りが何をもたらしたのか、知る術もない
You can find me dancin’ in between the raindrops2dancin’ in between the raindrops
[慣用表現]「雨粒の間を踊る」→ 痛みや困難をすり抜けながら生き延びることを示すメタファー。
雨粒の隙間を縫うように踊る俺を見つけてくれ
Tryna find a way to make the pain stop
この痛みを止める方法を探し続けている
Overtime, on the graveyard3graveyard
[名・俗語]「graveyard shift」の略。深夜から早朝にかけての労働シフトを指す。
残業、深夜シフトで
Got a nigga4got a nigga
[AAVE]「got me」に相当する一人称的用法。「自分を〜な気分にさせる」という意味。 feeling brainwashed
洗脳されたような気分にさせやがる
My instability’s trademark
俺のトレードマークは不安定さ
Copy-written5Copy-written
[形・造語]「copyright(著作権で縛る)」と「copy(台本)+written(書かれた)」を掛けた造語。自分の決断がすべて他者に書かれた台本のように、自由のない状態を表す。 in all my decisions
俺のすべての決断は誰かに書かれた台本のようだ
This is not supposed to be a way of livin’
こんな生き方、本来あるべき姿じゃない
Turned my temple6temple
[名・比喩]「神殿」→ 英語圏の慣用表現「body is a temple(体は神聖な神殿)」に由来し、自分の肉体・精神・魂そのものを指す。 down into a prison, shit
聖なる神殿を牢獄に変えてしまった、くそ
[Chorus: Ryan Beatty]
Spendin’ all my nights alone, waitin’ for you to call me
毎晩ひとりで過ごし、あなたからの電話を待っている
You’re the only one I want by my side when I fall asleep7fall asleep
[句動詞]「fall(落ちる)+ asleep(眠って)」で「眠りにつく」を意味するイディオム。
眠りにつくとき、そばにいてほしいのはあなただけ
Tell me what I’m waitin’ for, tell me what I’m waitin’ for
何を待っているのか教えて、何を待っているのか教えて
I know it’s hard but we need each other
難しいとわかってる、でもお互いが必要なんだ
Know it’s hard but we need each other
難しいとわかってる、それでもお互いが必要なんだ
[Verse 2: Matt Champion]
Yeah, back on Vincent8Vincent
[固有名詞]地元の通り名(ヴィンセント・ストリートなど)を指す。 with the braces on
ああ、矯正器具をつけたままヴィンセントに戻ってた
Used to slide9slide
[動・俗語]「滑る」→こっそりその場を抜け出すことを表すAAVEスラング。 out the back without the neighbors knowin’
近所に気づかれないよう、裏からこっそり抜け出してたんだ
Pose for the picture with the pearly whites10pearly whites
[名・慣用句]「真珠のように白いもの」→白く輝く歯を指すイディオム。
真っ白な歯を見せて、カメラの前でポーズを決める
Dead11Dead
[副・AAVE]強意語として「完全に・まさに」を意味する用法。 lens zoomin’ in, catchin’ all my strikes12strikes
[名・俗語]strike a pose(ポーズを決める)に由来し、決めポーズ・立ち姿を指す。
レンズがぐっとズームして、俺のポーズを余すことなく捉えていく
Used to trade Jordan13Jordan
[固有名詞]ナイキの「エアジョーダン」シリーズのスニーカーを指す。 for some molly14molly
[名・俗語]MDMA(合成麻薬エクスタシー)の俗称。
ジョーダンをモリーと引き換えにしてたんだ
And she gave me all I need for the night, forties15forties
[名・俗語]40オンス(約1.2リットル)入りのマルトリカー瓶を指すアメリカのスラング。 suffice
彼女は夜に必要なものを全部くれた、40オンスのビールさえあれば十分
Morally alright, but I need some advice
道徳的にはまあ問題ない、でも少しアドバイスが欲しい
And I know that I’m actin’ foolish
自分でもバカなことをしてるってわかってる
Chris would pick me up16pick me up
[句動詞]「拾い上げる」→「車で迎えに来る」を意味するイディオム。 around noon-ish17noon-ish
[副・口語]noon(正午)に接尾辞 -ish を付け「だいたい正午頃」を表す口語表現。
クリスが昼ごろ迎えに来てくれる
Half a blunt18blunt
[名・俗語]葉巻の葉でマリファナを巻いたものを指すスラング。, yeah, we coolin’19coolin’
[動・俗語]「冷える」→「くつろぐ・まったりする」を意味するAAVEスラング(cooling)。
ブラントを半分やりながら、まったりくつろいでる
Twist it up20twist up
[句動詞・俗語]マリファナのブラント(葉巻型の巻きたばこ)をねじって巻き上げる動作を指すスラング。, puttin’ on21put on
[句動詞]音楽を「かける・再生する」という意味の句動詞。 OutKast
ブラントをひとひねり、アウトキャストをかけながら
Hunnid22Hunnid
[名・AAVE]”hundred”(100)のAAVE表記。ここでは華氏100度(約38℃)のテキサスの猛暑を指す。, Texas heat, and yeah, we cruisin’
華氏100度、テキサスの熱波、そう、俺たちは流してる
[Pre-Chorus: bearface]
But when I love you right23right
[副・慣用]ここでの “right” は副詞で「ちゃんと・相手が望む形で」の意。「love you right」で「あなたにふさわしい愛し方をする」というニュアンス。, I love you right
でも、ちゃんと愛するとき、本当にちゃんと愛してる
All by yourself
ひとりぼっちで
But I’ll make it bright, baby, I want you to know
でも明るくしてみせるよ、ベイビー、わかっていてほしいんだ
I’ma24I’ma
[口・AAVE]「I’m going to」の短縮形。アフリカ系アメリカ人英語(AAVE)特有の口語表現。 be there for you25be there for you
