今回の曲のタイトルは、「Telephone」です。直訳すると、「電話」です。日本語でも日常的によく使われるこの言葉ですが、この歌の中ではクラブで夜を楽しんでいる最中に鳴り止まない電話への、強い苛立ちと拒絶の気持ちが込められています。
Lady Gagaは、アメリカ・ニューヨーク出身のシンガーソングライター。2008年のデビューアルバム『The Fame』で世界的な注目を集め、翌年リリースされた拡張版『The Fame Monster』(2009年)でさらなる成功を収めました。「Telephone」はビヨンセをフィーチャリングしたこのアルバムの収録曲で、2010年1月にシングルとしてリリース。全英シングルチャートで1位を獲得するなど、世界各国でヒットを記録しました。エレクトロポップをベースに、クラブでの夜を思い切り楽しみたいのに鳴り止まない電話へのうんざり感をテーマにした、ダンサブルな一曲です。
【直訳のポイント】サビで繰り返し登場する”callin'”は、”calling”の語尾「g」を省いた口語的なスペルです。クラブのざわめきの中での投げやりなムードを表すため、和訳でも砕けた表現を選んでいます。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Telephone – Lady Gaga
[Intro: Lady Gaga]
Hello, hello, baby, you called? I can’t hear a thing
もしもし、もしもし、ベイビー、電話してたの?何も聞こえないわ
I have got no service1service
[名]携帯電話の「電波・通信回線」のこと。「サービス(接客・恩恵)」ではない。 in the club, you say, say? (Say)
クラブの中じゃ電波が入らないの、なんて言ったの?(ねえ)
Wha-wha-what did you say, huh? You’re breakin’ up2breakin’ up
[句動詞]通話中に音声が「途切れる・ぶつぶつ切れる」こと。「別れる」の意味ではない。 on me
な、な、なんて言ったの?声が途切れ途切れよ
Sorry, I cannot hear you, I’m kinda busy (I’m kinda busy)
ごめん、聞こえないの、ちょっと忙しくて(ちょっと忙しいの)
K-kinda busy (I’m kinda busy), k-kinda busy (I’m kinda busy)
ちょ、ちょっと忙しくて(ちょっと忙しいの)、ちょっと忙しくて(ちょっと忙しいの)
Sorry, I cannot hear you, I’m kinda busy
ごめん、聞こえないの、ちょっと忙しいから
[Verse 1: Lady Gaga]
Just a second, it’s my favorite song they’re gonna play (Play)
ちょっと待って、もうすぐ私のお気に入りの曲が流れるのよ(流れるのよ)
And I cannot text you with a drink in my hand, eh
片手にドリンク持ってたら、メッセージなんて送れないでしょ
You should’ve3should’ve
[助動詞・完了形]「should have+過去分詞」の短縮形。「〜すべきだったのに(しなかった)」という過去への後悔・非難を表す。 made some plans with me, you knew that I was free
私と予定を立てておくべきだったのに、暇だってわかってたでしょ
And now you won’t stop callin’ me, I’m kinda busy
なのに今になってずっと電話かけてくるし、こっちはちょっと忙しいんだけど
[Chorus: Lady Gaga]
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna think anymore
電話しないで、電話しないで、もう何も考えたくない
I left4left
[句・イディオム]「leave one’s head and heart on the dance floor」で「思考も感情もダンスフロアに置き去りにする」=踊りに我を忘れ、すべてをダンスに注ぎ込む、という慣用表現。 my head and my heart on the dance floor
頭も心も、ダンスフロアに置いてきた
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna talk anymore
電話しないで、電話しないで、もう誰とも話したくない
I left my head and my heart on the dance floor
頭も心も、ダンスフロアに置いてきた
[Post-Chorus: Lady Gaga]
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh
エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ
Stop telephonin’ me
電話してくるのをやめて
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (Stop telephonin’ me)
エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ(電話してくるのをやめて)
I’m busy
忙しいの
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (I’m busy)
エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ(忙しいんだから)
Stop telephonin’ me
電話してくるのをやめて
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (Stop telephonin’ me)
エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ、エ(電話してくるのをやめて)
[Refrain: Lady Gaga]
Can call all you want, but there’s no one home
いくら電話してもいい、でも誰も出ないから
And you’re not gonna reach my telephone (No)
私の電話には繋がらない(ノー)
Out in the club and I’m sippin’ that bub5bub
[名・俗語]「bubbly」の略。スパークリングワイン、特にシャンパンを指すスラング。
クラブに繰り出して、シャンパンをちびちびやってる
And you’re not gonna reach my telephone (No)
私の電話には繋がらない(ノー)
Can call all you want, but there’s no one home
いくら電話してもいい、でも誰も出ないから
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
Out in the club and I’m sippin’ that bub6bub
[名・俗語]「bubbly」の略。スパークリングワイン、特にシャンパンを指すスラング。
クラブに繰り出して、シャンパンをちびちびやってる
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
[Verse 2: Beyoncé]
Boy, the way you blowin’ up7blowin’ up
[句動・俗語]「爆発させる」→ 電話やメッセージを何度も立て続けに送りつけることを指すAAVEスラング。 my phone (Phone)
ねえ、そんなに何度も電話してきたって(電話)
Won’t make me leave no faster (Pu-put)
帰りを急ぐ理由にはならない(プ・プット)
Put my coat on faster (Le-leave)
コートを急いで羽織るわけでもなく(レ・リーブ)
Leave my girls no faster
友達を早く置いていくわけでもない
I should’ve left my phone at home
携帯を家に置いてくるべきだった
‘Cause this is a disaster
だってこれじゃ最悪だもの
Callin’ like a collector8collector
[名・文化]「取り立て屋(借金の回収業者)」のこと。滞納者に執拗に電話をかけ続ける様子を表す比喩。
取り立て屋みたいに電話してくる
Sorry, I cannot answer
ごめん、出られない
[Bridge: Lady Gaga, Beyoncé & Both]
It’s not that I don’t like you, I’m just at a party
あなたのことが嫌いなわけじゃない、ただパーティにいるだけ
And I am sick and tired9sick and tired
[イディオム]「病気で疲れ果てた」→「もうすっかりうんざりしている」を意味する強調イディオム。 of my phone r-ringin’
もう電話が鳴り続けるのにはうんざりしてる
Sometimes I feel like I live in Grand Central S-Station10Grand Central Station
[固有名詞]ニューヨーク・マンハッタンにある巨大な鉄道ターミナル駅。常に大勢の人が行き交うことから、「人が絶えず押し寄せる騒がしい場所」の比喩として使われる。 (Station)
ときどきグランドセントラル駅に住んでいるような気分になる
Tonight I’m not takin’ no calls ‘cause I’ll be dancin’
今夜は電話に出ない、だって踊り続けるから
(‘Cause tonight I’m dancin’, dancin’)
(だって今夜は踊ってる、踊ってる)
‘Cause I’ll be dancin’ (‘Cause tonight I’m dancin’, dancin’)
だって踊り続けるから(だって今夜は踊ってる、踊ってる)
‘Cause I’ll be dancin’ (‘Cause tonight I’m dancin’)
だって踊り続けるから(だって今夜は踊ってる)
Tonight I’m not takin’ no calls ‘cause I’ll be dancin’
今夜は電話に出ない、だって踊り続けるから
[Chorus: Lady Gaga & Beyoncé, Lady Gaga]
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna think anymore
電話してこないで、もう何も考えたくない
I left11left
[動・イディオム]leaveの不規則過去形。「置いてきた」→「頭と心をダンスフロアに残してきた」=踊りに没頭して理性も感情も手放してしまったという慣用的表現。 my head and my heart on the dance floor
頭も心もダンスフロアに置いてきた
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna talk anymore
電話してこないで、もう何も話したくない
I left12left
[動・イディオム]leaveの不規則過去形。「置いてきた」→「頭と心をダンスフロアに残してきた」=踊りに没頭して理性も感情も手放してしまったという慣用的表現。 my head and my heart on the dance floor
頭も心もダンスフロアに置いてきた
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna think anymore
電話してこないで、もう何も考えたくない
I left13left
[動・イディオム]leaveの不規則過去形。「置いてきた」→「頭と心をダンスフロアに残してきた」=踊りに没頭して理性も感情も手放してしまったという慣用的表現。 my head and my heart on the dance floor
