今回の曲のタイトルは、「Draw You Out」です。直訳すると、「あなたを引き出す」です。「draw out」は「引き出す・呼び起こす」という意味の句動詞で、誰かの心の奥に秘められた感情や存在を表に出そうとする切実な行為を指しています。
「Draw You Out」は、アメリカ・バーモント州出身のシンガーソングライター、Noah Kahanが2026年10月2日にリリースした楽曲です。映画『The Hunger Games: Sunrise on the Reaping』(2026年11月20日公開)のサウンドトラック・アルバム(11月13日発売)からのリードシングルで、Aaron Dessnerと共作・共同プロデュースしています。フォーク/インディーフォークを基調としたサウンドに乗せて、亡くした大切な人への想いと、それでも生きていく時間の長さが静かに歌われています。
【こだわり解説】タイトルの「draw out」は、「draw」を「描く」と取ると意味が通じなくなります。この曲では「引き出す」という本来の意味で、サビの “I draw you out from the edge of my mouth”(口の端からあなたを引き出す)は、名前を口にすることで相手を呼び起こす行為を表しています。意訳で飾らず、「引き出す」という言葉のまま訳しました。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Draw You Out – Noah Kahan & The Hunger Games
[Intro]
Ooh-ooh-ooh
ウー・ウー・ウー
Ooh-ooh-ooh
ウー・ウー・ウー
Ooh
ウー
Ooh-ooh-ooh
ウー・ウー・ウー
[Chorus]
I carry you on with me
あなたをずっと連れて歩いていく
I promised you I would, and I do
そう約束したから、今もそうしている
And I float around, show up unannounced
ふらふらと漂い、突然姿を現す
In the places that you knew
あなたが知っていた場所に
I draw you out1draw out
[句動詞]「引き出す・口に出す」の意。ここでは名前を口の端から引き出すイメージ。 from the edge of my mouth
口の端からあなたを引き出す
It feels good to say your name
あなたの名前を口にするのは気持ちがいい
It’s all I have now, what a wonderful sound it makes
今はそれだけが私のすべて、なんて素晴らしい響きだろう
[Post-Chorus]
(Ooh)
(ウー)
[Verse 1]
I was born with someone else’s face
私は誰か別の人の顔を持って生まれた
A coward’s anger and a fighter’s rage
臆病者の怒りと、闘士の憤怒を抱えて
I wait around for them to take my place
彼らが私の場所を奪いに来るのを、ただ待ち続ける
And say, “Love2Love
[名・呼びかけ]愛する相手への呼びかけに使う英語の愛称(「ねえ」「あなた」)。抽象名詞の「愛」ではなく、人に語りかける表現。, we’re free now”
そして言う、「ねえ、もう自由だよ」と
I’ve been caught in some old, boring joke
古くてつまらない冗談に、ずっとはまり込んでいる
The only punchline is how long it goes
オチといえば、それがどこまでも続くということだけ
I’m in a song with one descendin’ note
ひとつの音が下がり続けるだけの歌の中にいる
I got nowhere else to be now
今はもう、他に行くべき場所もない
No one tells you just how long you’ll last3last
[動]「持ちこたえる・生き続ける」の意。形容詞「最後の」とは別の動詞用法で、ここでは「どれほど長く生き続けられるか」を問う。
自分がどれだけ生き続けられるか、誰も教えてくれない
Some go slowly, and some far too fast
ゆっくり行く人もいれば、あまりにも速く行く人もいる
I’ve got time I never planned to have
計画してもいなかった時間が、突然手元にある
I got years and years of it
何年も何年も分の、そんな時間が
I’ve been feelin’ like a wing-clipped4wing-clipped
[形・慣用表現]「羽を切られた」→飛べない鳥の比喩。自由や可能性を奪われ、身動きの取れない状態を指す。 bird
羽を切られた鳥みたいな気分でいる
Been repeatin’ this old phrase I learned
昔覚えたこの言葉を、ずっと繰り返してきた
That no one’s voice is ever really heard
誰の声も、本当には届かないって
‘Til the whole world’s screamin’ it
世界中が叫ぶまでは
[Chorus]
I carry you on with me
あなたをずっと連れて歩いていく
I promised you I would, and I do
そう約束したから、今もそうしている
