今回の曲のタイトルは、「Y.M.C.A.」です。直訳すると、「若い男性のためのキリスト教協会」です。
Village Peopleは、プロデューサーのジャック・モラーリが結成したアメリカのディスコグループです。「Y.M.C.A.」は1978年にリリースされ、アルバム『Cruisin’』に収録されました。ビルボードHot 100では最高2位を記録し、全世界で推定1,200万枚以上を売り上げた世界的大ヒット曲です。ディスコ全盛期を代表する楽曲のひとつであり、NYCのYMCAという施設を舞台に、若者たちが仲間と出会い、充実した時間を過ごす様子が明るく描かれています。
【直訳のポイント】「Young man」は歌詞全体を通じて語りかける2人称の呼びかけとして使われており、「若い男性よ」と訳しました。「hang out」は「たむろする」とも訳せますが、ここでは「仲間と過ごす」というニュアンスを優先しています。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
Y.M.C.A. – Village People
[Verse 1]
Young man, there’s no need to feel down1down
[形・俗語]「下」→ 気分が落ち込んでいる・憂鬱な状態を表す口語表現。, I said
若者よ、落ち込む必要はないんだ
Young man, pick yourself off the ground2pick yourself off the ground
[句・イディオム]「地面から自分を立ち上がらせる」→ 挫折や失意から立ち直ることを表す比喩表現。, I said
若者よ、立ち直れ
Young man, ‘cause you’re in a new town
若者よ、新しい街に来たんだから
There’s no need to be unhappy
不幸せになる必要はない
Young man, there’s a place you can go, I said
若者よ、行ける場所があるんだ
Young man, when you’re short on3short on
[句形・イディオム]「〜が不足している・足りない」を意味するフレーズ。 your dough4dough
[名・俗語]元来「パン生地」の意→ お金・現金を指すインフォーマルなスラング。 you can
若者よ、お金が足りない時でも
Stay there and I’m sure you will find
そこに泊まれば、きっと見つかるはずだ
Many ways to have a good time
楽しい過ごし方がいくらでもある
[Chorus]
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.5Y.M.C.A.
[固有名詞・略称]Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)の略。宿泊・スポーツ・社交施設を備えた国際的な非営利組織。
Y.M.C.A.に泊まるのは楽しい
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.に泊まるのは楽しい
They have everything for young men to enjoy
若い男たちが楽しめるものなら何でも揃っている
You can hang out6hang out
[句動詞]「外でぶら下がる」→「仲間とつるむ・気ままに時間を過ごす」の意に転じたイディオム。 with all the boys
仲間みんなと一緒につるむことができる
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.に泊まるのは楽しい
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.に泊まるのは楽しい
You can get yourself clean, you can have a good meal
体を清潔にして、おいしい食事だってとれる
You can do whatever you feel
好きなことを何でもできる
[Verse 2]
Young man, are you listening to me? I said
若者よ、私の言うことを聞いているか?
Young man, what do you want to be? I said
若者よ、何になりたいのか?
Young man, you can make real your dreams
若者よ、夢を現実にすることができる
But you’ve got to know this one thing
だがひとつだけ知っておかなければならない
No man does it all by himself, I said
誰もひとりですべてをやり遂げることはできない
Young man, put your pride on the shelf7put ~ on the shelf
[句動詞・慣用句]「棚にしまう」→ 意地を捨てる・プライドを脇に置くことを意味する慣用表現。
若者よ、プライドを脇に置け
And just go there, to the Y.M.C.A.
