今回の曲のタイトルは、「Here You Come Again」です。直訳すると、「またあなたがやって来た」です。
ドリー・パートンは、1946年テネシー州生まれのカントリー界の女王です。「Here You Come Again」は1977年にリリースされ、同名アルバムに収録されました。ビルボードのカントリーチャートで1位、ポップチャート(Hot 100)では3位を記録し、彼女にとって初の本格的なクロスオーバーヒットとなりました。1978年にはグラミー賞「最優秀女性カントリー・ボーカル・パフォーマンス賞」も受賞しています。曲のテーマは、忘れられない元恋人が再び現れ、心を揺さぶられてしまう女性の心情を描いたカントリーポップのラブソングです。
【直訳のポイント】タイトルにある「here」は、動作の接近を強調する間投詞的な用法で、「ほら」「さあ」などと訳せます。日本語にはない英語特有の表現で、ニュアンスをうまく伝えるのが難しい言葉のひとつです。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Here You Come Again – Dolly Parton
[Verse 1]
Here you come again
またあなたがやって来る
Just when I’d1I’d
[縮約・助動詞]「I had」の短縮形。ここでは過去完了を形成し「〜し始めていた」という意味になる。 begun to get myself together2get myself together
[句動詞・イディオム]「自分をひとつにまとめる」→「気持ちを立て直す・立ち直る」の意。
ようやく自分を立て直しかけていたまさにその時
You waltz3waltz
[動・比喩]ワルツ(社交ダンス)から転じ、「悠々と・ずかずかと入ってくる」を意味する比喩的用法。 right in the door
あなたはずかずかとドアから入ってくる
Just like you’ve done before
以前と変わらず
And wrap my heart ‘round your little finger4little finger
[イディオム]「wrap ~ around one’s little finger」で「〜を意のままに操る・手玉に取る」という慣用句。
そして私の心を小指一本で手玉に取る
[Verse 2]
Here you come again
またあなたが現れた
Just when I’m about to make it work5make it work
[句動詞]「うまく機能させる」→「なんとかやっていく・ひとりでやり遂げる」の意のイディオム。 without you
あなたなしでもやっていけると思い始めたちょうどそのとき
You look into my eyes
あなたは私の目を覗き込んで
And lie those pretty lies
甘い嘘をついてくる
And pretty soon I’m wonderin’ how I came to6came to
[句動詞]「come to +動詞」で「(いつのまにか)〜するようになる」という変化の経緯を表すイディオム。 doubt you
そしてほどなく、どうしてあなたを疑っていたのかと不思議に思えてくる
[Chorus]
All you got to do is smile that smile
あなたがその笑顔を見せるだけでいい
And there go7there go
[句・口語]「そこに行く」ではなく「〜がなくなってしまう」「〜が崩れ去る」を意味する口語表現。 all my defenses
そして私の防衛心はすべて消え去ってしまう
Just leave it up to8leave it up to
[句動詞]「〜に任せる・委ねる」を意味するイディオム。 you and in a little while
あなたに任せておけば、ほどなくして
You’re messin’9messin’
[動・俗語]mess upの進行形短縮。「かき乱す・混乱させる」の意。 up my mind and fillin’ up my senses
あなたは私の心をかき乱し、感覚を満たしていく
[Verse 3]
Here you come again
またあなたが来る
Lookin’ better than a body10a body
[名・口語]「誰か・人」を指す南部英語/方言的表現。”than anyone has a right to” の意。 has a right to11has a right to
[イディオム]「〜する権利がある」→「これほど魅力的であっていいはずがない」という誇張表現。
誰もがそうであっていいはずもないほど、美しくなって
And shakin’ me up12shakin’ me up
[句動詞]「揺さぶる・動揺させる」→ 心を激しくかき乱すこと。 so that all I really know
私の心をかき乱して、もう何もわからなくなるほど
Is here you come again
ただ、またあなたが来たということだけ
And here I go
そしてまた、私は落ちていく
[Instrumental Break]
[Chorus]
All you got to do is smile that smile