[句動詞・慣用]直訳「そこにいる」→「いつもそばで支える・味方でいる」というイディオム。, I’ma make you see that
ずっとそばで支えるから、それをわかってほしい
I want you, I want you
君が欲しい、君が欲しい
[Chorus: Ryan Beatty]
Spendin’ all my nights alone, waitin’ for you to call me
毎晩ひとりで過ごして、あなたからの電話を待ち続けている
You’re the only one I want by my side when I fall asleep26fall asleep
[句動詞]「落ちる」→「眠りに落ちる・寝入る」を意味するイディオム。
眠りにつくとき、そばにいてほしいのはあなただけ
Tell me what I’m waitin’ for, tell me what I’m waitin’ for
何を待っているのか教えてくれ、何を待っているのか教えてくれ
I know it’s hard but we need each other
辛いのはわかってる、でも私たちはお互いを必要としている
Know it’s hard but we need each other
辛いとわかってる、でもお互いが必要なんだ
[Bridge: Kevin Abstract]
Back and forth
行ったり来たり
I’ll take that if that’s all you askin’ for
それだけを求めるなら、それでいい
With my legs up on the dashboard
ダッシュボードに脚を乗せながら
Only thing in my pocket is my passport, pa-passport
ポケットにあるのはパスポートだけ、パ・パスポート
Back and forth
行ったり来たり
I’ll take that if that’s all you askin’ for
それだけを求めるなら、それでいい
With my legs up on the dashboard
ダッシュボードに脚を乗せながら
Only thing in my pocket is my passport, pa-passport
ポケットにあるのはパスポートだけ、パ・パスポート
Back and forth
行ったり来たり
I’ll take that if that’s all you askin’ for
それだけを求めるなら、それでいい
With my legs up on the dashboard
足をダッシュボードに乗せて
Only thing in my pocket is my passport, pa-passport
ポケットの中にあるのはパスポートだけ、パ・パスポート
[Outro: bearface]
So, do you love me, love me, love me?
ねえ、私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me, love me?
私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me, love me?
私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me? Oh
私を愛してる、愛してる?ああ
Do you love me, love me, love me?
私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me, love me?
私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me, love me?
私を愛してる、愛してる、愛してる?
Do you love me, love me? Oh
私を愛してる、愛してる?ああ
Writer(s): Chuks Chiejine, Romil Hemnani, Kevin Abstract, Jabari Manwa, Dom McLennon, Ciarán, Ryan Beatty, Matt Champion
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「SUGAR」はどんな曲ですか?
「SUGAR」は、アメリカのヒップホップ・ボーイバンド BROCKHAMPTONが2019年8月23日にリリースしたアルバム『GINGER』に収録された楽曲で、同年11月にシングルとしても発売されました。Ryan Beattyをフィーチャーしたこの楽曲は、グループのそれまでのエネルギッシュなサウンドとは異なり、甘くメロウなR&Bテイストが際立つ作品です。BROCKHAMPTON初のBillboard Hot 100入りを果たし最高66位を記録、後にプラチナ認定も獲得するなど、グループの代表曲のひとつとなりました。
「”move mountains”」はどういう意味ですか?
直訳すると「山を動かす」ですが、これは英語の定番イディオムで、「どんなに不可能に見えることでも成し遂げる」という強い意志や献身を表します。この曲の文脈では、大切な相手に対して「あなたのためなら何だってできる」という、愛情のあふれる誓いのような意味合いで使われています。日本語でいえば「あなたのためなら山だって動かしてみせる」「どんな壁も乗り越えられる」といったニュアンスで受け取ると、歌詞の熱量がより伝わってくるはずです。
「”dancin’ in between the raindrops”」はどういう意味ですか?
「雨粒と雨粒の間を踊る」という詩的な表現で、人生の試練や悲しみをうまくかわしながら、それでも軽やかに前へ進もうとする姿を描いています。英語の歌詞では「雨(rain)」が困難・涙・憂鬱のメタファーとして頻繁に登場しますが、「その雨粒の隙間で踊る」というのは、嵐を完全に避けることはできなくても、ダメージを受けながらもしなやかに生きていく、というポジティブなレジリエンスのイメージです。日本語の「七転び八起き」や「雨ニモ負ケズ」に通じる精神に近いかもしれません。
「”graveyard”」はどういう意味ですか?
直訳は「墓地・霊園」ですが、この曲では比喩的に「もう戻らない過去の痛みや、終わってしまった関係が眠っている場所」として使われています。英語の歌詞では、感情の状態を具体的な「場所」で表現する手法がよく見られますが、”graveyard”はその中でも特に「終わり」「死」「埋葬」というイメージを通して、過去の自分や傷ついた記憶と決別する意志を示す言葉として使われます。「あの頃の痛みはもう墓場に葬った」というニュアンスで理解すると、歌詞の持つ解放感と哀愁が同時に感じ取れるでしょう。
関連リンク
SUGAR – BROCKHAMPTON (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】Beautiful Now – Zedd ft. Jon Bellion
【歌詞和訳】What I Am – ZAYN
【歌詞和訳】Midnight Sun – Zara Larsson
【歌詞和訳】Lush Life – Zara Larsson
【歌詞和訳】Something in the Orange – Zach Bryan