And I float around, show up unannounced
ふらりと漂い、前触れもなく姿を見せる
In the places that you knew
あなたが知っていたあの場所に
I draw you out5draw out
[句動詞]「引き出す」が原義。ここでは口の端からあなたの名を呼び出すという詩的表現。 from the edge of my mouth
口の端からあなたを引き出す
It feels good to say your name
あなたの名前を口にするのは気持ちいい
It’s all I have now, what a wonderful sound it makes
今の私にはそれだけ——なんて素晴らしい音がするんだろう
[Verse 2]
I was living in a stranger’s house
見知らぬ人の家に住んでいた
So I found shelter by the river’s mouth6mouth
[名・地理]「口」→ 川が海や湖に注ぐ出口「河口」を指す地理用語。
だから川の河口のそばに身を寄せた
And I go swimmin’ ‘til my feet touch ground
足が底に届くまで泳ぎ続ける
‘Til I find somethin’ permanent
永続するものを見つけるまで
See the rain over the valley’s edge
谷の縁の上の雨を見て
Won’t be long until the whole world’s wet
世界じゅうが濡れるのも、もう時間の問題だ
And all my drownin’ will make way7way
[副・俗語]「ずっと・はるかに」を意味する強調の副詞。インフォーマルな話し言葉での用法(例:way better, way more)。 more sense
そして私の溺れるすべてが、もっとずっと意味をなすだろう
There ain’t8ain’t
[助動・AAVE]am / is / are not の非標準形。ain’t no〜 は二重否定による強調で「まったく〜ない」を意味するAAVEの慣用表現。 no better word for it
それを表すのに、これ以上ぴったりな言葉はない
[Chorus]
I carry you on with me
あなたをずっと連れて歩いていく
I promised you I would, and I do
そう約束したから、今もそうしている
And I float around, show up9show up
[句動詞]「show(見せる)+up」で「(ある場所に)ふと現れる・姿を現す」という意のイディオム。 unannounced
ふらふらとさまよい、予告もなしに姿を現す
In the places that you knew
あなたが知っていた場所に
I draw you out10draw out
[句動詞]「引き出す・引き延ばす」の意。ここでは口の端からあなた(の名前・記憶)を引き出すという詩的表現。 from the edge of my mouth
口の端からあなたを引き出す
It feels good to say your name
あなたの名前を口にするのは心地いい
It’s all I have now, what a wonderful sound it makes
今の私にはそれだけ、なんて素晴らしい音なんだろう
[Post-Chorus]
Oh-oh
オー・オー
Ooh-ooh
ウー・ウー
Oh-oh
オー・オー
Writer(s): Noah Kahan, Aaron Dessner
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Draw You Out」はどんな曲ですか?
Noah Kahanが2026年10月2日にリリースした曲で、映画『The Hunger Games: Sunrise on the Reaping』のサウンドトラック(11月13日発売)のリードシングルです。Aaron Dessnerと共作・共同プロデュースしています。Apple Music USチャートでも上位に入っています。
タイトルにもなっている “draw out” はどういう意味ですか?
「draw out」は「引き出す」という意味の句動詞です。「draw」には「描く」のほかに「引く・引っ張る」という意味があり、ここではそちらです。サビの “I draw you out from the edge of my mouth” は、名前を口にすることで、あなたを口の端から引っ張り出すように呼び起こす、という意味合いです。
“wing-clipped bird” とはどんな鳥ですか?
「wing-clipped」は「羽を切られた」という意味です。ペットの鳥が逃げないように風切り羽を切ることから、自由を奪われて飛べない状態のたとえに使われます。この曲では、身動きが取れない主人公の気持ちを表しています。
“There ain’t no better word for it” はなぜ “no” が重なるのですか?
「ain’t」は「is not」などのくだけた言い方で、そこに「no」が続く二重否定です。標準的な文法では打ち消し合いますが、口語ではむしろ「まったくない」と強める言い方になります。ここでは「それを表すのにこれ以上の言葉はない」という意味です。
関連リンク
Draw You Out – Noah Kahan & The Hunger Games (Official Video)
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