あなたはただあの笑顔を見せるだけでいい
And there go13there go
[慣用表現]「〜が(あっという間に)消え去る/吹き飛ぶ」を表す倒置的慣用句。通常語順の “all my defenses are gone” を強調・即興的に倒置させた形。 all my defenses
そしてすべての防衛心が崩れ去る
Just leave it up to14leave it up to
[句動詞]「〜に任せる・委ねる」の意。”leave” 単体では「去る」だが、”up to someone” が加わることで「その人の判断・意志に委ねる」という意味になる。 you and in a little while
ただあなたに委ねてしまえば、ほんのしばらくで
You’re messin’ up my mind and fillin’ up my senses
あなたは私の心を乱し、感覚をすっかり満たしてしまう
[Verse 4]
Here you come again
またあなたが来る
Lookin’ better than a body has a right to15a body has a right to
[慣用句]「人が持って当然の権利がある」→「これほど美しくある権利など誰にもないのに」という意味の口語的誇張表現。
誰もがそう美しくある権利などないのに、それ以上の輝きで
And shakin’ me up16shakin’ me up
[句動詞]「shake up」=人を動揺させる・心をかき乱す。物理的な「揺らす」ではなく感情的な混乱を指す。 so
こんなにも私をかき乱すから
That all I really know
私にわかることといえば、ただ
Is here you come again
またあなたが来る、ということだけ
And here I go
そして私はまた落ちていく
[Outro]
Here I go
さあ、また行ってしまう
And here I go
そしてまた行ってしまう
And here I go
またこうなってしまう
Here you come again
またあなたが現れた
And here I go
そしてまた始まってしまう
Here I go
また行ってしまう
And here I go
そしてまたこうなってしまう
Writer(s): Cynthia Weil, Barry Mann
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Here You Come Again」はどんな曲ですか?
1977年にドリー・パートンがリリースしたカントリーポップの名曲で、バリー・マンとシンシア・ウェイルのコンビが書き下ろした楽曲です。全米カントリーチャートで1位、ビルボードホット100でも最高3位を記録し、カントリー界の枠を超えてドリーの名を広く世に知らしめた代表作となりました。リリースから半世紀近くが経った現在もSpotifyで数千万回を超える再生数を誇り、世代を問わず愛され続けるスタンダードナンバーです。
「”I’d”」はどういう意味ですか?
歌詞の「Just when I’d begun to get myself together」に登場する「I’d」は、ここでは「I had(私はすでに〜していた)」の短縮形として使われています。つまり「ちょうど立ち直り始めていたそのとき」というニュアンスです。「I’d」は「I would」の短縮形としても使われるため混乱しやすいのですが、直後に過去分詞(begun)が続いている点がカギで、文脈からも過去完了の用法だとわかります。英語の歌詞ではこうした短縮形が多く登場するので、覚えておくと理解がぐっと深まりますよ。
「”get myself together”」はどういう意味ですか?
直訳すると「自分自身をひとつにまとめる」ですが、実際には「気持ちの整理をつける」「やっと立ち直る」「自分を取り戻す」といった意味で使われる慣用表現です。失恋や辛い出来事のあと、ようやく前を向けるようになった状態を指すイメージで捉えると自然です。この曲では「やっと立ち直れたと思ったのに、またあなたが現れて全部崩されてしまう」という切ない心情を表すキーフレーズになっています。日常会話でも「I need to get myself together.(しっかりしなきゃ)」のような形でよく耳にします。
「”waltz”」はどういう意味ですか?
「waltz(ワルツ)」はダンスの名前として有名ですが、動詞として使うと「颯爽と、あるいは悪びれもせずにふらりと入ってくる」というニュアンスになります。歌詞の「You waltz right in the door」は「あなたはまるで当然のように、ひょいとドアを開けてやってくる」という意味で、相手のお気楽さや無神経な自信をさりげなく皮肉った表現です。「right」が間に入ることで「ためらいもなく、ズカズカと」という感じが強調されています。こういった動詞の比喩的な使い方は英語の歌詞の醍醐味のひとつですね。
関連リンク
Here You Come Again – Dolly Parton (Official Video)
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