今回の曲のタイトルは、「Just Give Me a Reason」です。直訳すると、「ただ、理由をくれるだけでいい」です。
「Just Give Me a Reason」は、アメリカのシンガーソングライターP!nk(ピンク、本名:アリーシャ・ベス・ムーア)が、バンドfun.のボーカルNate Ruess(ネイト・ルース)とデュエットした楽曲です。2012年9月にリリースされた6枚目のスタジオアルバム『The Truth About Love』からの第3弾シングルとして2013年初頭に発売され、Billboard Hot 100で1位を3週間にわたって獲得しました。ポップ・ロックを基調としたジャンルで、すれ違いを抱えながらも互いを手放せない男女の葛藤と、壊れかけた関係を修復しようとする切実な想いをテーマにしています。
【直訳のポイント】タイトルにある「Just」は「ただ」と訳しましたが、この一語には「それだけでいいから」という縋るような切実なニュアンスが込められています。シンプルな言葉の中に、深い感情が宿っているのがこの曲の特徴です。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Just Give Me a Reason – Pink
[Verse 1: P!nk]
Right1Right
[副・強調]「右」や「正しい」ではなく「まさに・ちょうど」を意味する強調副詞。Right from the start = まさに最初から。 from the start
まさに最初からずっと
You were a thief, you stole my heart
あなたは泥棒、私の心を奪っていった
And I, your willing victim
そして私は、自ら望んであなたの虜となった
I let you see the parts of me
私はあなたに見せてしまった、私の中の
That weren’t all that2all that
[句・口語]否定文中で「それほど・たいして」を意味するイディオム。not all that pretty = それほど美しくもない。 pretty
それほど美しくはない部分を
And with every touch, you fixed them
そしてあなたは触れるたびに、それらを直してくれた
[Pre-Chorus: P!nk]
Now you’ve been talkin’ in your sleep, oh, oh
最近、あなたは眠りながら寝言を言っているのね
Things you never say to me, oh, oh
私には決して言わないようなことを
Tell me that you’ve had enough3had enough
[イディオム]have enough of 〜 で「〜にうんざりする・もうたくさんだ」の意。「十分に持っている」という字義から「もう要らない・限界だ」に転じたイディオム。 of our love, our love
私たちの愛にもう飽き飽きしたって、言ってよ
[Chorus: P!nk]
Just give me a reason
ただ理由をくれ
Just a little bit’s enough
ほんの少しだけでいい
Just a second, we’re not broken, just bent4bent
[形・比喩]「曲がった」→ 完全に壊れてはいないが、歪んでしまった状態を表す比喩表現。broken(壊れた)と対比して使われる。
ちょっと待って、私たちは壊れてない、ただ歪んでいるだけ
And we can learn to love again
そしてまた愛することを学べる
It’s in the stars5in the stars
[慣用句]「星の中にある」→「運命づけられている・必然である」を意味する英語のイディオム。
それは星に定められている
It’s been written in the scars on our hearts
ふたりの心の傷跡に刻まれている
We’re not broken, just bent
壊れてはいない、ただ歪んでいるだけ
And we can learn to love again
そしてまた愛することを学べる
[Verse 2: Nate Ruess & P!nk]
I’m sorry I don’t understand
ごめん、わからないんだ
Where all of this is coming from6coming from
[句動詞・イディオム]「(どこから)来る」→「(感情や言動が)何に起因するのか・なぜそうなったのか」を問う慣用表現。
これが全部いったいどこから来るのか
I thought that we were fine
私たちはうまくいってると思ってた
(Oh, we had everything)
(ああ、私たちには何もかもあったのに)
Your head is running wild7running wild
[句動詞・イディオム]「野生に走る」→「思考や想像が制御不能になる・暴走する」の意。 again
また頭が暴走してるよ
My dear, we still have everythin’
ねえ、私たちにはまだ何もかもあるんだよ
And it’s all in your mind8all in your mind
[イディオム]「全部あなたの心の中にある」→「現実ではなく、思い込み・気のせいだ」という意の決まり文句。
全部あなたの思い込みだよ
(Yeah, but this is happenin’)
(そう、でもこれは現実に起きてることだよ)
[Pre-Chorus: Nate Ruess, P!nk & Nate Ruess & P!nk]
You’ve been havin’ real bad dreams, oh, oh
本当にひどい夢ばかり見てるんだね、ああ、ああ
You used to lie9lie
[動]「横になる・寄り添う」の意。「嘘をつく」と同形だが、ここでは「横たわる・身を寄せる」の意。 so close to me, oh, oh
かつてはこんなにそばで寄り添っていたのに、ああ、ああ
There’s nothin’ more than empty sheets between our love, our love
私たちの愛の間には、空っぽのシーツしか残っていない
Oh, our love, our love, love
ああ、私たちの愛、私たちの愛、愛
[Chorus: P!nk & Nate Ruess & Nate Ruess]
Just give me a reason
ただ理由をくれるだけでいい
Just a little bit’s enough
ほんの少しだけで十分
Just a second, we’re not broken, just bent
少し待って——壊れてなんかいない、ただ曲がってしまっただけ
And we can learn to love again
またふたりで愛を学べるから
I never stopped
私は止まったことなんてなかった
You’re still written in the scars on my heart
あなたはまだ、私の心の傷跡に刻まれている
You’re not broken, just bent
あなたは壊れていない、ただ曲がってしまっただけ
And we can learn to love again