そしてただそこへ行け、Y.M.C.A.へ
I’m sure they can help you today
きっと今日、力になってくれるはずだ
[Chorus]
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.8Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)の略。宿泊・スポーツ・レクリエーション施設を持つ非営利団体。
Y.M.C.A.で過ごすのは楽しい
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.で過ごすのは楽しい
They have everything for young men to enjoy
若者が楽しめるものが何でも揃っている
You can hang out9hang out
[句動詞]「ぶらぶらする」→「仲間と気軽に時間を過ごす」を意味するイディオム。 with all the boys
男たちみんなとつるんで過ごすことができる
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.で過ごすのは楽しい
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.で過ごすのは楽しい
You can get yourself clean, you can have a good meal
身体を清潔にして、美味しい食事もとれる
You can do whatever you feel
気の向くままに何でもできる
[Verse 3]
Young man, I was once in your shoes10in your shoes
[慣用句]「あなたの靴を履いている」→「あなたと同じ立場・境遇にいる」を意味するイディオム。, I said
「若者よ、かつて私もお前と同じ境遇にいた」と私は言った
I was down and out11down and out
[慣用句]「すっかり落ちぶれて、どん底にいる」状態を意味するイディオム。 with the blues, I felt
憂鬱に打ちひしがれ、どん底にいた
No man cared if I were alive
誰も私が生きているかどうか気にかけてくれなかった
I felt the whole world was so jive12jive
[形・俗語]「偽物の」「くだらない」「無意味な」を意味するスラング。ジャズ・スラングに由来し、AAVEでも広く使われる。
世界全体がくだらないまやかしだと感じていた
That’s when someone came up to me and said
そのとき、誰かが私のそばに来てこう言った
Young man, take a walk up the street
「若者よ、この通りを少し歩いてみなさい
It’s a place there called the Y.M.C.A.13Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)の略。世界各地に拠点を持つ非営利団体で、宿泊・スポーツ・職業訓練など生活支援サービスを提供する。
そこにY.M.C.A.という場所がある
They can start you back on your way
彼らがお前を再び正しい道に戻してくれるはずだ」
[Chorus]
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.14Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)の略称。スポーツ施設・宿泊施設・教育プログラムを提供する非営利団体。
Y.M.C.A.に滞在するのは楽しい
It’s fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.に滞在するのは楽しい
They have everything for young men to enjoy
若者が楽しめるものなら何でも揃っている
You can hang out15hang out
[句動詞]「ぶらぶら過ごす」→「友人と一緒に時間を過ごす・つるむ」を意味するイディオム。 with all the boys
仲間たちと一緒につるむことができる
[Post-Chorus]
Y.M.C.A.16Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Associationの略。「キリスト教青年会」。世界各地に宿泊施設やスポーツ・コミュニティ施設を持つ国際的非営利団体。, it’s fun to stay at the
Y.M.C.A.、ここに泊まるのは楽しいよ
Y.M.C.A.
Y.M.C.A.
Young man, young man, there’s no need to feel down17feel down
[句動詞]「気分が落ち込む・意気消沈する」という意味のイディオム。
若者よ、若者よ、落ち込む必要はないんだ
Young man, young man, get yourself off the ground18get off the ground
[句動詞]「地面から立ち上がる」→「立ち直る・再出発する」という比喩的意味を持つイディオム。
若者よ、若者よ、さあ立ち上がれ
[Instrumental Break]
[Outro]
Y.M.C.A.19Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Associationの略。「キリスト教青年会」のこと。宿泊・スポーツ・教育施設を提供する国際的な非営利団体。, it’s fun to stay at the
Y.M.C.A.、泊まるのは楽しい、
Y.M.C.A.
Y.M.C.A.に
Young man, young man, are you listening to me?
若者よ、若者よ、私の話を聞いているか?
Young man, young man, what do you wanna be?
若者よ、若者よ、何になりたいんだ?
Y.M.C.A., you’ll find it at the
Y.M.C.A.、それはここで見つかる、
Y.M.C.A.
Y.M.C.A.で
No man, no man does it all by himself
誰も、誰も一人ですべてはできない
Young man, young man, put your pride on the shelf20put … on the shelf
[句動詞イディオム]「棚に上げる・脇に置く」の意。ここでは「プライドを一時的に手放せ」ということ。
若者よ、若者よ、プライドを脇に置け
Y.M.C.A. and just go to the
Y.M.C.A.、ただ向かえばいい、
Y.M.C.A.