頭も心もダンスフロアに置いてきた
Stop callin’, stop callin’, I don’t wanna talk anymore
電話してこないで、もう何も話したくない
I left14left
[動・イディオム]leaveの不規則過去形。「置いてきた」→「頭と心をダンスフロアに残してきた」=踊りに没頭して理性も感情も手放してしまったという慣用的表現。 my head and my heart on the dance floor
頭も心もダンスフロアに置いてきた
[Post-Chorus: Lady Gaga & Beyoncé]
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (Stop telephonin’ me)
えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー(電話してこないで)
Stop telephonin’ me
電話してこないで
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (I’m busy)
えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー(忙しいんだから)
I’m busy
忙しいんだから
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (Stop telephonin’ me)
えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー(電話してこないで)
Stop telephonin’ me, eh, eh eh, eh, eh
電話してこないで、えー、えー、えー、えー、えー
Eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh, eh (I’m busy)
えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー、えー(忙しいんだから)
[Refrain: Lady Gaga]
Can call all you want, but there’s no one home
いくら電話しても、家には誰もいない
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
‘Cause I’m out in the club and I’m sippin’ that bub15bub
[名・俗語]「bubbly(バブリー)」の略。シャンパンや発泡ワインを指すスラング。
だってクラブにいて、シャンパンをちびちび飲んでるから
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
Can call all you want, but there’s no one home
いくら電話しても、家には誰もいない
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
‘Cause I’m out in the club and I’m sippin’ that bub16bub
[名・俗語]「bubbly(バブリー)」の略。シャンパンや発泡ワインを指すスラング。
だってクラブにいて、シャンパンをちびちび飲んでるから
And you’re not gonna reach my telephone
私の電話には繋がらない
(D-D-D-D-D-D-D-D-Darkchild17Darkchild
[固有名詞]プロデューサー、ロドニー・ジャーキンスのアーティスト名。楽曲の要所で自分の名を叫ぶ「プロデューサータグ」と呼ばれる慣習。)
(D-D-D-D-D-D-D-D-ダークチャイルド)
My telephone, m-m-my telephone
私の電話、わ、わ、わたしの電話
‘Cause I’m out in the club and I’m sippin’ that bub18bub
[名・俗語]「bubbly」(シャンパンなどの発泡性ワイン)の略。クラブでシャンパンを飲んでいる様子。
クラブにいて、シャンパンをちびちびやってるから
And you’re not gonna reach my telephone
あなたには私の電話は繋がらない
My telephone, m-m-my telephone
私の電話、わ、わ、私の電話
‘Cause I’m out in the club and I’m sippin’ that bub19bub
[名・俗語]「bubbly」(シャンパンなどの発泡性ワイン)の略。クラブでシャンパンを飲んでいる様子。
クラブにいて、シャンパンをちびちびやってるから
And you’re not gonna reach my telephone
あなたには私の電話は繋がらない
[Outro]
We’re sorry, we’re sorry
申し訳ございません、申し訳ございません
The number you have reached20have reached
[句動詞]「reach」は「(電話で)つながる・連絡がつく」という意味。ここでは「おかけになった番号」を指す電話案内特有の表現。 is not in service21not in service
[慣用句]「サービス中でない」→ 電話回線が「現在使われていない・停止している」ことを示す定型フレーズ。 at this time
おかけになった番号は、現在使われておりません
Please check the number or try your call again
番号をお確かめのうえ、おかけ直しください
Writer(s): Lady Gaga, Beyoncé, Rodney Jerkins, LaShawn Daniels, Lazonate Franklin
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Telephone」はどんな曲ですか?
