今回の曲のタイトルは、「I Don’t Feel Like Dancin’」です。直訳すると、「踊る気分じゃない」です。
Scissor Sistersは、ニューヨーク出身のグラムポップ・ダンスバンドで、ジェイク・シアーズとアナ・マトロニックのツインボーカルを中心に結成されました。「I Don’t Feel Like Dancin’」は、2006年8月にリリースされたセカンドアルバム『Ta-Dah』のリードシングルで、エルトン・ジョンも共同作曲に参加しています。UKシングルチャートで1位を獲得し、アイルランドをはじめ複数のヨーロッパ各国でもトップ10入りを果たしました。アップビートなニュー・ディスコサウンドとは裏腹に、「踊りたくない」という内向きな心情を歌った皮肉めいた構成が特徴的な一曲です。
【直訳のポイント】タイトルの「feel like dancin’」は「踊りたい気分」という意味の慣用表現です。単なる「want to」より感情的なニュアンスが強く、「~する気になれない」と訳すと自然な日本語になります。
細かく調べて、できる限り注釈をつけて和訳しました。
※普段聞かないような難しい単語、普段とは違う用法の単語や熟語は、調べておきました。
歌詞の右上に表示される小さな数字をクリックorタップしていただけるとポップアップで注釈が見れます。
以下、和訳です。
I Don’t Feel Like Dancin’ – Scissor Sisters
[Verse 1]
Wake up in the morning with a head like, “What ya done1ya done
[口語・AAVE]”you have done” の口語短縮形。自分の行いを後悔して自問する表現。?”
朝目覚めると、頭の中に「いったい何をやったんだ?」という声が響く
This used to be the life2the life
[名詞句・イディオム]「理想の生き方」「夢のような生活」を意味するイディオム。, but I don’t need another one
これがかつては理想の生き方だった、でももうこんな日々は繰り返したくない
You like cuttin’ up3cuttin’ up
[句動詞・俗語]はしゃぐ、騒ぎを起こす、羽目を外すという意味のスラング。 and carryin’ on4carryin’ on
[句動詞・イディオム]騒ぎ続ける、大げさに振る舞うという意味のイディオム。, you wear them gowns
あなたははしゃいで騒ぎ続けるのが好きで、ドレスを身にまとって
So how come I feel so lonely when you’re up gettin’ down5gettin’ down
[動・俗語]「踊る」「パーティーで盛り上がる」を意味するスラング。?
なのに、あなたが盛り上がって踊っているとき、なぜこんなに孤独を感じるのだろう?
[Pre-Chorus]
So I’ll play along6play along
[句動詞]「演じる」+「調子を合わせて」→ 乗っかる・合わせていくという意味のイディオム。 when I hear that special song
だからあの特別な曲が聴こえたら、合わせて乗っていくよ
I’m gonna be the one who gets it right
うまくやり遂げてみせるのは僕だ
You’d better7You’d better
[助動詞]「You had better」の短縮形。「〜したほうがいい/しなければ」という強い忠告を表す慣用表現。「You would better」ではない点に注意。 move when you’re swingin’ ‘round the room
部屋中を揺れながら踊るなら、しっかり体を動かさなきゃ
Looks like the magic’s only ours tonight
今夜の魔法は、僕たちだけのものみたいだ
[Chorus]
But I don’t feel like dancin’ when the old Joanna8Joanna
[名・俗語]コックニー・ライミングスラングで「ピアノ」を意味する(Joanna = piano)。英国ロンドンの労働者階級の方言に由来。 plays
でも古いピアノが鳴り響いても、踊る気分じゃない
My heart could take a chance, but my two feet can’t find a way
心は踊ってみたいのに、両足がついてこない
You’d think that I could muster up9muster up
[句動詞]「召集する」→ 勇気や気力を「奮い起こす・かき集める」ことを表すイディオム。 a little soft-shoe10soft-shoe
[名・舞踊]金属タップなしで行う軽やかなタップダンスの一種。さりげなく気軽なステップ全般を指すこともある。 gentle sway
少しくらいはソフトシューで軽く体を揺らせそうなものだと思うだろう
But I don’t feel like dancin’, no sir, no dancin’ today
でも踊る気分じゃない、絶対に、今日は踊らない
I don’t feel like dancin’, dancin’
踊りたくない、踊りたくない
Even if I find nothin’ better to do
他にすることが何もなくたって
Don’t feel like dancin’, dancin’
踊りたくない、踊りたくない
Why’d you pick a tune when I’m not in the mood?