またふたりで愛を学べるから
[Bridge: P!nk & Nate Ruess]
Oh, tears ducts and rust
ああ、涙腺と錆よ
I’ll fix it for us
ふたりのために、直してみせる
We’re collectin’ dust10collecting dust
[句動詞・慣用表現]「ほこりを集める」→ 長い間放置され、使われずにいる状態を表すイディオム。
私たちはほこりをかぶったまま
But our love’s enough
でも、愛はまだ十分にある
You’re holdin’ it in11holding it in
[句動詞]「中に保持する」→ 感情や本音を外に出さずに抑え込んでいることを表すイディオム。
あなたは気持ちを押し殺している
You’re pourin’ a drink
一杯注いでいる
No, nothin’ is as bad as it seems
いや、何もかも見た目ほど悪くない
We’ll come clean12come clean
[句動詞・慣用表現]「きれいになる」→ 「本当のことを打ち明ける・正直に話す」という意味のイディオム。
すべてを打ち明けよう
[Chorus: P!nk & Nate Ruess]
Just give me a reason
ただ理由をくれ
Just a little bit’s enough
ほんの少しだけでいい
Just a second, we’re not broken, just bent
ちょっと待って、壊れてなんかいない、ただ少し歪んでいるだけ
And we can learn to love again
またふたりで愛し合えるはず
It’s in the stars13in the stars
[慣用句]「星の中にある」→ 運命・天命として定められていることを意味するイディオム。
星に定められている
It’s been written in the scars on our hearts
ふたりの心の傷に刻み込まれている
That we’re not broken, just bent
私たちは壊れていない、ただ歪んでいるだけだと
And we can learn to love again
またふたりで愛し合えると
Just give me a reason
ただ理由をくれ
Just a little bit’s enough
ほんの少しだけでいい
Just a second, we’re not broken, just bent14bent
[形・比喩]”bend”(曲げる)の不規則過去分詞が形容詞化。物理的な「曲がった」から転じて「壊れてはいないが傷んだ」状態を示す比喩表現。
ねえ待って、私たちは壊れていない——ただ曲がっているだけ
And we can learn to love again
そしてまた愛することを学べるはずだから
It’s in the stars15in the stars
[慣用句]”written in the stars”(星に書かれている=運命で定まっている)の省略形。英語圏で広く使われる「天命・宿命」を意味するイディオム。
それは運命に刻まれている
It’s still written in the scars on our hearts
私たちの心の傷に、今もなお刻まれているから
That we’re not broken, just bent16bent
[形・比喩]”bend”(曲げる)の不規則過去分詞が形容詞化。物理的な「曲がった」から転じて「壊れてはいないが傷んだ」状態を示す比喩表現。
私たちは壊れていない、ただ曲がっているだけだと
And we can learn to love again
そしてまた愛することを学べるはずだと
[Outro: P!nk]
Oh, we can learn to love again
ああ、私たちはまた愛することを学べる
Oh, can learn to love again
ああ、また愛することを学べる
Oh, that we’re not broken, just bent17bent
[形・比喩]「曲がった」が原義。ここでは broken(壊れた・修復不能)と対比し、「傷ついてはいるが、まだ元に戻れる状態」という比喩で使われている。
ああ、私たちは壊れたんじゃない、ただ少し歪んでいるだけ
And we can learn to love again
そして、また愛することを学べる
Writer(s): P!nk, Jeff Bhasker, Nate Ruess
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Just Give Me a Reason」はどんな曲ですか?
ピンク(Pink)がファン(fun.)のネイト・ルース(Nate Ruess)をフィーチャリングに迎えたデュエット曲で、2013年にアルバム『The Truth About Love』(2012年)からの第2弾シングルとしてリリースされました。全米ビルボードHot 100で見事1位を獲得し、イギリス・オーストラリアなど世界各国のチャートでもトップ10入りを果たした世界的大ヒット曲です。2014年のグラミー賞では最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞も受賞しており、Spotifyでは現在までに数十億回以上の再生を記録しています。
「Right」はどういう意味ですか?
歌詞の冒頭「Right from the start(最初からずっと)」に登場するこの「right」は、「正しい」という形容詞ではなく、副詞として使われているのがポイントです。「まさに〜の瞬間から」「ちょうど〜の時点から」というニュアンスで、時間や場所を強調する働きをしています。たとえば「right here(まさにここで)」「right now(今すぐ)」といった形で日常会話にも頻繁に登場するので、「right + 場所・時間の表現」でセットにして覚えておくと応用が利きますよ。
「all that」はどういう意味ですか?
「weren’t all that pretty(それほど美しくなかった)」という歌詞に出てくる「all that」は、「そんなに」「それほど」を意味する強調の副詞表現です。特に否定文の中で「not all that + 形容詞」という形をとり、「大したことはない」「そこまで〜というわけでもない」という控えめなニュアンスを出すのに使われます。「It’s not all that expensive(そんなに高くないよ)」のように会話でもよく耳にするフレーズなので、ぜひ覚えておいてください。
「had enough」はどういう意味ですか?
「had enough」は直訳すると「十分なほど持った・経験した」ですが、実際には「もう限界だ」「うんざりした」「もうたくさん!」という感情的な意味合いで使われるイディオムです。「I’ve had enough」の形で、疲れやフラストレーションが頂点に達した状況を表します。この曲では、すれ違いを続けてきた二人の関係に心が折れそうになっている場面で使われており、字義通りの意味をはるかに超えた、切実な感情の叫びとして響いてきます。
関連リンク
Just Give Me a Reason – Pink (Official Video)
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