「Telephone」は、レディー・ガガがビヨンセをフィーチャリングし、2010年1月にアルバム『The Fame Monster』からの第4弾シングルとして発表したダンスポップの名曲です。イギリスのシングルチャートで初登場1位を獲得し、世界20か国以上のチャートでトップ10入りを果たしました。発売から15年以上が経った現在もSpotifyで累計20億回を超えるストリーミング数を誇り、2010年代ポップミュージックを代表する楽曲のひとつとして今なお語り継がれています。
「Telephone」というタイトルには、電話以上の意味が込められているのですか?
とても鋭い質問です!表面的にはクラブで盛り上がっている最中に何度も電話をかけてくる相手への苛立ちを歌った曲ですが、「telephone」という言葉はそれ以上の意味を持っています。英語の「telephone」は「遠く(tele-)から声を届ける(-phone)手段」という語源を持ち、ガガはこの単語を通じて「常につながり続けることへの疲弊」や「自分だけの瞬間を守りたいという切実な欲求」を表現しています。歌詞の中で「my head just feels in spin(頭がぐるぐるする)」と歌われるように、クラブという非日常の空間に没入したいのに現実がずっと割り込んでくる──その葛藤こそがこの曲の核心です。日本語で「電話を切りたい」と言うとき、それが単なる通話拒否ではなく「日常からの逃避願望」であることと重なりますね。
ミュージックビデオが映画みたいだと聞きましたが、どんな作品へのオマージュが込められているのですか?
ヨナス・オーカーランド監督による約9分間のミュージックビデオは、まさに短編映画そのものです。クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』や『パルプ・フィクション』、そして1991年のロードムービーの傑作『テルマ&ルイーズ』など、複数のハリウッド名作への明確なオマージュが随所に盛り込まれています。ガガが女刑務所を脱走し、ビヨンセと共にダイナーで騒動を起こして逃げ出すという破天荒なストーリーは、前シングル「パパラッチ」のビデオの続編という設定になっており、ポップミュージックの枠を超えた「連続する物語」としてファンを熱狂させました。映像を観る際には、衣装・構図・カット割りにどの映画のDNAが宿っているか探してみると、また違う楽しみ方ができますよ。
ビヨンセとのコラボには、フェミニズム的な意味があると聞きましたが、どういうことですか?
「Telephone」は単なるスター同士の夢の共演に留まらず、「二人の強い女性の連帯」というテーマを体現した楽曲として、フェミニズム文化論の文脈でも頻繁に取り上げられてきました。ミュージックビデオでは、ガガとビヨンセが誰かの指示に従うのではなく、自分たちの意志で行動し、逃げ続ける姿が描かれています。当時すでに世界的スターとして確立していた二人が、どちらが「主役」でも「ゲスト」でもなく対等なパートナーとして共演したことは、当時のポップカルチャーにおいて非常に革新的でした。日本でも近年「女性同士が互いを称え合う」という価値観が広まっていますが、この曲はその潮流をはるか前に体現していたとも言えます。歌詞と映像を合わせて見直すと、ただのダンスポップを超えたメッセージが浮かび上がってきますよ。
関連リンク
Telephone – Lady Gaga (Official Video)
他の曲も和訳しています。よろしければどうぞ!
【歌詞和訳】Always Remember Us This Way – Lady Gaga
【歌詞和訳】Bad Romance – Lady Gaga
【歌詞和訳】Born This Way – Lady Gaga
【歌詞和訳】Poker Face – Lady Gaga
【歌詞和訳】Shallow – Lady Gaga