気分じゃないのに、なんで曲なんてかけるの?
Don’t feel like dancin’, dancin’
踊りたくない、踊りたくない
I’d rather be home with the one in the bed ‘til dawn with you
それよりも夜明けまであなたとふたりで家のベッドにいたい
[Verse 2]
Cities come and cities go, just like the old empires
都市は栄えては滅ぶ、かつての帝国のように
When all you do is change your clothes and call that versatile11versatile
[形]「多才な・応用が利く」という意味。表面的な変化を「多才さ」と見せかけることへの皮肉を含む。
服を着替えるだけで、それを多才と呼ぶあなた
You got so many colours12colours
[名・比喩]本来は「色」だが、ここでは「個性の側面・気分・顔」を指す比喩表現。 it’d make a blind man so confused
あなたには様々な顔がありすぎて、目の見えない人でさえ混乱するほど
Then why can’t I keep up13keep up
[句動詞]「遅れずについていく・歩調を合わせる」を意味するイディオム。 when you’re the only thing I’d lose?
なのに、なぜついていけないのか——失うとしたらあなただけなのに
[Pre-Chorus]
So I’ll just pretend that I know which way to bend14bend
[動・比喩]「曲げる」→ここでは「どちらに折れるか・どう歩み寄るか」を意味する比喩表現。
だからどちらに折れればいいか、わかっているふりをするだけ
And I’m gonna tell the whole world that you’re mine
そして世界中に告げるよ、あなたは私のものだと
Just please understand when I see you clap your hands
ただわかってほしい、あなたが手を叩くのを見るたびに
If you stick around15stick around
[句動詞]「くっついてまわる」→「その場にとどまる・そばにいる」を意味する句動詞。, I’m sure that I’ll be fine
あなたがそばにいてくれれば、きっと大丈夫だよ
[Chorus]
But I don’t feel like dancin’ when the old Joanna16Joanna
[名・俗語]コックニー(ロンドン下町方言)のライミング・スラングで「ピアノ」を指す。piano → “Joanna” の韻から転じた表現。 plays
でも、古いピアノが鳴り響いても、踊る気にはなれない
My heart could take a chance, but my two feet can’t find a way
心は一歩踏み出したくても、両足がどうにも動いてくれない
You’d think that I could muster up17muster up
[句動詞]「召集する」→「(勇気・力などを)奮い起こす」の意のイディオム。 a little soft-shoe18soft-shoe
[名・ダンス用語]柔らかい底の靴で踊る軽やかなタップダンスの一種。転じて「ゆったりとしたステップ」全般を指す。 gentle sway
ちょっとしたソフトシューの柔らかいステップくらい、なんとかなりそうなものだけど
But I don’t feel like dancin’, no sir, no dancin’ today
でも踊る気にはなれない、まったくもって、今日は踊らないよ
I don’t feel like dancin’, dancin’
踊る気がしない、踊れない
Even if I find nothin’ better to do
他にすることが何もなくたって
Don’t feel like dancin’, dancin’
踊る気がしない、踊れない
Why’d you pick a tune when I’m not in the mood?
気分じゃないのに、なぜ曲をかけるの?
Don’t feel like dancin’, dancin’
踊る気がしない、踊れない
I’d rather be home with the one in the bed ‘til dawn with you
夜明けまであなたとベッドで、家にいたい
[Bridge]
You can’t make me dance around19dance around
[句動詞・イディオム]「うろうろ踊る」から転じて「相手に振り回される・言いなりになる」という意味で使われる表現。
あなたに振り回されはしない
But your two-step20two-step
[名・ダンス]2拍子のステップを基本とするダンスのスタイル、またその動き。 makes my chest pound
でも、あなたのツーステップが胸を高鳴らせる
Just lay me down
ただ、私を横たえて
As you float away into the shimmer lights
あなたがきらめく光の中へ漂い去るように
[Chorus]
But I don’t feel like dancin’ when the old Joanna21Joanna
[固有名詞・コックニー俚語]イギリスのコックニー・スラングで「ピアノ」を意味する隠語。”Joanna”と”piano”が韻を踏む表現に由来する。 plays
でも古いピアノが鳴っても、踊る気にはなれない
My heart could take a chance, but my two feet can’t find a way
心は思い切れても、両足が言うことを聞かない
You’d think that I could muster up22muster up
[句動詞]「集める・召集する」→「(気力や勇気を)奮い起こす」の意。musterだけでは「奮い立てる」というニュアンスは生じない。 a little soft-shoe23soft-shoe
[名・ダンス用語]金属タップを使わない静かなタップダンスの一種。軽やかで優雅なステップが特徴。 gentle sway
少しくらい軽やかに体を揺らせそうなものでしょう
But I don’t feel like dancin’, no sir, no dancin’ today
でも踊る気にはなれない、絶対に、今日は踊らない
I don’t feel like dancin’, dancin’
踊る気になれない、なれない
Even if I find nothin’ better to do
たとえほかにすることが何もなくても
Don’t feel like dancin’, dancin’
踊る気にはなれない、なれない
Why’d you pick a tune when I’m not in the mood?