Y.M.C.A.へ
Young man, young man, I was once in your shoes21in your shoes
[慣用句]「あなたの靴の中にいる」→「あなたと同じ立場・境遇にいた」を意味するイディオム。
若者よ、若者よ、かつて私もお前と同じ立場にいた
Young man, young man, I was down with the blues22the blues
[名・慣用句]ブルース音楽に由来する表現で、「憂鬱・気落ち」を指す俗語。
若者よ、若者よ、私もかつて憂鬱に沈んでいた
Y.M.C.A.23Y.M.C.A.
[固有名詞]Young Men’s Christian Association(キリスト教青年会)の略。宿泊施設や集会所として世界各地に設置されている非営利団体。, it’s fun to stay at the
Y.M.C.A.、そこに泊まるのは楽しい
Writer(s): Victor Willis, Henri Belolo, Jacques Morali
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「Y.M.C.A.」はどんな曲ですか?
1978年10月にアメリカのディスコグループ、ヴィレッジ・ピープルがリリースしたダンスナンバーです。翌1979年1月には全米ビルボード・ホット100で最高2位を記録し、イギリスでは1位を獲得。全世界で1,200万枚以上を売り上げた歴史的な大ヒット曲となりました。リリースから約半世紀が経った現在もSpotifyで月間数千万回再生されており、スポーツイベントや結婚式パーティーなど世界中の「盛り上がる場面」に欠かせない永遠の定番曲として愛され続けています。
歌詞に出てくる「Y.M.C.A.」とは、いったい何のことですか?
「Young Men’s Christian Association(ヤング・メンズ・クリスチャン・アソシエーション)」の略で、日本語では「キリスト教青年会」と呼ばれる国際的な非営利団体のことです。1844年にロンドンで創設され、アメリカでは19世紀後半から20世紀にかけて急速に普及しました。都会に出てきた若者向けに格安の宿泊施設、プール、スポーツジム、職業訓練など多彩なサービスを提供しており、特に地方から単身で上京してきた若い男性たちの「居場所」として機能していました。歌の中でも「若者よ、都会で行き詰まったらY.M.C.A.に来い」という流れで登場するのは、こうした実際の社会的背景があってこそなのです。
歌詞には表向きの意味とは別に、隠されたメッセージがあると聞きましたが?
鋭い質問です!ヴィレッジ・ピープルはメンバー全員がLGBTQ+コミュニティと深いつながりを持つグループとして知られており、この曲もその文脈で広く語られています。表向きにはY.M.C.A.という施設を賛美する歌ですが、「仲間を見つけられる場所」「ありのままの自分でいられる居場所」というメッセージが、当時まだ社会的な居場所を持ちにくかったゲイの若者たちへの連帯の呼びかけとして受け取られました。実はこの「二重の意味(ダブルミーニング)」構造はヴィレッジ・ピープルの十八番で、大衆に広く受け入れられる歌詞の中にコミュニティだけが読み解けるメッセージを忍ばせるという手法を得意としていました。
サビで腕を使ってアルファベットを作る、あの有名なダンスはどこから生まれたのですか?
実はあのジェスチャーは振付師が考えたものではなく、観客が自然発生的に始めたと言われています。1979年のライブパフォーマンス中、サビが繰り返されるうちに観客が腕でY・M・C・Aの文字を作り始め、それを見たヴィレッジ・ピープルのメンバーたちも即興で取り入れたのが起源とされています。このシンプルで誰でも参加できる振りがあっという間に世界中に広まり、今や老若男女・国籍を問わず通じる「世界共通の踊り」のひとつになりました。歌詞が分からなくても体で参加できるこの仕掛けこそが、この曲を時代と言語を超えたアンセムたらしめている最大の秘密かもしれませんね。
関連リンク
Y.M.C.A. – Village People (Official Video)
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