気分じゃないのに、なぜ曲をかけるの?
I’d rather be home with the one in the bed ‘til dawn with you
それより、夜明けまであなたとふたりでベッドにいたい
I don’t feel like dancin’, dancin’ (I don’t feel like dancin’)
踊る気分じゃない、踊りたくない(踊る気分じゃない)
Even if I find nothin’ better to do
他にやることが何もなくても
Don’t feel like dancin’, dancin’ (I don’t feel like dancin’)
踊る気分じゃない、踊りたくない(踊る気分じゃない)
Why’d you pick a tune when I’m not in the mood24in the mood
[熟語]「気分が乗っている・やる気がある」状態を表すイディオム。否定形で「その気になれない」の意。?
気分じゃないのに、なぜ曲をかけるの?
Don’t feel like dancin’, dancin’ (I don’t feel like dancin’ without you)
踊る気分じゃない、踊りたくない(あなたなしじゃ踊る気分じゃない)
I’d25I’d
[短縮形・法助動詞]I wouldの短縮形。ここでは「I would rather〜」(〜の方がいい)という選好を表す構文。 rather be home with the one in the bed ‘til dawn with you
あなたとベッドで夜明けまで、家にいたい
Writer(s): Elton John, Babydaddy, Jake Shears
以上です、いかがでしたでしょうか!
以下に、ミュージックビデオ貼っておきます!ご覧ください!
よくある質問
「I Don’t Feel Like Dancin’」はどんな曲ですか?
アメリカのバンド・Scissor Sisters(シザー・シスターズ)が2006年にリリースした2ndアルバム『Ta-Dah』のリードシングルです。エルトン・ジョンが共同制作しピアノ演奏にも参加したことで大きな話題を呼び、イギリスのシングルチャートで初登場1位を獲得、2006年の英国で最も売れたシングルのひとつに輝きました。ディスコとグラムポップを絶妙に融合させたサウンドは色褪せることなく、現在もストリーミング各プラットフォームで根強い再生数を記録しています。
“ya done”はどういう意味ですか?
冒頭の歌詞「Wake up in the morning with a head like ‘what ya done?’」に登場するフレーズです。”ya done”は “you have done” を思い切り省略した口語表現で、「いったい何をやらかしたんだ?」というニュアンスになります。二日酔いのまま朝目覚め、昨夜の自分の行動を頭を抱えながら振り返る――そんな自己突っ込みのセリフです。自虐的なユーモアが漂う、まさに「あるある」な朝の光景ですね。
“the life”はどういう意味ですか?
「This used to be the life」という歌詞中に出てくる表現です。”the life” は「(自分が思い描いていた)最高の生き方・理想のライフスタイル」を指す決まり文句で、「これぞ人生!」と言いたいときに使われます。注目してほしいのは “used to be”(かつてはそうだった)という過去形との組み合わせ。パーティーもダンスも昔は最高だと思っていたのに、今はもうそう感じられない――その落差と切なさがこの一文に凝縮されています。
“cuttin’ up”はどういう意味ですか?
主にアメリカ南部やアフリカ系アメリカ人のスラングで使われる “cut up” という表現で、「大騒ぎする」「はしゃぎ回る」「無茶をする」といったイメージです。ダンスフロアで羽目を外してめちゃくちゃに踊り騒ぐ様子を指しており、周囲の「さあ一緒に盛り上がろう!」という空気を象徴する言葉として機能しています。語末の “g” を落とした “cuttin'” という綴りも、わざとらしくなく自然な口語感を出すための書き方で、歌詞全体の軽妙なトーンを支えています。
関連リンク
I Don’t Feel Like Dancin’ – Scissor Sisters (Official Video)
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